Angel Dream
心の花に付け込む敵を倒す設定だったプリキュアは俺の中で1番の神回だった気がする。
精神科を出た。センターパートにセットした髪型に、カラコン。そして、モノトーンのチェックシャツにGUで買ったスキニージーンズ。この格好であれば、他のオタクの奴らとは違うだろう。ふふ。
アキバに着くと多くのオタクで賑わっている。なんだかんだここが1番落ち着く。なんだろう、自分と多分同じような性格なんだろうなって言う人が多いだけで安心感が違う気がする。
数分歩いた路地裏、ビルの3階。そこにある「Angel Dream」は、仕事終わりの俺に刺さる。ような気がする。
そこに入ると、頭にフリフリのカチューシャ的なリボン的な白の何かをつけ、水色のリボンにメイド服。ミニスカートなメイドさんが案内してくれた。
「……でさー、お客さんに色々言われちゃって〜、俺が悪かったのかな〜……」
長い黒髪を靡かせてその子は笑顔で俺に話す。
「ううん、そんなことないよ。ソラさんは悪くない。絶対そう思う」
「そうかなぁ〜」
「うん。私も実はさあ、お客さんに色々言われることあって、たまにつらくなること、あるけど、でもこうやってソラさんに、『りさちゃんはとっても優しいね』って言われるから。それを、信じてるの」
……そっか。
そうだよね。
俺だって、接客業してるけど、お客さんに、「ソラさんってとっても優しいね」って言われること多いから、色々言われること、あるけど、それだけ信じれば、いい気がしてきた。
白いテーブルに白いカーテン、メルヘンな雰囲気に染まったこの空間が、落ち着いて大好きだから。
「確かに、りさちゃんの言うとおり、かも……。模試の、1番いい時の結果だけ信じるみたいな、感じかな?」
「……うーん、そうなんじゃない?」
でも、りさちゃんは、俺のことを理解してくれている気がする。
そんなこんなで、話してたら50分が経った。
「そろそろワンセット終わりなんだけど、ソラ君、もう少しいてくれるかな……? いてほしいなあ……」
「……うーん、でもさあ、それって、俺からお金が欲しくて……」
それを聞くと、りさちゃんは泣きそうな顔になって、顔を横に振った。
「ううん。違うの。私は、ソラくんとたくさん話したいだけなの。だから、信じて」
「……うん。俺たち、相思相愛だね」
ニコッと、りさちゃんは笑ってくれた。




