22話
テンマサマをモキュメンタリーホラーの題材にする。
そう決めたは良いが、今の構想では上手く怖さを表すことができない。
もう一度、構想を練り直し、調べ直す。
フェイクを装ったドキュメンタリーホラーを創るために。
そんな中で、親しい友人がグループラインでメッセージを送ってきた。
『今日、ここに行ってきたよ』
東北町にある日本中央の碑という場所だ。
都市伝説としても有名な場所。平安時代の武官、坂上田村麻呂が残した『壺の碑』としても伝承が残されている。
壺は坪や都母とも読むことができ、私の地元の天間林村にも『坪』という地名があることを思い出した。
「そういえば……」
先日、この村で殺人事件が起きた。場所は坪川の近く。
全国区のテレビでも報道され、私の地元は悪い意味で有名になってしまった。
しかも、被害者は生き埋めされたのだ。
「もしかして、これって人柱なのか……」
私はなぜかそう感じてしまった。
青森県には不可解な事件が起こることがある。霊的な何かを思わせるような事件。
少し前の話だが、近くの町で放火による事件があった。
亡くなったのは女性4人と火をつけた男性。家で寝ていた男性は全員助かるという事件だ。
事故物件に詳しい人なら、この情報だけで特定できるかもしれないが、遺族のことを考えるとこれ以上深掘りはしないようにしようと思う。
この事件と同じような何か霊的なものを感じとれてしまう。生き埋めというのは現代ではなかなか聞くことがない殺害方法だ。
「これは自分の考えるフェイクを装ったドキュメンタリーホラーと組み合わせると怖くなるな」
パズルのピースが上手くハマるような感覚。これを軸にモキュメンタリーホラーを考えよう。
そう思い、構成を練り直し、ある賞レースを目標にして、書き始めた。事故物件を題材にした賞レースだ。
私は自身に起こった事故物件の話を思い出しながら書き始める。
そして、見えてきたこと。
私の地元の七戸町は天間林村と七戸町が合併した町だ。でも、実は天間林村も元々合併してできた村なのだ。
天間館と榎林が合わさって天間林になった。
私が生まれたのは天間館の方。漢字を見て、その意味に気づいてしまった。
天間館はテンマ様の館ということに。
私の出生の地がタタリ神様の館にまつわるということを知ってしまった。言い方は悪いかもしれないが、生まれた地が事故物件ということでもあるのだろう。
だから私は事故物件に非常に興味が惹かれるのだろう。
じゃあこの後の展開はどうする?
私はこの物語をどう進めていくのが、良いのだろうか。
私は悩み始めた。
そして、私は再びこの物語を始めから読み返すことにした。
すると、あることが見えてきた。
「これが私の探し求めていた答えだったんだな……」
私は理解してしまった。この物語の終わらせ方を。
だが、それは決して開けてはいけないパンドラの箱だったのかもしれない。
これから行うことは、今現在私が住む場所を事故物件化することなのだから。




