18話
これは私が18歳の時に体験したお話です。
高校を卒業した私は建設会社に勤めました。総務部で事務の仕事です。
この会社は個人を相手にするところではなく、役場からの仕事をするのが主な仕事でした。
そんなある日、建築部の人に一緒に来てほしいと言われました。
公営住宅の内装工事でした。
詳しく話を聞くと、自殺して亡くなった人がいるからとのこと。
部屋番号は104号室。
社会人になったばかりの私でしたが、ホテルの部屋やアパートの部屋は4は避けるというのは知っていました。
お役所仕事だから4号室ってあるんだな。そんな風に思いました。
部屋の中に入ると、すでに部屋は片付けてあり、会社の先輩は見積もり書を作るために来たのだということがわかりました。
と思いながら、次の部屋に行くと、それはありました。
和室の畳に残されたシミの跡。
ここで亡くなったことがわかるハッキリとした痕跡。
妙に生々しいその姿に、私はすぐに目を逸らしました。
先輩はただ淡々と自分の仕事をする。でも一人ではやりたくない仕事だから、私を連れてきた。
私は何かをすることもなくただ付き添うことしかできませんでした。
これが私が立ち会った事故物件のお話です。
次はなぜ私が事故物件の話を小説にしようと思ったのかを話していきたいと思います。




