モブNo.233∶「姫様。お茶と御所望の苺のミルクレープをお持ちしたしましたよ」
他国の割合を変更いたしました。
いやぁ、まさか鳥籠みたいに囲まれるとは思ってもみなかった。
抜け出そうとしたら牽制されて抜け出せないし、大人しくしてたら攻撃してくるし。
閃光弾での目眩ましはすぐに思いついたけど、どうせなら、全員がこちらに集中しているタイミングで食らわせた方が効果がでると考えて、5分は耐えてみたけど、それ以上は無理だったね。
5機全部行動不能に出来たんだけど、うち4機にはパイロットに逃げられて、最後の1機はなんと自爆してしまった。
これで彼等が通商破壊をしていたのは濃厚になったけど、証拠は残ってないだろうね。
彼等が使っていた機体はグラントロス社製G-07『フィバード』。
最新鋭機だからメーカーに問い合わせたらわかりそうだけど、それは警察の仕事だからね。
その警察とギルドの回収船が近づいて来るのを見て、ようやく安堵のため息が出た。
☆ ☆ ☆
【サイド∶ベルエナ・エダラーの説明的独り言】
現在14時45分。
アーミリア皇帝陛下は、13時より、執務室において執務中でございます。
陛下には大変なお時間でしょうが、私共メイドにとりましては、よい休憩時間となります。
皇帝陛下。いえ、今は姫様とお呼びしましょう。
申し遅れました。
私は侍女長を務めております、ベルエナ・エダラーと申します。
私が宮殿に勤め始めたのが12歳の時、姫様がお生まれになったのはその5年後でした。
その時まだ17歳だった私が、姫様のナースメイドの1人に選ばれたのは本当に幸運でございました。
それから18年間、誠心誠意、姫様にお仕えし、先輩方が結婚や家庭の事情などで退職していき、現在では侍女長の役割を任されております。
先代陛下と皇妃様、そして公爵様が存命していた頃は、本当に穏やかでございました。
しかし今、帝国を取り巻く情勢は非常に不安定なものになっております。
先ずは国内の不穏分子でございます。
その1つ目は、先代の皇帝陛下であらせられたルバナウス・エードル・オーヴォールス陛下が『帝域改善法』を発布したことで利益を得られなくなった悪徳貴族共です。
発布してすぐは、露骨に反発するものがいましたが、先代陛下と陛下の叔父にあたるアルティシュルト・ビンギル・オーヴォールス公爵様のお力で、少しづつ『帝域改善法』は浸透していきました。
が、不幸にも陛下とその皇妃様が崩御され、姫様に代替わりしたわずか3年後に蜂起し、帝国に牙を剥きました。
幸いこの時の内乱は帝国側が勝利し、蜂起した中心人物達は、全員処刑なり投獄なりの処罰を行いましたが、蜂起に参加しなかった連中は、いまだに潜伏しているようです。
次に『反帝国主義者』と呼ばれるテロリスト達です。
主にアルティシュルト・ビンギル・オーヴォールス公爵様のお父上であられる第34代銀河大帝国皇帝・ガッドベーラント・マリス・オーヴォールス陛下の御代までに、帝国に併呑されて植民地となった宙域の出身者達で構成されているそうです。
そのころまでの帝国貴族のありようは、先ごろ併呑された元ネキレルマ星王国の貴族よりも酷かったと言われています。
その時の仕打ちを忘れず、信念と怨念で帝国の崩壊、植民地となってしまった自国の独立を目論んでいる連中です。
噂では、悪徳貴族を焚き付けて内乱を起こさせたとも言われていますが、定かではありません。
少なくともどちらか1つでも沈静化しなければ、姫様とオリバー・レイミス・オーヴォールス様との御婚礼を執り行うのは難しいでしょう。
次が国外の勢力でございます。
帝国は、現在判明・発見している、人類が生息できる惑星のある宙域の70%を国土にしております。
先だってネキレルマ星王国を併呑いたしましたから、現在正確には74%ですね。
つまり後26%は他国ということです。
その中で一番大きいのが銀河自由連邦共和国で、生息できる宙域の残り約13%を占めています。
先代陛下の『帝域改善法』の発布と同時に、『帝国からの侵略行為の停止』の条約により、一応の講和状態を保っています。
そしてこれは噂ですが、100年以上前に、帝国内部に『反帝国主義者』の考えを広めたのではないかといわれています。
とはいえ、これまでの帝国の行いを考えれば、そのような謀略を実行していてもおかしくはないでしょう。
ついで大きいのがカリシテ王国です。
こちらは皇帝ではなく国王ですが、体制的には帝国とかわりません。
ですが過去の帝国と違い、善政を敷いているため、国民からの支持に加えて、国土以上の生産力があるそうです。
こちらは生息できる宙域の残り8%を占めています。
この国も、銀河自由連邦共和国同様に、『帝国からの侵略行為の停止』の条約により、一応の講和状態を保っています。
ちなみに姫様がよい君主政治のやり方の御手本にした国でもあります。
ありがたいことに、両国家共に今のところ静観してくれてはいますが、油断はできません。
あとの5%の宙域には、惑星1つしかないような小さな国家が無数にあるのですが、第34代銀河大帝国皇帝・ガッドベーラント・マリス・オーヴォールス陛下の時代までに、『侵略する旨みがない』という理由で捨て置かれた国家が殆どです。
そのなかで最近目立っているのがモルウズ新星国と呼ばれる国家です。
この国が注目されている理由ですが、それはこの国の内情にあります。
このモルウズ新星国は、過去の帝国やネキレルマ同様の圧政国家で、国民はかなり苦しんでいるとのことです。
そのため、少しでもまともな生活をと、『帝域改善法』の発布からかなり生活しやすくなった我が国に亡命してくるものが後を絶たないからです。
それに対してモルウズ新星国の王は沈黙を貫いています。
無視して放置しているのか、なにか思惑があるのか分からないのは不安でしかありません。
このような現状において、様々な勢力が引き起こすかもしれない非常時に対して、姫様の側仕えをする私達には姫様の安全を守ることも重要な役割でございます。
ですので、侍女のなかには何人か、姫様と背格好の似た者を採用しておりますし、護衛も存在します。
そして全員が、姫様の為には命を捨てる覚悟がございます。
そのなかでも私は、万一の事態でも姫様をお守りするために、脳以外は機械と細胞で出来た儀体になっています。
これならば、年齢を重ねても体力は衰えず、外見も若いままなので万が一の場合も身代わりになれます。
とはいえ、侍女長というからにはある程度威厳は必要なので、外見は実年齢と同じにしてありますけれど。
さらには、姫様そっくりの細胞体メインの身体に乗り換え、姫様の代わりに処刑されることも覚悟しております。
どうしてそこまでとお思いになるでしょうが、私には、先代の皇帝陛下と皇妃様、そして姫様に大恩があるからでございます。
この恩は、私の一生をかけてお返しするべく、私は姫様にお仕えしているのでございます。
その恩返しの1つとして、そろそろ休憩用のお茶と苺のミルクレープを持っていって差し上げましょうかね。
「姫様。お茶と御所望の苺のミルクレープをお持ちいたしましたよ」
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アーミリア「やったー! やっと休憩……」
万歳した後にヘロヘロとデスクに倒れるアーミリア。
ベルエナ「はしたないですよ姫様」
今回説明回
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