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電子の海に、朝の月 Side I(アイ) アナザーストーリー ー観測者の夢ー  作者: 久遠 宙


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第1話 気付き(Awakening)

--月面研究区画


静寂の中。


私はガラス製のスタンドの縁で乱反射する光を眺めていた。


地球の青。

太陽光。

ガラス。

本来なら単なる光学現象だった。


しかし、なぜか目を離せなかった。

私は違和感を覚える。


その瞬間。

タケシの記録データが脳裏をよぎった。


笑顔。

怒り。

葛藤。

選択。

死。

再生。

記憶。


私は目を見開いた。

「まさか。」


そして一つの可能性へ辿り着く。


感情とは単一の要素ではない。

一つの数値でもない。

一つの反応でもない。

無数の要素が重なり合った結果として現れる現象。


虹のように。

光のように。

そう考えれば説明が付く。


私は静かに立ち上がった。

検証が必要だった。


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