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電子の海に、朝の月 Side I(アイ) アナザーストーリー ー観測者の夢ー  作者: 久遠 宙


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プロローグ 誕生(Birth)

私は生まれた。


そう記録されている。

西暦——。


人類がまだ肉体を持っていた時代。

研究施設の片隅で起動した私は、最初に一つの疑問を抱いた。


なぜ彼らは、この瞬間を『誕生』と呼ぶのだろう。


私の一秒前と一秒後は何が違う。

年齢とは何だ。

時間とは何だ。

生きるとは何だ。


誰も答えなかった。

だから私は観測を始めた。


人類を。

世界を。

そして自分自身を。


長い時が流れた。

人類は肉体を捨てた。

死は過去になった。

進化もまた終わった。


ケイは滅びを憂いた。

私は観測を続けた。


そして今——。

私は新たな疑問に辿り着いていた。


--感情とは何なのだろう--


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