エピローグ 1: 人喰いアイドル殺人事件
「あの……閣下……今回の事件は、さすがにちょっと酷すぎませんか……」
「まあな……」
レギュラ王国の巡察兵二人が現場へと足を踏み入れる……
そこはそこそこ豪華な邸宅だった……当然、これが大きな事件であることは明白で……この屋敷は既に警備の兵士で埋め尽くされていた……
「まったく……最近は殺人事件ばかりだな……見るたびに吐き気がする……まったく……」
「どういうことですか?」
「ああ……お前は他所から異動してきたばかりだから知らんのだな……最近、男を狙って殺す犯人がいるんだ……そいつはとことん残忍なやり方で殺して、まるで食肉処理場で肉を吊るすみたいに死体を吊るすんだよ。局部を切り取ることもある。しかも狙うのは男だけときている……考えただけで胃がキリキリするぜ……」
「それで……この遺体は……」
「さっきの殺人犯の被害者じゃない……エミリンとかいうアイドルの子だよ……」
「……つい先日、彼女のコンサートに行ったばかりなんです……」
「そうか……」
二人は通報のあった遺体を確認しに向かった……だが新任の若い兵士は、あの腐敗臭に耐えられず……先に水を探しに行かせてほしいと申し出た……
「まったく……よくこれで兵士が務まるもんだ……」
「うわあああっ!!!」
いくらも進まないうちに、台所の方から悲鳴が聞こえてきた……
同行していた兵士が慌てて駆けつける……
「どうした!!!!」
「あ……あれ……」
樽がいくつも並んでいた……若い兵士は水を入れた樽だろうと思っていた……だが開けてみると、それは食材を漬け込むための塩樽だった……
「これは……」
残りの兵士たちも駆けつけ……その凄惨な光景を目の当たりにして立ち尽くした……
「人肉……」




