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第8奉仕 大蛇討伐をする事になりました

「そう言えば、どうやって大蛇を見つけるんですか?」

「まさか努力と根性……なんて言わないですよね?」


「あぁ。餌で釣る」


「餌……? 餌とは、何処にあるんですか……?」


「【開放(リベラーディオ)】」


 レオンはその言葉を発した瞬間に、何処からとも無く手から魚を出した。


「それは、どのような能力で?」


「言わずとも分かるだろう。『収容者(クストス)』。行くぞ」


 生み出すとかそういう感じではなく、頭から出てきていたので、しまうとか、そういう感じの能力なのだろう。


 躊躇なく沼地に踏み入るレオンと重装備のオウロさんの神経を疑いながら、俺は嫌な気持ちを押し殺して、後から沼地に踏み入る。


「……暗い……それに狭い……よし、ここら辺に罠を仕掛けるぞ。オウロ」


「承知致しました、お坊ちゃま」


 レオンが指差した場所にオウロはパパっと手際よくとても大きく縄を張り巡らせ、レオンがその中に魚を数匹放り投げた。


「よし、後は待つだけだ」


「承知致しました」


 木に吊るされた網を見つめること早2時間。

 大蛇の影どころか、ほとんどの生物を見かけていない。

 挙句の果てに、最初は泥の中でなんとか生きながらえていた魚も既にプカーっと水面に浮かんでしまっている。


「…………お坊ちゃま、その沼の大蛇と言うのはどの様な存在なんですか?」


「う〜ん……見えない死神だ」


「見えない……とは?」


「周りとカモフラージュする能力があるらしい」


「なるほど?死神……というのは?」


「あぁ、その大蛇は赤く宝石のような目を三つ持つんだ。それで、第三の目から発せられる赤い波動の攻撃はもろに食らうと生命力を硬化し丸めた物……と言うものを吐いてしまうらしい」


「なるほど……だからオウロさんは重装備なんですね。正直装備関係ないと思いますが」


「そうですか? ですが、備えがあれば不安はないですよ?」


「左様ですか」


 つまり、初陣でボス戦のような物だ。

 だが、俺に不安の心は一切ない。何故なら、あのリノルに鍛えられまくった上に、先ほどオウロにクラリス家と驚かれたからだ。


 少し目を離した隙に、仕掛けた罠は跡形もなく消え去っていた。


「……お坊ちゃま、罠何処に行きました?」


「え?……大蛇だ!大蛇が現れたぞ!!」

「オウロ、ルミナ!探せ!!まだ近くに居るはずだ!!」


「承知致しました」


「お坊ちゃまの頼みならなんなりと。このオウロにお任せください」


【糸の結界】を使い、まだ遠くには行っていないであろう大蛇を探す。


 紫色の糸がぐるぐると乱雑に沼地内を駆ける。


 数秒もしない内に、二十メートルほど離れた場所から、糸に触る何か巨大な物を見つけた。


「……糸に反応が。居場所を特定できました」


「よし、そこに向かうぞ!オウロ!」


「ハッ!!」


 反応があった場所に向かってみると、そこには何も居なかった。

『見えない死神』と呼ばれるだけあって、大蛇は中々見つけづらいようだ。


「ルミナ、上だ」


「上?」


 その大蛇は本当に背景に溶け込んでおり、カメレオンのように風景に色を合わせて、マングローブのような木に巻き付いていた。

 心なしか、それは悲鳴をあげていて、枝で大蛇の体重を支えるのに精一杯の様に見えた。


「…よく気付きましたね、お坊ちゃま」


「まぁな」


「ルミナ様、早くお倒しください……!」


「今やりますよ」


 基本的に、クラリス家の糸は迎撃系、トラップ系の技が多い。

 だから、何で戦闘を仕掛けるか迷ったのだが……

 俺はリノルに教わった糸を刃にする技術で戦闘を仕掛けることにした。


「ふんッ!!」


「シャアアアアア……!」


 糸は大蛇の鱗とかち合い、金属音を鳴らして火花を散らし、木を刻んだ。

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