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第3奉仕 ルミナの姿を確認しました

 今の俺、所謂ルミナの姿は、アオやリノルの様に黒髪で、インナーカラーに白、アオの様にツリ目で、光の灯っていない紫色の瞳だった。


 容姿を確認した後は、俺がルミナに擬態する為に、歩き方や癖を確認する。

 

 ルミナはゆっくり歩くらしく、歩く際には手を組む癖があるが矯正済み。

 今はスカートの前部分を抑えて歩くらしい。


 物静かで冷静に見える口調とポーカーフェイスが特徴的ではある。


 ポーカーフェイス……だと……

 すぐに顔に出るわ! こうなったら……

 表情筋を死滅させるか。


 ルミナを演じる上で、好きな物と嫌いな物を確認するのも欠かせない。


 ルミナはどうやら読書ともふもふしているものが好きらしい。

 そこんとこは普通の女の子っぽくて安心した俺が居る。


 好きな物は一通り確認したので、今度は嫌いな物も確認する。


 確認しようとする。


 …………


 暫くしても、なんの情報も流れてこない。

 つまり、つまりだ。

 なんの情報も流れてこないってことは、不明って事だ。削除されたアカウントと同じだ。


 そこから導き出る答えは……


 嫌いな物なんて、なにもない。


 できすぎだろこの娘……ちょっと怖くなってきた。


 重要事項を確認しきった俺は、男ならば誰もが女子に転生した時の、ロマンを一つ、思いつく。


 …………女の子のあそこは、どんな物なんだろうか。


 善は急げ。いや、この場合は急がば回れのほうが正しいかもしれない。

 そんな事はどうでも良い!!

 俺は自分の着ている物を全て、下だけ脱ぎ捨てた。


 そこにあったのは、これから草木が生い茂るであろうオアシスであった。


 …………5歳だし当たり前か。俺は何をしているのだろう。これは俺の体なのに。

 しまうか。うん。


「ルミナ〜。入るわよ〜」


「はい! お母様!」


 急なリノルのご来客に、俺は急いでパジャマを履き、ベッドへと飛び込む。

 驚愕のあまり、声も上ずってしまった。


「今日はとってもご機嫌ね。はい。薬よ」


 うわ……ドロドロしてる……


「あ……ありがとうございます」


「はい、あーん」


「あ、あーん。ですか?」


「ええ。お母様が飲ませてあげるわ」


 30代になってまで、あーんされるという事実とドロドロしていて明らかに良薬なその薬を前に、俺はだいぶ渋って口を開けようとしなかった。


 段々とリノルが「ルミナに何かあったのではないか」と猿でも見ればわかるような訝しい表情に変わった。


「あ……あーー……」


 その為、俺は素直に観念して渋々と口を開けた。


「ん」


「良く飲めたね〜。よしよし」


 にっ……苦ッ!!!


「あ、ありがとうございます。お母様」

 苦すぎッ……涙出てきた……


「うふふ。ちょっと苦かったかな?」


 リノルはそんな俺に微笑み、ぎゅっと俺の左手を握る。


「ありがとうございます。あの、舌にまだ苦味残ってて……」


「あら、今日はわがままなんだから。お水持ってくるわね」


 俺は少しでも舌の上の苦味を和らげようと、ヒリヒリと言っている舌を突きだして、空気に触れさせる。


 すぐにリノルは俺の部屋に木のコップ一杯に入った水と共に戻ってきた。


「はい。お水。自分で飲める?」


「飲めまひゅ。くだしゃい」


「は〜い。どうぞ〜」


 リノルから手渡された水は少しだけひんやりとしていて、舌上の苦味を喉奥へと持っていってくれた。


「ありがとうございます。お母様」


「いいのよ。それじゃあ、暖かくして寝ててね」


「わかりました」


 大体分かってきたぞ。この世界についてと、ルミナの立ち位置が。


 そして、とても暇だ。ゲームとかないのかな。あるわけないよな。


 まぁ…取り敢えず寝るか。それくらいしかできないしな。


 俺は目を瞑り、意識が浮かんでいく様な心地のいい感覚で眠りについた。

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