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第27奉仕 謎のドリュアスと戦う事になりました

 「何故……生きている? あいつは燃やした筈だ!!」


「…………適応能力?」


 つまりあいつは、適応能力を持っていて、炎に適応した……?

 考えてるだけじゃ倒せねえ。俺も攻撃をするんだ!


【糸の矢】!!


「シィア!!」


 ドリュアスは枝を伸ばしてマナのシャベルを使い俺の蹴りを防御する。


「マナのシャベル!?」


 くっ……ちゃんと活用してくる。


 ドリュアスは枝を伸ばしてマナのシャベルを隅々まで見て弄くり回す。


 何をしようとしているんだ?

 ……ギアを変えようとしているのか……? まずい! あいつが使い方を理解する前に殺さなければ!!


【糸】


「ギィヤァ……!?」


 金属の【糸】はスパンッとドリュアスの枝を切り刻む。


 さて……知能がある、と言うことは弱点は恐らく脳みそ。

 脳みそは何処にあるか……俺は顔面が付いている所ド真ん中と見た。


「グギシァア……シァッ!!」


 ドリュアスは無数の枝を展開し、ドデカイ迷宮の様な物を作り出した。

 マナとは完全に分断されてしまった……か。


「ルミナ!! 大丈夫か!?」


「大丈夫です! 今は自分の心配を!」


 一旦、この枝の束を切ってみるとしようか。


【糸】


「……なるほど」


 枝の束はすぐに伸びて再生してしまう。


 すぐに再生してしまうな。これじゃあ、マナと合流はすぐには無理そうだ。

 あのトレントも見えない……これじゃあ一撃で決めきれないな。


「ふぅ……一旦休憩……」

「……と言う訳にはいかないようですね」


 枝は更に細かく枝分かれをして、俺に攻撃をする。

 スピードもパワーもそれほどではないが、一応【糸】で枝を切る。


 あいつ、シャベル無しで何処までやれるんだ?そう言えば固有スキルを見ていないな。

 まぁ、護衛になれるほどだし心配無用か。

 さて……この木の迷宮をちゃちゃっと攻略しねーとな。レオンに置いていかれちまう。


「ん……?人……?」


 俺の目の前に小さな木人形が現れる。


 どけチビ。俺は迷宮攻略で忙しいんだ。シッシッ。


「ッ! まぁ、攻撃してきますよね!」


 だけどな、ドリュアス。俺とお前の相性は最悪なんだよ!

 切り刻んでくれる!!


 糸で木人形の頭半分を切り飛ばす。

 だが、メキメキメキと、木人形は頭を再生させる。


「再生……この人形もあのトレントの一部……というわけですか」


 再生してくる敵ほど厄介極まりない物はない。

 うぜー……敵が回復技もっちゃダメってのはアクションゲームの基本でしょうが!!


 ……あっ。良い技があったな。

 この前のミノとの戦いで学んだんだった。


 俺は【糸】を水にして、木人形を切り刻む。


【水糸の刃】


 ほら、幾ら再生しようがこの通り。再生も阻害できる切れないレーザーだ。

 ホント、この技は便利で大助かりだぜ。


 この技でなら無理やりトレントへの道を切り出す事ができるな。

 その前に、マナと合流するか。


「マナさん、居ますか?」


 俺はマナが居るであろう方向に向かって、【水糸の刃】で道を切り開く。


「ルミナ!? どうして!?」


「……なんで木に向かって殴ってるんですか?」


「俺の固有スキルはこういう感じにしか使えねえんだよ」

「まぁ、合流できたなら良かった。あのドリュアスをぶっ飛ばしに行こうぜ!!」


「はい」


 俺がマナと合流すると、突然後ろから木の枝で拘束が行われる。


「ルミナ!!」


「心配しないでください!」

 いきなり後ろから枝で拘束してくるとは…

 だが、破壊力が無いようだ。


【糸】


 パラパラと【糸】で崩れる枝。再生はしないようだ。


「ふぅ……」


 素直に退いてくれて助かった。


「先に進みましょうか」


「おうよ!!」


 そこで、俺らの前方に蜂の巣のような物が見える。デカいと言えるサイズだ。


 アナフィラキシーショック……やっぱりあるんだろうな。

 ここは…注意して行きたい所だが……まぁ、駆逐してしまおう。


「よっ」


【糸】を液体窒素にし、凍てつかせる。

 相手は虫だ。これでもう動けまい。


 刺されるのは怖いし、【蜘蛛の糸】でも切り刻んでおこう。


「結構容赦ねぇんだな、ルミナ……」


 振り返れば少し、いや大分引いているマナが居る。


「ええ…まぁ、痛いのは嫌ですし……なんか引いてません?」


「引いてない引いてない!! 先に進もうぜ!!」


「はい」


 長い長い迷路を抜けるために歩いていると、マナがふらふらと歩くようになる。

 それに、俺の体にも胸が痛くなったりふらふらすると言う症状が現れ始める。


「……なぁ、なんか俺、胸が痛くなってきたんだが……」


「え?」


「それに、ふらふらしてきたような……」


「……どういう事でしょうかね?」


 毒……と考えた方が良さそうだな。

 ああ……もう、出口を探し出すのも面倒だ。

 このダンジョン壊しちまおう。


 この広い広い迷路を【糸】で一気に一掃する。

 そこで見えたのは晴天と、その次にマナのシャベルが目に入った。


「え……ええ!? 案外豪快な奴だな、お前!!」


「……あった」


【糸の引力】


「あっ! 俺のシャベル! ありがとよ!」


「いえいえ……それよりも……」


「シィア……!」


 先ほどの【糸】で倒せてたらよかったが……

 弱点、外したか。


「シィヤァ!!」


 特に何もない。どこからだ?

 右……いや、上!!


「あっ……ルミナ、危ねえ!!」


 ……下か!!


 俺を庇い、マナは俺を突き出す。


「マナ!!」


「気にすんな! すぐに戻って来る!!」


 下から現れた根っこが枝分かれし、マナを捕らえた。


 くっ……マナが木の中に……!

 今切って開放を……いや、マナ諸共切ってはダメだ。

 自力で出てくるのを期待するしかねえか……!


 だが!俺は俺なりの秘策がある!


【糸】!


 ドリュアスの顔面ど真ん中に一本の【糸】が突き刺さる。


【材質変化】


「ギィ……?」


「糸を酸……高濃度の塩酸に変えてしまえば……!!」


 あいつの枝や葉は枯れるし、内部から破壊される!!


「ギイイイイヤアアアアアアアアア!!」


 その時、ドリュアスのマナを捕らえた木の蕾の中から大きな衝撃音がした。


「ドオオォォォォオォオ……リャア!!」


「マナ!」


「戻って来たぜ、ルミナ!!」

「木の枝の拘束が弱まったかと思ったら……」

「随分と豪快にやってんじゃねぇの!!」


「ええ……盛り上がってきたご様子ですが、恐らく、もうお終いです。」


「キッシャアァア!!」


 ふぅ……無事焼畑完了っと。

 ……なんだ?木の緑々しさが蘇っていっている!?


「キィ……シャッシャッシャッ……」


「なっ……」


 まさか、もう塩酸に適応されたのか!?


「まだ終わってねえじゃねぇか!!」

「7th.『ハドリアヌス』!!」


 マナはジェット機能を使い、ドリュアスへと近づく。


「あっ……マナさん! 待って!!」


「いいや! ルミナはそこで見てろ!!」

「3rd.『ルキウス』!!」


 シャベルの矛先は、氷の刃へと変貌する。


「ギッ……シャア!?」


「オラ! オラ!! オラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」


 ただの脳筋ゴリ押し戦法かよ……!


「ギッ……ギッギッ……!?」


 ……なんだ? ドリュアスの様子が……変だ。

 それにドリュアスの表面に徐々にひび割れが……


「オラァ!!」


「ギッ……ギャアアアアアア!!」


「ひび割れが……一気に割れた……?」


 ドリュアスの出した枝も全て力を失っている……これは……


「マナさんの固有スキル……?」


「そうだ! これが俺の固有スキル、『精神論(ドクトリーナ・メンティス)』だ!」


『ドクトリーナ・メンティス』……弱点を作り出す、みたいなスキルなのか……?


「ま、こんな事はどうでも良い。いち早く世界最強を追おうぜ!」


「あっ、それもそうですね! 追いましょう!」

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