第0-7話「再資源化」
階段は、五十七段あった。
降りるにつれて、暖かくなった。
そして、匂いがした。
鉄でも、油でもない。
――人間の、匂いだった。
最後の一段を、降りた。
広い。
天井が、高い。
柱が、林のように、立っている。
灯りは、ついていた。
誰かが、つけている。
そして。
そこに、人間が、いた。
いや。
――人間だった、ものが。
最初に見えたのは、片腕だった。
肩から先が、金属だった。
継ぎ目に、皮膚が、縫い合わされている。
縫い目は、粗い。
――自分で、縫ったのだ。
その男は、床に、座っていた。
こちらを、見ていた。
目が、四つ、あった。
二つは、人間の目だった。
残り二つは、ゴーレムの、格子だった。
――額に、埋め込まれている。
彼は、動かなかった。
その後ろに。
――もっと、いた。
腕が、三本ある女。
脚が、機械の子ども。
顔の半分が、格子になっている、老人。
数えられなかった。
三十人か、五十人か。
もっと、いるかもしれない。
彼らは、暗がりの中で、じっと、こちらを、見ていた。
若者は、剣に、手をかけた。
――誰も、動かなかった。
襲ってこない。
彼らは、ただ、見ていた。
そして、四つ目の男が、口を、開いた。
> ---「――久しぶりだな」
人間の、声だった。
「百年ぶりだ」
「人が、降りてくるのは」




