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語り継がれる第五の創世記  作者: たろう
【第三部】第7章:高天原 ―― 岩戸の、前で、騒ぐ

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第7-11話「切断」


 若者の、痙攣が、止まった。


 彼は、目を、開けた。


 ――頭の中が、静かだった。


 何も、表示されていなかった。


 名前も。


 番号も。


 階級も。


 心拍も。


 ――何も。


 彼は、上体を、起こした。


 そして、自分の手を、見た。


 ――ただの、手だった。


 情報の、重なっていない、手。


 彼は、エマを、見た。


 ――彼女の上にも、何も、表示されていなかった。


 当たり前だった。


 ――彼女は、最初から、そうだった。


 彼は、そこで、初めて。


 ――彼女と、同じ場所に、立った。


「――お前」


 彼は、そう、言った。


「――何を、した」


 エマは、答えた。


「――切りました」


「――何を」


「――あなたと、神の、あいだを」


 若者は、自分の、こめかみに、手を、当てた。


 ――チップは、まだ、そこに、ある。


 だが、繋がっていない。


「――俺は」


「――もう、魔法が、使えないのか」


「――はい」


 彼は、しばらく、黙っていた。


 そして、笑った。


「――そうか」


「――俺も、お前と、同じか」


 エマは、答えなかった。


 彼は、立ち上がった。


 剣は、鉄の棒に、なっていた。


 鎧は、重りに、なっていた。


 彼は、鎧を、脱いだ。


 そして、床に、置いた。


 そこには、六つの印が、刻まれていた。


 ――権限、LV.5。


 彼は、それを、見た。


 そして、こう、言った。


「――神の、設計図なんて」


「――いらん」



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