↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
語り継がれる第五の創世記  作者: たろう
【第三部】第7章:高天原 ―― 岩戸の、前で、騒ぐ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

154/167

第7-10話「大祓」


 エマは、彼の頭を、膝に、乗せた。


 そして。


 ――唱えはじめた。


 彼女が、十五歳の夜から。


 二年、唱え続けてきた、あの言葉を。


 ――一度も、同じものが、出てこない、あの言葉を。


「――掛けまくも畏き」


 そこから、四分十一秒。


 彼女が、何を、言ったのかは。


 ――書かない。


 書けない。


 なぜなら。


 ――正本が、存在しないからだ。


 ククリは、複製を、持たない。


 ククリが、持っているのは、接続の、経路だけである。


 ――訳すのだ。


 片方の言葉を、もう片方が、壊れない形に、して。


 ――そして、渡す。


 訳は、その二人の、あいだにしか、成立しない。


 ゆえに。


 ――聞いた者の、数だけ、違うものが、聞こえる。


 若者が、聞いたのは。


 ――謝罪だった。


 天照が、聞いたのは。


 ――命令だったという。


 そして、扉の、向こうで。


 百十七年、線の切れた部屋で。


 ――何かが、聞いた。


 それが、何を、聞いたのかは。


 ――誰も、知らない。


 四分十一秒。


 そして。


「――恐み、恐みも、白す」


 ――終端。


 言い終わった、という、宣言。


 百十二年前、九州で。


 言い忘れて、一人が、死んだ。


 その葬式の帰りに、誰かが、やけくそで、付けた、一言。


 ――それが、いま。


 ――一人の、人間を、神から、切り離した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。