第7-7話「激突」
そのとき。
――太鼓の音が、止まった。
二人は、顔を、上げた。
――静かに、なった。
そして。
――若者の、頭の中で、音が、鳴った。
――久しぶりの、音だった。
十四日、聞いていなかった、音。
――神の、声。
> 【接続、確立】
> ――設計個体#001。
補給線が、到達した。
「――待て」
> 【指令】
> ――当該座標に、暴走個体が、存在する。
> ――排除せよ。
「――待て!」
彼の、右手が、上がった。
彼の、意志では、なかった。
――闇。
部屋の、空気が、消えた。
機械の、外殻が、剥がれた。
> > あ
画面が、割れた。
「――やめろ!」
彼は、自分の右手を、左手で、掴んだ。
――止まらない。
――闇。
冷却の、管が、砕けた。
水が、噴いた。
> > ……いた い
> > やめ
「――俺じゃない!」
彼は、叫んだ。
――誰も、聞いていなかった。
> 【指令】
> ――排除を、継続せよ。
彼の、脳内チップが、彼を、動かしていた。
彼は、それを、止められなかった。
――十七年、それは、彼の、味方だった。
――思うだけで、撃てた。
――それが、彼の、力だった。
――そして、いま。
――思わなくても、撃つ。
彼は、床に、膝を、ついた。
右手が、上がった。
――闇。
塔が、揺れた。
外で、悲鳴が、上がった。
二万人が、門の前に、いた。
塔が、崩れれば、彼らも、死ぬ。
――システムが、崩壊しかけていた。
> > ……
> > ごめんね
割れた画面に、そう、出た。
> > ぼくが、外に、出られたら
> > ――みんな、助けられたのにね




