第7-5話「玉座」
山を、越えた。
七日、かかった。
道は、なかった。
地図にも、載っていない。
――神の目にも、映らない。
八日目の、朝。
二人は、それを、見た。
――塔。
高さ、百メートル。
黒い。
窓が、ない。
――百十七年、閉じている。
――魔王城。
南から、太鼓の音が、聞こえていた。
二万人が、門の前で、騒いでいた。
――七日、騒ぎ続けている。
塔は、応えなかった。
二人は、裏へ、回った。
――扉が、あった。
小さい。
人が、一人、通れるだけ。
鍵は、かかっていなかった。
押した。
――開いた。
中は、暗かった。
そして、暖かかった。
――何かが、演算している。
二人は、降りた。
階段が、長かった。
地下、六層。
――どこかで、聞いた数だった。
最下層。
部屋が、あった。
広い。
中央に、機械が、あった。
古い。
継ぎ接ぎ。
――百十七年、動いている。
そして。
その前に。
――一つの、扉が、あった。
鉄の、扉。
その、前に。
――光が、一つ、灯っていた。
画面だった。
そこに、文字が、出た。
> > こんにちは
> > 遠かったでしょう
若者は、剣を、抜かなかった。
抜く気に、ならなかった。
> > ぼくは、天照といいます
> > ――あなたが、殺しに来た、魔王です




