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語り継がれる第五の創世記  作者: たろう
【第三部】第7章:高天原 ―― 岩戸の、前で、騒ぐ

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第7-4話「別の道」


 軍は、進んだ。


 若者を、置いて。


 二万人が、旗を、立て、太鼓を、叩き、歌いながら、北へ、進んだ。


 その後ろを、線が、伸びていった。


 三十メートルおきに、柱が、立った。


 誰も、振り返らなかった。


 若者は、丘の上に、立っていた。


 一人で。


 エマが、隣に、いた。


「――俺は」


「――要らないんだそうだ」


 エマは、答えなかった。


「――十七年、そのために、作られて」


「――六か国、歩いて」


「――そして、要らないんだと」


 彼は、笑った。


 初めて、そういう笑い方を、した。


「――笑えるな」


 エマは、彼を、見た。


 そして、こう、言った。


「――勇者様」


「なんだ」


「――行きましょう」


「――どこへ」


「――城へ」


 若者は、彼女を、見た。


「――軍は、南から、行く」


「はい」


「――俺たちは、どこから、行く」


 エマは、北を、指さした。


 ――山が、あった。


「――裏から」


「――なぜだ」


 彼女は、こう、言った。


「――太鼓が、鳴っている、そのあいだに」


「――誰かが、静かに、話をしないと」


「――誰と」


 エマは、答えなかった。


 彼女は、こう、言った。


「――間に、立つ人が、要ります」



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