↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
語り継がれる第五の創世記  作者: たろう
【第三部】第6章:葦原 ―― 実在しなかったものを、作った

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

143/167

第6-9話「共闘」


 その夜。


 ――来た。


 四十六体。


 過去、百年で、最大だった。


 ゲンが、鐘を、叩いた。


 工場の、人間が、全員、出てきた。


 三百人。


 鎧が、十二。


 鉄の棒が、二百。


 ――そして、八千枚の、札。


 若者は、剣を、抜いた。


 ――魔法は、使えない。


 彼は、この百年で、初めて、「ただの人間」として、戦うことになった。


 ――そして、勝った。


 どうやって、勝ったのかを、書く。


 《鉄探しの札》が、地中の金属を、探した。


 《穴掘りの札》が、掘る場所を、間違えた。


 ――人間が、それを、直した。


 直したのは、技師では、なかった。


 ――口の、上手い男だった。


 彼は、五人と、大声で、口喧嘩をしながら、その場で、戦術を、決めた。


 ――穴を、掘る。


 ――そこに、廃品の高圧線を、沈める。


 ――水を、引く。


 ――そして、魔獣を、そこへ、誘い込む。


 誘い込むのは、鎧だった。


 鎧が、囮に、なった。


 ――逃げるふりを、して。


 若者は、それを、見ていた。


 ――そんな戦術は、どのデータにも、存在しない。


 ――記録に、残っていない。


 ――訓練データに、含まれていない。


 ――予測、不能。


 そして、彼は。


 ――剣を、捨てた。


 彼は、鉄の棒を、拾った。


 そして、走った。


 詠唱を、しなかった。


 思考も、しなかった。


 ――ただ、殴った。


 四十六体のうち、三十一体が、沈黙した。


 人間の、死者は、十九名。


 ――勝った。


 夜が、明けた。


 若者は、泥の中に、座っていた。


 鉄の棒が、曲がっていた。


 ゲンが、隣に、座った。


 そして、酒を、渡した。


 若者は、それを、飲んだ。


 まずかった。


 彼は、こう、言った。


「――百十七年前も、こうだったのか」


 ゲンは、笑った。


「――知らん」


「――だが、たぶん、そうだ」


「――俺たちは、それしか、できん」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。