↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
語り継がれる第五の創世記  作者: たろう
【第三部】第6章:葦原 ―― 実在しなかったものを、作った

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

139/167

第6-5話「八百万」


 工場の、地下。


 ゲンが、若者を、案内した。


 部屋が、あった。


 壁一面に、札が、貼ってある。


 紙。


 木の、板。


 布の、切れ端。


 ――八千枚。


 どれにも、名前が、書いてあった。


 そして、その下に、こう、書いてある。


> ――何が、できるか。


 《水見の札》――湧き水を舐めて、飲めるか判断する。的中率、七割。

 《火加減の札》――溶接の温度を見る。よく間違える。

 《鉄探しの札》――瓦礫の中の金属を探す。木材を、金属と間違える。

 《雨読みの札》――明日の天気を言う。当たらない。


「――これが」


「――神か」


「そうだ」


 ゲンは、うなずいた。


「一枚一枚は、玩具だ」


「――あんたの神には、遠く、及ばん」


「――だが、数が、違う」


 彼は、若者に、こう、訊いた。


「――水は、飲めるか?」


「知らん」


「訊いてみろ」


 若者は、札に、向かって、訊いた。


 ――《水見の札》。


 七枚が、答えた。


 ――四枚が「飲める」。


 ――三枚が「飲めない」。


「――割れた」


 若者は、そう、言った。


「――どっちが、正しい」


 ゲンは、笑った。


「知らん」


「――知らない?」


「神は、答えを、くれん」


 彼は、そう、言った。


「――神は、割れる」


「――そして、割れたときに」


 彼は、若者を、見た。


「――人間が、決める」


 若者は、その札を、見ていた。


 ゴッド神聖国では、神は、一つの答えを、出す。


 人間は、それを、一字も違えずに、実行する。


 ――間違いは、起きない。


 ――そして、人間は、考えなくなった。


「――煮ろ」


 ゲンが、言った。


「――煮れば、どっちでも、いい」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。