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語り継がれる第五の創世記  作者: たろう
【第三部】第4章:創聖国 ―― 家畜は、絶滅を、許されない

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第4-7話「五十と、五百」


 翌日。


 若者は、ラヴィに、詰め寄った。


「なぜ、二千なんだ」


「――は?」


「この国の、目標が、二千だ」


「北の国も、二千だった」


「南の国も、二千だった」


「――なぜ、二千なんだ」


 ラヴィは、答えられなかった。


 彼は、老学者を、呼んだ。


 プラサード、といった。


 八十を、超えている。


 目が、見えない。


 彼は、若者の声を、聞いて、こう、言った。


「――五十と、五百です」


「なんだ、それは」


 老人は、椅子に、座った。


「旧世紀の、学問です」


「――生き物を、絶やさないための、数」


 彼は、指を、二本、立てた。


「五十」


「これ以下だと、次の代で、奇形が、出ます」


「五百」


「これ以下だと、千年で、種が、消えます」


「――五百、要るのです」


「では、なぜ、二千なんだ」


 老人は、笑った。


「五百というのは、有効な数です」


「子を、なせる者だけの、数です」


「――老人。子ども。病人。それを、足すと」


「――実数で、二千に、なります」


 若者は、動かなかった。


「――つまり」


「はい」


「二千とは」


 老人は、静かに、言った。


「――種を、絶やさない、最小の数です」



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