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第4-5話「底の、音」
五日目の、夜。
ダムの、底から、音が、した。
金属を、引きずるような、音。
若者は、目を、開けた。
――近い。
彼は、剣を、取った。
廊下に、出た。
――誰も、起きていない。
彼は、警備の男を、揺り起こした。
「下に、何かいる」
男は、眠そうな顔で、答えた。
「――ああ」
「知っているのか」
「いますよ」
「――昔から」
「なんだ、それは」
男は、あくびを、した。
「わかりません」
「――でも、上がってこないので」
彼は、そう言って、また、眠った。
若者は、下へ、降りた。
エマが、後ろから、ついてきた。
「――来るな」
「いいえ」
彼女は、そう言って、ついてきた。
ダムの底の、さらに、下。
排水路。
水は、流れていない。
百年前に、涸れている。
その、暗がりに。
――目が、あった。
四つ。
二つは、人間の目。
二つは、格子。
若者は、剣を、構えた。
――そいつが、動いた。




