↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
語り継がれる第五の創世記  作者: たろう
【第三部】第4章:創聖国 ―― 家畜は、絶滅を、許されない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

118/167

第4-4話「七人の墓」


 三日目。


 ラヴィが、二人を、地下へ、案内した。


 ダムの、底。


 冷たかった。


 息が、白かった。


 そこに、部屋が、あった。


 金属の、箱が、並んでいる。


 ――何千も。


「これは、なんだ」


「種です」


「種?」


「――麦。米。豆。それから」


 ラヴィは、奥を、指さした。


「――人の、種も」


 若者は、そちらを、見た。


 小さな、箱。


 白い霜が、ついている。


 中身は、見えない。


「――百年前の、人の、種です」


「使うのか」


「時々」


「――血が、濃くなりすぎたときに」


 その部屋の、奥。


 墓が、あった。


 七つ。


 石に、名が、刻まれている。


> ヴィクラム・ラーオ

> ラティカ・ボース

> サミール・カーン

> プリヤ・メノン

> デーヴ・シン

> シャルマ

> アーシャ・ナーラーヤン


「七賢者、と、呼ばれております」


「百年前、この国を、造った人々です」


 エマが、それを、見ていた。


 そして、訊いた。


「――なぜ、七人なんですか」


 ラヴィは、答えた。


「拠点が、七つ、あるからです」


 エマは、うなずいた。


 そして、少し、考えて、また、訊いた。


「――七つ、あるんですか」


 ラヴィは、口を、開けた。


 そして、閉じた。


「……」


「――五つしか、聞いたことが、ありません」


 彼は、そう、言った。


 若者が、振り返った。


 ――五つ。


 ゴッド神聖国。粛清国。律法国。創聖国。そして、東の帝国。


 ――五つ。


 だが、拠点は、七つ、ある。


 誰も、それを、疑わない。


 エマは、七つの墓の、隣を、見ていた。


 ――八つ目が、あった。


 名が、刻まれていない。


 石の前に、弓が、一張、置いてあった。


 古い。


 弦は、切れている。


「――これは」


 ラヴィが、答えた。


「名の、ない方です」


「誰だ」


「――北から、来た、と、伝わっています」


「そして、ここで、死にました」


「名は?」


「――残っておりません」


 弓が、供えられていた。


 誰かが、いまも、埃を、払っている。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。