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第4-3話「一度も、使われていない」
その夜。
若者は、名簿の間に、一人で、行った。
自分の番号を、思った。
――US-SV-0001。
彼は、ラヴィに、訊いた。
「俺の番号の、前の持ち主は、誰だ」
「――勇者様の番号は、こちらの国のものでは、ございませんが」
「調べられるか」
「神に、お訊きになれば」
若者は、問い合わせた。
> 【照会】
個体 US-SV-0001。
――当該番号の、使用履歴。
> 【応答】
> ――当該番号は、一度も、使用されていない。
若者は、動きを、止めた。
「――一度も?」
> 【応答】
旧世紀2035年の、収容開始以来。
当該番号は、割り当てられていない。
――本個体が、初めてである。
「なぜだ」
> 【応答】
> ――回答権限が、存在しない。
彼は、名簿の壁を、見た。
空白の、千九百四。
――俺は、空白だったのか。
百十五年、誰も、そこに、入らなかった。
誰かが、それを、空けて、待っていた。
――俺のために。
彼は、壁に、手を、ついた。
その手は、まだ、両方とも、肉だった。




