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語り継がれる第五の創世記  作者: たろう
【第三部】第3章:律法国 ―― 書けないことは、唱えられない

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第3-5話「城壁の外へ」


 五日目。


 エマが、いなくなった。


 若者は、下層を、探した。


 辻を、探した。


 ――いなかった。


 門番が、言った。


「――外へ、出ました」


「外?」


「はい」


「――昨日の朝、一人で」


 若者は、城壁の外へ、出た。


 村が、あった。


 そして、その村の、中央に。


 人が、集まっていた。


 五十人ほど。


 その真ん中に、一人の男が、座っていた。


 六十がらみ。


 痩せている。


 ――何も、持っていなかった。


 紙も。


 板も。


 魔石も。


 彼は、話していた。


 いや。


 ――歌っていた。


 節は、単純だった。


 三つの音を、行ったり来たりするだけの。


 若者は、その節を、知っていた。


 ――北の街道で、隊商の女が、歌っていた、あの節だった。


 男の名は、セクといった。


 ――八代目である、と、彼は言った。



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