6話 リブラ
寝る前投稿( ¯꒳¯ )ᐝ
大広間入口から城門へと移動しながら俺は異世界と言えばの「あの言葉」を口にする。
「ステータス」
そうすると目の前にダンジョン探索系のRPGでみるシンプルなステータスが現れた。
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14209番(種族:人間、男)
年齢:18
状態:良好
力:10
知力:15
敏捷:11
魔力:0
運:5
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(装備品とかの項目は無い。ほんとに基本パラメータだけって感じだな。それでもゲームの世界に入り込んだみたいで楽しい)
ゲームでしか目にしないその光景は俺の心をワクワクさせた。
周りのみんなは「The、異世界」って感じの見た目だからステータスとかも高そうだし、普段から見慣れていそうだなー。
などと先入観を持ちつつ歩き、城門をくぐると目の前に人で賑わう街並みが見えてきた。
俺はその光景に更にテンションが上がるも周りがあまりにも冷静なため自制して逸る心を抑えながら周囲に目を向ける。
(外はこんなにも明るいのに、街の人たちは何か忙しそうだ。それに楽しそう、というより必死さを感じる。)
大声で呼び込みをする人。
値切り交渉をする人。
店の店主に必死に何かを訴えている人。
子供を抱きかかえてどこかへ走っていく人。
俺の想像していた賑やかさとは違うその光景に少しもの寂しさを覚えた。
しばらく街中を皆で歩いていると周りの人達が遠巻きに俺達を眺め、それぞれに何かを話しているようだった。
「俺達がこの国の者じゃないことがわかっているのだろうなぁ」
熊獣人が周りを見回し笑いながらそんなことを言う。
「そうですね。07241番の言う通りな感じです。あたし達も新しい勇者なのか、先にこの国を出た勇者達はどこにいるのか。という声が聞こえます。」
狐獣人は長い耳をピョコピョコと動かし、周りの声を聞いていたようだ。
他のふたりはそんな視線が気にならないようである建物に目をつけると、声をかけてきた。
「あ、あの、皆さん。目の前のあの建物!兵士さんがいるので少しお話を聞けたりしないでしょうか?ボク達の依頼?任務?がいつ来るのかもわかりませんし…」
少女は少しどもりながら建物を小さく指さす。
「そうねぇ~、13882番ちゃんの言うように少しお話を聞きに行くのはどうかしら?」
女エルフは少女の頭を撫でながら俺たちを見やる。
「そうだね。そうしよう!俺が話してみてもいいかな?」
俺は皆の方を見ながら声をかけると全員が頷いたので話しかけてみることにした。
「すいません!少しお話をいいですか?」
俺が声を掛けてみると建物の中にいた数人の兵士の中から1人が手元の板を見ながら俺たちの方に近づいてきた。
「君たちが32班だね?なんでわかったか不思議そうな顔をしているねぇ。君たち勇者の顔は私が持ってるこの端末に情報として載ってるんだ。古代の遺物なんだが、王が私達末端の兵士にも情報が無いと困るだろうって事で支給してもらってるんだよ。それで、話はなにかな?」
(兵士達にあんなものが支給されてるなら、何者か聞かれなくて済むか。タブレット端末みたいなもんだよな。)
俺は兵士の持つ端末にそんなことを思いながら質問を口にする。
「俺達に対する依頼、任務ってどのように来るんでしょうか?」
「あぁ、それは明日の太陽が出始めた頃に一斉に任務が出るよ。勇者班それぞれで内容は違うしどのような内容かは私達も知らない。ただ、任務を達成した場合は任務内容、達成条件とその証明を持ってきてくれればそれに応じて報酬はでるからね。例えば、近場の害獣駆除などの任務だった場合は任務内容とその害獣の死骸を持ってきてくれればいい。」
兵士はそう言いながら机の引き出しから5つの小さな布袋を取り出した。
「あぁー、あった!はい!これ。この国のお金。君たち全員分の支援金だ。例え勇者といえども無一文じゃ何も出来ないでしょ?」
俺達は机の上に置かれた布袋を手に取ると中を確認してみる。
(三角形、正方形、正六角形、正円形、色んな形があるな)
不思議な形をした石を手に取り様々な角度から見てみるとうっすらと模様のようなものが見えた。
人の良さそうな兵士は机の上に硬貨を並べると指を指しながら教えてくれる。
「この国のお金の単位は[リブラ]と言うんだ。三角形、正方形、正六角形、正円形の順に1リブラ、5リブラ、10リブラ、50リブラ。三角形1リブラが1番価値が低くて、正円形50リブラが1番価値が高い。そこだけ覚えといて、この国は魔族の進行で物資もカツカツでさ。安定した価格での物資の提供が出来ないから、それぞれの店で同じ商品でも価格が違ったりするんだよ。」
この兵士さんは他の勇者班にも同じような説明を何度かしていたのだろう。
凄く手馴れた説明で頭にすんなり入ってきた。
「ありがとうございます。色々と説明して頂き、助かりました。」
俺は頭を下げるとみんなとその場を離れようと踵を返し、歩き出した。
その時後ろから兵士が声を掛けてきた。
「魔王討伐、応援しているよ。」
振り向くと人の良さそうな兵士は申し訳なさそうな顔で俺たちを見ていた。
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