第3話 勇者と犯罪者
寝る前にもう一話更新!
謁見の間を後にした俺達は、収納部屋へと案内されていた。
「この部屋にお前たちの武具はまとめてある。自分達の武器をさっさと取り出してこい。そうしたら次は別の兵士が大広間まで案内して次の指示を出す。」
俺達が勇者として召喚されたにも関わらず上からの偉そうな態度で命令してくる看守たちに腹を立てているとどこからか1人の人物が看守に声を上げた。
「俺達はあんたらに勇者として召喚されたはずだよなぁ?ならもうちっと敬意とかあってもいいんじゃねぇか?あ?」
苛立ちからだろうか、凄くドスの効いた声で聞こえてきた声に対し看守は呆れたような目をして答えた。
「お前たちがどこから召喚されたか知らんが、この牢屋はこの国の全ての犯罪者を収監していた場所でもある。必ずしも貴様ら全員が勇者として召喚された訳ではなく、その中にこの世界で犯罪を犯した者も混ざっているかもしれない。それこそ人殺しもいるだろう、そんな奴らがいる可能性がある中でお前たち全員が勇者だと信じる気にはならんな。」
その言葉に俺は恐る恐る質問してみる。
「あの、この牢屋にこの国のどこかで犯罪を犯した人もここに転移してくるってことでしょうか?」
看守は少し呆れまじのため息を吐くと、
「そうだ。この国で犯罪を犯したものはここに転移し、然るべき依頼を達成しなければならない。何度も失敗する者、逃走を企てる者は更生の余地なしとして刻印により処刑される。それはここに召喚されたお前たちも変わらないのだ。王からそのような話を聞かなかったか?」
確かに王様もこの刻印が犯罪者を示すもの、使命を果たせなかったら処刑されることは言っていたけど、ここに召喚されたやつの中にこの国の犯罪者もいるなんて聞いてないぞ。
俺は首の後ろの刻印に手を触れた。
魔王を倒さなきゃ犯罪者の刻印は消えないとか、もう呪いじゃんよ…
全く笑えない冗談だね…
「ちなみにだが、仮に腕に刻印がある者が腕を自分で切り落としてもその刻印は別の位置に再度現れる。どういう原理かはわからんがな。」
その言葉にどこからか唾を飲むような音が聴こえた。
おそらくそうしようと考えていた人がいたんだろうな。
俺達はそれ以降特に会話もすることなく収納部屋に入り武器を探し始めた。
(まあ、俺は武器もなにもないんだけど形だけでも入ってみるか)
様々な武器が立て掛けてある棚とそこを行き交う勇者達を眺めながら俺も歩き回る。
その中に俺が知っている槍とは思えないほど大きな穂先と短めの柄のアンバランスな見た目の槍を見つけた。
(うわぁ、すごいアンバランスな見た目の槍だ。これもこの中の誰かの武器ってことだよな?さっきの熊獣人とか体の大きな人が使うのかな)
そんなことを思っていると俺の目の前をピンとした狐耳が通り過ぎ、その槍を手に取った。
俺とひとつ違いの番号の狐獣人の女の子。14210番だ。
「それ、君の武器?すごい大きいけど…」
「そうです。そういう貴方の武器はどこに?」
「俺の武器は無い。というか俺のいた世界では一般人は特別な許可がないと持てないし、持ってたとしても普段から持ち歩くものじゃないから…」
14210番は目を見開き驚くような顔をして俺の頭の先から足先までをジロジロと見回した。
「ありえない。そんな世界があるなんて…でも、私みたいな鎧を着てるようにも見えないし」
彼女はそういうと俺の体をペタペタと触り本当に武具類を持っていない俺を見て驚いていた。
「えっと、満足したかな?そういうわけで俺の武器はここにはないんだ。」
ハッとした顔をした後に少し恥ずかしそうに後ずさりながら歩き出した彼女の後ろを俺も歩きながら軽く自己紹介をする。
「さっきは名乗れなかったけど、俺は14209番だ。よろしくな。」
部屋から出ると同時に俺は彼女に右手を差し出す。
「なんですか?」
「あぁ、俺の世界の挨拶?みたいなもんだ。よろしく、とかそういう意味も込めてお互いの手を握り合うんだよ。握手っていうんだ」
その言葉を聞いた14210番はおずおずと右手を握り返してくれた。
「よろしく、お願いします…」
彼女の耳は少し倒れていたが緊張もあったのだろう。
そんなこんなしていると続々と収納部屋から武器や防具を身にまとった人達が出てきた。
「よし、全員揃ったな。これから先は別の兵士がお前たちを大広間まで連れていく。
俺達は新しい兵士の人の後について行き、大広間まで進んだ。
俺だけ武器持ってなくて周りからジロジロ見られるのはなんか気まずかった。
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