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2話 刻印

「我が国の呼びかけに応じ召喚された勇者達よ。此度はこの王国の危機を救うため集まってくれたこと、礼を言う。そして、本来召喚される場所ではなく、牢屋の中に召喚され看守たちに失礼な態度をとらせてしまった事を謝罪しよう。こちら側の不手際だった。すまない。」


 王様という存在がいない俺の国ではあまりピンと来てないが他の人たちはそうではないのだろう、王への謝罪に対してなのか分からないがそれぞれの種族、国の敬礼を返していたので、俺は映画などで見たような軍隊の人達がやるような手を額に当てる敬礼を真似してみた。

 王様は俺達を見渡しながら言葉を続けた。


「この国は今危機に瀕している。外からの侵略者、魔族によりこの国は国土の7割を失った。今や外はモンスターで溢れ、民たちもいつこの国が攻め込まれるのかと怯える毎日だ。本当に心苦しくもあるが、今や我が国に戦える戦力はないに等しい。よって勇者達、諸君らの力を貸して欲しい!勝手な願いであることは理解している。それでも、私たちは魔族に勝利しこの国を取り戻さねばならん。勝利の暁には諸君らの願いを叶えよう!元の世界でも、この国における地位でも、金銀財宝でもなんでもいい!私は、この国が救われるのなら全てを失ってでも行動するべきだと思っている。この地位を失ったとしてもだ!もう一度、お願いする。どうか、どうかこの国を私達を助けてくれ!!」


 王様は切実な表情でそういうと頭を下げた。

周りの兵士たちも同様に、俺たちに向けて頭を下げた。

 俺達は戸惑い、困惑し、声をあげようにもなかなか声をあげれなかった。

 そんな中、1人の人物が声を上げた。

「この場での発言を許していただきたい。この国は危機に瀕していると仰っていたが我々はまだその実情を知らない。この国を救うにしろ、そうでないにしろ1度我々に外を見せては貰えないでしょうか?」


 そう口を開いたのは身長2mはあるんじゃないかと思うくらい大きく、ガタイのいい全身が黒い毛に覆われた熊の獣人だった。

 それに続くようにもう一人、二人と声をあげる人達が出始めたがその声を近衛の兵士の「静まれぃ!!」というひと声で徐々に静かになった。


「実情を知らない、という意見もよくわかる。だが、この国の外を見ずとも否応なしに諸君らには助けてもらわねばならない。諸君らが召喚された場所は地下牢であったな?各々、身体のどこかに刻印が刻まれているはずだ。」


 周りの声が静まってから王様はそう口を開く。

 俺は腕や足、手などを見てみたが刻印が見当たらずとりあえず同じように刻印を探している隣の狐獣人の女の子に話しかけた。


「キミの刻印は見つかったかい?もし、嫌じゃなかったら俺の首の後ろとか見てくれないかな?」


 狐獣人の女の子はこちらを一瞬驚いたような表情でみると小さな声で

「あたしはここにありました。」

 そう言って左足の毛を少し掻き分けると確かに不思議な刻印がそこにあった。

 そうして俺にしゃがむよう促すと俺の首裏を見てくれた。

「みつけました。首裏に刻印があります」

 狐獣人の女の子はそういうと俺の傍から離れて隣に立った。

「ありがとう。ほんとに人それぞれに刻印の場所違うんだな。」

 俺の言葉にこくりと頷いた狐獣人の女の子はそのまま静かに立っていたが、耳がピョコピョコ動いていて可愛いかった。


「あ、俺の名前──────!?」

「?」

 俺が狐獣人の女の子に名前を教えようとすると首裏から激痛がはしり俺はその場にしゃがみこむ。

辺りを見渡すと同じように刻印があるであろう場所を押さえ蹲っている人たちも見かけた。

そんな中、王様が再び口を開いた。


「諸君らは刻印の確認が出来ただろうか。その刻印は[罪人の刻印]、あの地下牢に入った瞬間に刻まれるものだ。罪人の証拠であるその刻印は、こちらが出す用件を果たすまで消えず、仕事を失敗する毎に黒い輝きが増していく。その輝きが一定まで達すると処刑魔法が発動しその者は死に至る。罪人は己が名前を口にすることは許されず、番号で呼称し合わなければならない。はるか古の魔法ではあるが、魔族に侵攻され様々なものを失った我らにはその刻印を解除することは出来ない。」


王様は続ける。


「よって諸君ら勇者には実情をみて今後の判断を決める、などの行動は出来ないのだ。我らの不手際でこのような事態に陥らせてしまい本当に申しわけない。諸君らに望むのは魔王を倒しこの国を、人類の生存圏を取り戻すことだ。諸君らが所持していた武具は罪人が仕事道具を収納する部屋にある。地下牢の通路を進んだ先の部屋だ。それが済んだら看守の案内に従って行動してくれ。この国を頼む。」


 王様はそれだけを告げると、玉座を立ち去っていった。

その時の王様の横顔は悲痛に歪んでいた。

今回も読んで頂きありがとうございます!(´▽`)

読者の皆様に、楽しんで頂けたら幸いです。

数日以内に次回を投稿する予定です!


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