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12話 代償

おはようの更新(*´︶`)

「任務達成状況……1。依頼達成だ…」

 俺は自動更新された依頼情報を見ながら呟いた。

みんなも自分と同じように依頼情報が表示されていたのだろう、全員が茫然としていた。

「……ゴブリン1体がこんだけ強いとは思わなかったな。勇者班1つが壊滅、俺たちもボロボロだ」

 周囲を見渡しながら独りごちる。

あまりにも被害が大きい戦いだった。

 俺は足元が少しフラついているが他の勇者の遺品の回収に向かうことにした。

「特殊個体の可能性もある。他のゴブリンもここまで強いとは限るまい?」

熊獣人が俺の背中を大きな手で支え、少し笑いながらそう言ってくれた。

(そうだよな。こいつがとびきり強かっただけの可能性もある。)

「これだけ大変だったんだ、07241番の言う通りだと願いたいね」

俺も肩を竦め少しだけ笑いながらそう答えた。

 熊獣人に支えられながら処刑された勇者の所まで来た。

肉片が飛び散り、まともな遺品も残っていなかったがどうしても伝えたかった。

「恐怖で逃げ出したのかも知れないが、どんな形であれ俺はあなたの持っていたこの武器に命を救われた。この細剣の所有者のあなたに感謝する。ありがとう。」

俺は真っ赤に染まった地面に転がる中から1つのロケットペンダントを手に取ると中を開く。

 蓋の裏には「妹は必ず治す」という決意の言葉のようなものが刻まれており、処刑された勇者とベッドの上で座って微笑んでいる女性の写真があった。

(この人にも家族はいたんだよな……)

 寂寥感にかられながらロケットペンダントをポケットに入れるとその場を熊獣人と共に後にした。

 その後、俺だけ少し休ませて貰っている間に皆が他の勇者の遺体を1箇所に集めて遺品回収とゴブリンの死体の回収を行ってくれた。


「14209番、腕、大丈夫ですか?」

狐獣人が不安そうな顔をしながら俺に話しかけてきた。

「ん?あぁ、特に痛みもないしこの通りよ!」

俺は右腕をグルグル回して大丈夫だとアピールしようとした。

「?何してるんです?」

俺たちの会話に少女も参加してきたが、俺の右腕を見て怪訝そうな顔をする。

「ん?あぁ、いやね、14210番が腕は大丈夫かって聞いてきたから大丈夫だって証明しようと……」

(感覚がない、動かせない……)

俺は右腕に力を込めたが全然力が入らなかった。

「腕、動きませんか?」

狐獣人が近寄り俺の右腕を触ると細剣が「カラン」と音を立て地面に落ちる。

袖を捲り右腕を見ると右手首に空いた穴と、赤黒く変色し脈動する浮き出た血管が俺の目に入った。

「なんだ、これ?」

あまりにも気色の悪い右腕が少し自分のものじゃないような気がした。

「なぁアンタ、14209番って言ったか?」

声の方を振り向くと女戦士が立っていた。

「ん?ああ、俺が14209番。君は?」

「オレは08511番、種族は竜人だ。アンタ達が助けに来てくれなきゃアイツらと一緒にオレも死んでた。救援、感謝するよ」

 女戦士、、、女竜人はそういうとすぐに俺の右腕と地面に落ちた細剣を見た。

「オレの仲間が使ってた時はただの細剣だったんだけどな。14209番、アンタ何をした?」

女竜人は目を細めると俺の右腕をマジマジと見だした。

「何をしたかは、わからない。この細剣を握った時に小さな針を刺されるような痛みと右腕が熱を持ったんだ。その後はこの細剣からデカイ針を刺されるような痛みと血を抜き取られるような感覚がしてさ。そこからいきなり刀身が伸びるようになって、こう動くとやれる!みたいな感覚が湧き出てきたのは覚えてる。」

 俺の言葉に「そうか」と返すと女竜人はしなやかな尾をフラフラと揺らしながら何かを考え出した。


「08511番は……、この細剣について持ち主の方から何も聞いていないんですか…?」

少女は少し緊張した面持ちで女竜人に問いかけながら、背負い袋から包帯と止血剤を取り出し俺の腕の応急処置をしてくれている。

「いや。こういう能力があることは知らない。その細剣はどんなものでも容易く両断できる名剣ってことを自信満々に周りに言いふらしているのを聞いたくらいさ。その後ゴブリン相手に傷ひとつつけられなくてビビって逃げたんだよ。その後は14209番の知ってる通りさ。」

 女竜人はその後に「ま、アイツが死んでからその言葉は嘘じゃなかったって証明されたようなもんだけどね」と皮肉な笑みを浮かべると笑った。

「よくこの状況になって笑えるよな」

俺は怒りを通り越し呆れ混じりにそういうと、

「あんなバカみたいに強いゴブリンがいたんだ、笑わずにどうしろって言うのさ。これから先の任務もこういうヤツらの相手をさせられるかもしれないんだよ!?他のメンバーが死んでオレは一人でこれからも戦わなきゃいけないかもしれないってのに!!」

 女竜人の言葉に俺はハッとした。

(そうか、この後も次の任務がある。これで終わりじゃないんだ。それに、08511番はこの先どうなる?他の仲間がいない状況で、独りで戦い続けなきゃいけないのか?)


「すまない、こっちの配慮が足りなかった。王都に戻ったら俺から兵士に話してみるよ。08511番を俺らの第32班に編入させることはできないかって、それでもしOKなら俺達と一緒に行こう」

俺は謝罪とともに女竜人にそう言った。

女竜人は何かを言おうと口を開いたが、

「遺品回収完了だ!撤収するぞ!!」

熊獣人の声で遮られた。

「14209番、調子はどうかしら〜?」

頭に包帯を巻いた女エルフからの優しく微笑みながらの問いに、

「右腕以外は特に問題ないよ。皆、王都に戻ろうか」

と俺は声を掛けて歩き出した。

右腕は狐獣人が隣を歩きながらずっとマッサージをしてくれていた。

今回も読んで頂きありがとうございます!(´▽`)

読者の皆様に、楽しんで頂けたら幸いです。

数日以内に次回を投稿する予定です!


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