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『アルストラーナ伝記』  作者: リアトト
帝国歴326年
127/152

『氷華の后と至高の巫女』

帝国歴326年、1月。

年が明けたばかりの帝都ラーナは、深々と降り積もる冬の雪に包まれていた。しかし、アルストラーナ帝国の象徴たる白亜宮――その深奥に位置する後宮の大広間だけは、春の暖気を思わせる熱気と華やぎで満たされていた。

天井を彩る金箔のフレスコ画のもと、無数のシャンデリアが眩い光を投げかける。昨年の皇帝イリアードと皇后リゼリアの意向により、新たに三十名もの后妃や側室が入宮したばかりであった。正六品の承徽しょうき、正七品の昭訓しょうくん、正九品の奉儀ほうぎ――色とりどりの煌美な衣装に身を包んだ三十名の新たな乙女たちが、緊張と野心を秘めた瞳で絨毯の上に整列している。

この絢爛たる新年祝賀会を主催するのは、帝国の母たる皇后リゼリアである。

「皆、顔をお上げなさい」

上座の玉座から響くリゼリアの声は、凛としていながらも、どこか慈愛に満ちていた。その麗しき面立ちには歳月を重ねた気品が宿り、見つめる者を自然と平伏させる威厳がある。そのすぐ傍らには、彼女の従姉妹であり、幼馴染であり、何よりの親友でもある貴妃セシリアが穏やかな微笑をたたえて控えていた。互いに視線を交わすだけで心が通じ合う二人の佇まいは、荒波立つ後宮における唯一の安らぎの風景でもあった。

しかし、その穏やかな空気のすぐ下層には、鋭い緊張の糸が張り詰めている。

皇后の斜め後方、皇太子妃シルヴィアは、氷のように冷ややかな表情で佇んでいた。二歳の皇孫女シェルランテと、一歳の皇孫子ソリスの母である彼女は、高貴な血筋にふさわしい気品を備えている。しかし、次男ソリスを懐妊して以来、夫である皇太子リアムとの溝は深まる一方だった。固く結ばれた薄い唇と、膝の上で握りしめられた扇が、彼女の内に渦巻く冷ややかな孤独を物語っている。

そのシルヴィアの視線の先――少し離れた下座に腰掛けるのは、皇太子側室の最高位である良娣りょうてい・エレノアであった。 元は身分の低い女官に過ぎなかったエレノアだが、一歳の皇孫子オリオンを出産したことで一躍、正三品の位へと昇り詰めた。濡れたような漆黒の髪を揺らし、胸元をほのかに際立たせる絢爛なドレスを纏った彼女は、シルヴィアの視線を感じ取ると、艶やかな唇の端をわずかに押し上げ、優越感に満ちた笑みを浮かべた。自らの野心と魅力を隠そうともせず、皇太子の寵愛を誇示するかのように扇を揺らすエレノアの仕草は、二人の間の深い確執を象徴していた。

その緊張感を和らげるように、広間の側から足音が響く。 現れたのは、皇后リゼリアの面影を強く残す美しい皇女シンシアであった。

彼女が身に纏うのは、華美な貴族のドレスではなく、胸元に「四つ葉の紋章」が鮮やかに刺繍された、清廉な聖職者風のドレスであった。彼女が『真理の光教団』の高位たる『真光の巫女(ルークス・ヴェリタス)』の称号を得たことは、皇帝イリアードの許しのもと、帝国全土へと公表されたばかりである。生涯を神に捧げ、他家へ嫁がぬことを承諾させた彼女の存在は、教団の権威を背負い、次代の皇太子リアムの治世を揺るぎないものとするための、現帝の深謀遠慮でもあった。

シンシアのすぐ後ろには、四つ葉堂のココロギが静かに従っていた。教皇ゲンドラスの娘であり『至高の光巫女(ハイ・プリエステス)』という絶大な聖性を持ちながら、今は皇宮の礼拝堂に常駐する彼女の存在もまた、帝国の平和と権力を示す象徴として全土に知れ渡っている。

二人が歩むたび、聖歌の鐘のごとき静寂が広間に広がっていった。

「母上。新しき年を迎え、神々の祝福がこの白亜宮と、集いし后妃の方々に注がれんことを」

シンシアが深く頭を下げ、澄んだ声で祈りを捧げると、皇后リゼリアは優しく目を細めた。

「ありがとう、シンシア。あなたの祈りが、この後宮にまことの安らぎをもたらしてくれることを願っていますよ」

リゼリアはそう言い添えると、視線をゆっくりと広場全体、そしてシルヴィアとエレノアへと向けた。

「皇帝陛下の御心により、こうして多くの新たな家族を迎え、晴れやかに新春を祝えることを嬉しく思います。……後宮とは、ただ皇帝陛下をお支えするだけの場ではありません。帝国の安寧と、次代を担う尊き血脈を守り育むための庭です。互いに慈しみ、つつがなく務めを果たしなさい」

その言葉には、妻として、母として、そして帝国の母としての強い矜持が込められていた。言葉の裏にある「争いを慎め」という暗黙の戒めを感じ取り、新入宮の三十名の后妃たちは一斉に深く頭を下げた。

エレノアは扇の陰でふっと笑みを消し、シルヴィアはただ静かに、瞳の奥に蒼い炎を宿したまま微動だにしなかった。

貴妃セシリアが、そっとリゼリアの袖に手を触れ、小さく頷く。リゼリアもまた、幼馴染の温もりに胸を撫で下ろし、グラスを高く掲げた。

「さあ、宴をはじめましょう。帝国の栄光と、我らが愛する者たちの未来に、乾杯を」

「乾杯を――」

千の宝石が重なり合うような華やかな声が広間に響き渡る。



祝宴の器が奏でる繊細な音と、上質な葡萄酒の甘い香りが大広間に満ちていく。新たに召し出された三十名の后妃たちは、緊張を少しだけ和らげながらも、帝国の最高権力者たちが集う上座の様子を伺っていた。

「姉様、少し顔色が優れないのではなくて? 昨夜も遅くまで諸外国との書簡を改められていたのでしょう?」

貴妃セシリアが、手元の黄金の杯を傾けながら、隣のリゼリアにだけ届く小声で囁いた。その瞳には、幼馴染であり従姉妹であるからこそ察することのできる、深い情愛と気遣いが宿っている。

リゼリアは優美に微笑み、絹の手巾で唇を軽く押さえた。

「大丈夫ですよ、セシリア。シンシアが背負う運命の重さを思えば、私の一夜の微睡みなど……。それに、見ていらっしゃい。あの緊張感をほぐすのも、私の勤めですから」

リゼリアの視線の先では、皇太子妃シルヴィアと良娣エレノアの間に、目に見えない火花が散っていた。

「良娣エレノア。オリオンの健やかな成長、何よりです」

冷ややかな、しかし完璧な礼節を保った声で問いかけたのはシルヴィアだった。彼女は手にした白磁の杯を動かさず、視線だけをエレノアへ向ける。その瞳は、北国の氷原のように揺るぎない。

「ソリス様とシェルランテ様のお母上たる皇太子妃殿下から、そのようなお言葉をいただけるとは誇りに存じます」

エレノアは流れるような所作で一礼してみせた。しかし、その顔を上げた瞬間、唇に浮かんだのは恭順とは程遠い、艶然とした笑みだった。

「オリオンは成長が早くて最近、歩くようになりましたの。リアム殿下も『この子を見ると、政務の疲れも吹き飛ぶ』と、毎夜のように私の宮をお訪ねくださいますのよ。……おかわいそうに、ソリス様はお小さすぎて、まだ殿下のお心を繋ぎ止める術をお持ちでないのでしょうけれど」

「――エレノア」

シルヴィアの眉が微かに動いた。扇を握りしめる白く細い指先が、怒りでわずかに白く強ばる。

「言葉が過ぎますよ。身分の上下を弁えぬ発言は、その職位にそぐわないと自ら証明しているようなもの。男児を産んだとはいえ、貴女はあくまで側室。殿下の御心を推し量るような真似は慎みなさい」

「お戯れを、殿下。私が誇っているのは身分ではなく、殿下から賜る『愛』でございますわ」

勝ち誇るように胸を張るエレノア。二人の間に流れる空気は凍りつき、周囲の若い奉儀や昭訓たちは息を飲んでうつむいた。

その時――。

「二人とも、おやめください」

凛とした声が広場を静まり返らせた。 いつの間にか歩み寄っていたのは、皇女シンシアであった。胸に輝く四つ葉の刺繍が、シャンデリアの光を反射して神聖な輝きを放っている。その後ろには、影のように静かに寄り添う『至高の光巫女(ハイ・プリエステス)』ココロギの姿があった。

「ここは神聖なる新年を祝う場。そして、皇宮の安寧を示す場です。二人とも、兄上(リアム皇太子)の面目を潰すような真似はおやめなさい」

16歳とは思えぬ毅然としたシンシアの態度に、エレノアは一瞬目を見開いたが、すぐに優雅なお辞儀をして一歩下がった。

「これは……『真光の巫女』様。失礼いたしました。あまりにソリス様とオリオン様の未来を想うあまり、熱が入ってしまいまして」

シルヴィアもまた、小さく息を吐き出し、胸元で手を組んだ。

「申し訳ありません、シンシア様。……皇后殿下のお顔を潰すような真似をいたしました」

シンシアは二人を静かに見つめた後、そっとシルヴィアの手の上に自らの手を重ねた。その温もりに、シルヴィアの固く閉ざされていた瞳が一瞬だけ揺れる。

「シルヴィア義姉様。光はすべての者に平等に降り注ぎますが、陰を作るのもまた光の強さゆえ。焦ることはありません。幼きソリスとシェルランテのためにも、どうか心を穏やかにお保ちください」

聖職者としての清廉さと、皇女としての気品を兼ね備えたシンシアの言葉は、シルヴィアの刺さった毒針をそっと抜き取るかのように優しかった。

その光景を、上座から見守っていた皇后リゼリアと貴妃セシリア。

「シンシアも、すっかり頼もしくなりましたね……」

セシリアが感極まったように呟くと、リゼリアは静かに頷いた。だが、その瞳の奥には、深遠な母としての、そして 皇后としての憂いが宿っていた。

「ええ。ですが……彼女がこうして聖性を纏えば纏うほど、リアムの治世は磐石になる反面、あの子自身は人の世の幸せから遠ざかっていく。皇帝陛下のお考えは理解できますが、親としては……胸が痛みます」

「リゼリア……」

「けれど、これが帝国の定めに生きる者の宿命。さあ、泣き言はここまでですわね」

リゼリアは優美に立ち上がり、広間全体を見渡した。新たに加わった三十名の側室たち、そして愛憎を交錯させるシルヴィアとエレノア、神の威光を背負うシンシア。

ラーナの冬の夜は、深々と雪が降り積もっていた。


《 登場人物一覧》


【親王家・アルヴェリア親王家】


• ルシア(ルシア・フォン・セレスティア / 巫女ルナ)

イリアードとセシリアの娘で転生者。

空間や物質の操作・修復・回復、空間跳躍など強大な異能と稀代の軍略を操る。

義賊『六棘の霜華』や『真理の光教団』の巫女「ルナ」として暗躍し、『聖ゲンドラス教国』の聖騎士団長を極秘裏に務め、裏から大陸の歴史を動かす。物語終盤で帝都の結界を破るために命を落とすが、のちに「シェルランテ」として転生・復活を果たす。


• イリアード・フォン・セレスティア

セレスティア親王であり、アルストラーナ帝国軍の総大将。アラリック皇帝の腹違いの弟。

「軍神」と称される冷徹かつ無双の武勇を持つ指揮官。愛娘ルシアを溺愛しており、彼女の危機には理性を失い「鬼神」と化す。のちに「大元帥」に就任。


• セシリア・リヴィエール

イリアードの側室(貴妃)でルシアの母。「水明将軍」の称号と軍権を持つ。

念話や念動に加え、無から植物・花々を生み出す能力を持つ。ルシアの演出により、ノバージェの民を救う女神『紫苑のヴィオレット(月姫)』を演じた。


• リゼリア・リヴィエール

イリアードの正妃(皇后)で、リアムとシンシアの母。「水鏡将軍」の称号を持つ。

念話・念視・予知の異能を司り、ルシアの計画の意図を一瞬で見抜くよき理解者。


• リアム・フォン・セレスティア

イリアードとリゼリアの息子でルシアの異母兄(のちに皇太子)。

16歳で初陣を飾り、混戦を切り裂いてグラッデェ皇帝ベグ・バールを捕縛した武功(実際は気絶したベグを縛り上げた)により最年少将軍に就任、聖剣アウレリウスを賜る。


• シンシア・フォン・セレスティア

イリアードとリゼリアの次女(ルシアの義妹)。異能を持たない「普通の女の子」として育ち、後宮でココロギの元へ通う。


・シェルランテ・フォン・アルストラーナ(白鷺姫)

皇太子リアムと皇太子妃シルヴィアの間に生まれた皇女。生まれた直後から強力な念動・念力を発散させ、ルシアの生まれ変わり(転生)としての記憶と意図を秘めている。


【親王家を取り巻く人々・一族】


• フレデリカ・リヴィエール

大一族リヴィエールの長老でイリアードの母(皇太后)。かつて先帝の『御前琴師』であった。街や宮殿を創り出せる突出した異能の持ち主(オールラウンダー)で、ルシアの最大の理解者。


• ベルナデット

完璧主義者の侍女。20歳で結婚し旅立った後、リヴィエール本家に嫁ぎ、リヴィエール商会・リヴィエール銀行を総括するリヴィエール財団の理事として大陸全土をコントロールする。


• エミーナ

セシリアとルシアに仕える侍女(23歳)。ルシアの空間跳躍を追える強大な異能を持ち、軍服を纏って戦場に赴き、決死隊の高速艦『ブラッド・エミーナ』にその名を残す。


• ロゼッタ

リゼリアやセシリアに仕える一人前の侍女(19歳)。少し慌てん坊な性格。


• ベルトト(ベルナデット/一部表記)

セシリアの側近であり、熟練の女官長(侍女)。セシリアやルシア、リアムの世話をする完璧主義者。ベルナデットの妹で、リヴィエール一族の娘。


【聖ゲンドラス教国・真理の光教団】


• ゲンドラス・サイリュン(崔厳)

『真理の光教団』の教祖であり『聖ゲンドラス教国』の教皇。ココロギの父。ルシアの下僕として神々しい威厳と沈黙で信者を平伏させ、表面上の統治を行う。


• ココロギ(ココロギ・サイリュン / 崔心木 / 四つ葉様)

教皇ゲンドラスの実子で、後宮の『四つ葉堂』の巫女。リヴィエール一族の血を引き、空間跳躍や護符生成の異能を持つが、極度のパニックや生理現象で暴走・誤作動させることが多い気弱で優しい少女。のちに大水没の危機を救う。


• ヴォルフラム・フェイ

アンチアルマ大聖堂の枢機卿。元・吟遊詩人かつ一騎当千の凄腕の剣士。ルシアたちと合流・共闘する冷徹な知識人。


• スライロ・ハリス

かつて滅亡したダラーン王国の元大臣(「至高の頭脳」)。ルシアの異能と我儘により、サンブリア大聖堂の司教に据えられる。


• カシアン・ヴァロア

かつての大遠征に失敗した元宦官(42歳の大提督)。敗戦後に名誉の戦死を装い、ルシアの手配によりシューコルン司教やオクタヴィア大聖堂司教を歴任。


• ジル・オテ(旧名:ジルグード):元オテゲン皇国第4王子。11年前に燕国を占拠(鳳山城を占領・籠城)するもルシアに敗北し、半ば強制的に改心させられて聖ゲンドラス教国の司教となる。


• ビー・スー

ディヌイヤ王国から随行した丸盾使いの青年。ディヌイヤ・ラーナ公国の司教。冷静沈着な判断力でルシアの護衛や参謀、ココロギの協力者を務める。


【アルストラーナ帝国皇室・他国関係者】


• アラリック

アルストラーナ帝国(オーレリア帝国)第14代皇帝。イリアードの腹違いの兄で、冷徹かつ厳格な支配者。弟イリアードを非常に好いており、彼を帝都に留めるために「大元帥」の職を新設・授与した。


• シルヴィア・フォン・アルストラーナ

アラリックの第6皇女で、リアムの正妻(皇太子妃)。シェルランテの母。


• ルネッタ・リヴィエール

セシリアの実妹で、アラリック皇帝の徳妃(22歳)。帝都後宮の「翡翠宮」に住まう。


• ロザリア

アラリックの皇后。没落したシュタインベルク家の出身。紫の異能(黒山羊結社・天信教の暗黒の力)に侵され狂気に陥る。


• イスファ

アラリックとルネッタの間に生まれた第4皇子(4歳)。絵が得意だったが、紫の異能に支配され惨劇を引き起こす。


• イスマ

アラリックとロザリアの間に生まれた第二皇子(皇太子、8歳)。異能に狂ったイスファに殺害される。


• アルベール&エレノア

セシリアとルネッタの両親。アルベールはリヴィエール商会ルミナリア支社長。


• ボロ・ディヌイヤ

南南海の覇者であるディヌイヤ王国国王。圧倒的な威厳を持ち、ルシアと旧知の仲であり密約(通商条約)を結ぶ。


• アレス・マクウェン

セレスティア水軍の若き優秀な副官で、特攻艦『ブラッド・エミーナ』の元艦長。エミーナに想いを寄せる。


• ヴァレリオ・フォン・ボルゲーゼ

72歳の老将で帝国太尉・征西将軍。ヴェロニカ砦にて敵将を討ち取る。


• リョウ・マルディ

ノバージェ共和国の有力金融家で最高執政官ドージェ。莫大な債務で国を支配したが、ルシアたちに倒される。


【敵対組織・その他の勢力】


• エスゲイ・バール

中央高原を支配するバール朝グラッデェ帝国の隻眼の覇王。ベグ・バールの父。前年5月に『六棘の霜華』によって暗殺された。


• ベグ・バール

エスゲイの次男で、バール朝グラッデェ帝国の皇帝。父の復讐のため50万の大軍を率いてアルストラーナへ侵攻するが、ルシアとリアムに敗れて捕縛される。

• カサル

エスゲイの弟で大将軍。領地を焦土化する暴挙を行うが、ヴィオに首を討たれる。


• カルヴァル

古都ラーナの天信教総主教。ルシアによって権威を失墜させられ降伏する。


• アルノルト

天信教の老総主教。虚無の終焉と「救世主の死」を望み、禍々しい禁忌の術式を行う。


• アルカディアス

帝国の影で暗躍する『黒山羊結社』の頂点であり、天信教の真の黒幕である初老の男。


《用語集一覧》


【地理・舞台・施設】


• アルストラーナ帝国(オーレリア帝国)

作中の舞台となる強大な大帝国。


• セレスティア親王国

アルストラーナ帝国領内の親王国で、イリアードが治める領地。


• アクアパレス

セレスティア親王領の首都。「水の都」と呼ばれ、運河網が縦横無尽に走る。


• フロスト・ヴァイス城

アクアパレス内にある城で、親王府の拠点(居城)。離宮や本城、広大な庭園を備える。


• 常緑宮(じょうりょくきゅう)

フロスト・ヴァイス城内にある本宮で、親王妃リゼリアが滞在する居室。


• ルシア宮

生後6ヶ月のルシアが異能(念創)によって無意識に生み出した、ガラスと白大理石でできた幻想的な小宮殿。


• 蓮花宮(れんかきゅう)

アクアパレス内にあるフレデリカの居宮。フレデリカの異能によって作られた大輪の蓮が咲く幻想的な宮殿。


• 花の都ルミナリア

300年間戦火を免れてきた花と芸術の都市でセシリアの故郷。表面上の繁栄の裏で深刻な貧富の格差が固定化している。


• エレスティアル山

ルミナリア郊外にある単峰。見栄えの良さから『聖なる山』扱いされ、聖地巡礼に活用される。


• エレスティアル大聖堂

ルミナリアの西にある城を買い取り、ルシアの資金と指示によって改造された「真理の光教団」の本山。


• 帝都ラーナ(白亜宮)

古代文明の発祥地でありアルストラーナ帝国の首都。中央に皇帝の居城である壮麗な「白亜宮」が聳え立つ。


• 翡翠宮(ひすいきゅう)

帝都ラーナの後宮内にある優美な宮殿。かつてフレデリカやセシリアが過ごし、現在は徳妃ルネッタが住まう。


• 聖都クリスタルヘイム

聖ゲンドラス教国の首都。ディヴァイン湖と霊峰セイクリッド山の麓に、碁盤の目状に築かれた超巨大都市。


• ガザルカガンド

中央高原におけるグラッデェ遊牧民族の本拠地・交易都市。ガザルカガンド会戦により陥落・焼亡する。


• アシュウェスト

大運河とアシュロン川が交差する物流・交易の要衝。裏社会の「五大商人」が牛耳っており、水底には大洪水で沈んだ旧大聖堂が眠る。


• アルヴェリア

かつて未曽有の水害・大洪水によって沈み、長年不毛の湿地帯となっていた禁忌の地。


• ディヌイヤ王国

南洋の果てに存在する、独自の巨石文化と褐色の肌の民を持つ巨大人間王国。


• シューコルン

大陸中の富や高級香辛料、絹が集まる有数の港湾都市。「金と欲望が渦巻く自由の都」で、南洋・西海貿易の重要拠点。


• ノバージェ共和国

金融・債務取引で繁栄していたが、「裕福なる貧困」に陥った国家。ルシアの計画により「聖ゲンドラス教国」へと再編される。


【組織・勢力】


• 真理の光教団

貧民や被搾取層を救済する名目でルシアが創設した新興宗教。裏で莫大な富と資金を回収・循環させるポンプの役割を果たす。


• 四つ葉のクローバー

聖ゲンドラス教国および真理の光教団のシンボルで、ルシアが率いる組織の象徴。


• 六棘の霜華(ろっきょくのそうか)

雪と霜の結晶を刺繍したフード付きローブを纏う神出鬼没の義賊。ルシアとヴィオの仮の姿。


• バール朝グラッデェ帝国

騎馬民族グラッデェの征服者ベグ・バールが打ち立てた、中央高原を支配する帝国。


• 黒山羊結社(くろやぎけっしゃ)

三つの目を持つ黒山羊の銀紋章を掲げ、古代の「原始の力」や呪詛を用いて帝国の影で暗躍する狂信的な秘密組織。


• 天信教

アルノルトやカルヴァルが属する宗教組織。


• リヴィエール商会

一族が運営する巨大な商業組織。教団が回収した資金を専属取引で吸い上げ、正規の税として帝国国庫へ還元する仕組みを担う。


【血統・能力】


• リヴィエールの血(異能)

リヴィエール一族に発現する超常の力。瞬間移動(空間跳躍)、念動、念視、予知、治癒、無からの生成(念創)など多岐にわたる。


• 念創(ねんそう)

無から有を生み出し、記憶やイメージ通りの物質や衣服、建造物を瞬時に創造・構成する異能。


【武器・アイテム・特殊設定】


• 短錫杖 / 長柄の錫杖(仕込み剣)

• ルシアとヴィオが携える武器。短錫杖は金環がついた打撃用法具。

• 長柄の錫杖は、柄を捻ると長剣が抜け、柄と石突き部分が強固な鞘となる両手生殺の仕込み杖。


• 聖剣アウレリウス

オーレリア皇帝直属の伝説的な名剣。真の英雄としてリアムに授与される。


• 黄金の獅子剣

大元帥イリアードが携える大刀。真の力を解放すると眩い黄金の闘気を噴出させる。


• 神秘札・護符

ココロギやルシアが異能の力でその場で作る紙片。受け取った者の悩みを解決する注意書きや治癒・保護の奇跡をもたらす。


• 紫炎石(しえんせき)

黒山羊結社が人工的に生み出した物質。強力な結界の展開や他者への精神憑依を可能にする。


• 心木(こころぎ)

『真理の光教団』の教義において、世界や生命の魂をつなぎ止め、心(感情・意思)を巡らせる大樹・世界樹を指す言葉。


• ブラッド・エミーナ

セレスティア水軍の新鋭高速艦。3本の斜めマストと高い機動性を持ち、特攻隊長エミーナの名が冠されている。


• 紫苑のヴィオレット(月姫)

100年前に姿を消したとされる帝国の伝説の影。


• 月下氷人(la personne de glace sous la lune)

古書に記載されていた「人と人、国と国との縁を結ぶ仲人」を意味する概念・演劇プロデュース計画。



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