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聖女アリーゼの不思議な旅  ~聖魔法?そんなの知らないのです!~  作者: 夕姫
第2章 聖女。灼熱の王国を駆け巡るのです!

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21. 四聖女

21. 四聖女





 ソルファス王国は世界の秩序を乱したとして聖エルンストに制圧をされることになったのです。そして無事にアリア様を助け、サリア様は涙が枯れるほど泣いて感謝していました。そして2人は聖エルンストに保護されるかたちとなったのです。本当に良かったのです。


 私たちは聖エルンストの騎士たちに今までの経緯を話すため街の大きな宿屋に向かっているのです。ロゼッタ様は相変わらずお寝坊さんなのでフィオナに任せて今はミルディと2人なのです。


「緊張するなぁ……」


「なんでミルディが緊張するのです?」


「だって!いつもこういう時話すのはあたしじゃん!しかも相手はあの聖エルンストの聖女様なんでしょ?はぁ……」


 ミルディは凄く緊張しているみたいなのです。う~ん……そうなのです!


「ミルディ。掌に「人」という文字を三回書いてそれを飲むといいらしいのです!」


「えっ!?︎そんなのあるんだ!ありがとうアリーゼ!」


 そう言ってミルディは掌に「人」と書いてたのです。すると少し落ち着いたようです。良かったのです。やはり本の知識は優秀なのです!


 そして宿屋につき、騎士の人に部屋に案内される。案内された部屋に入ると中には私たちを助けてくれたあの聖女様が待っていたのです。


「こんにちは昨日はどうも。私は聖エルンストの四聖女をしております。リスティ=ローレンと申します。以後お見知りおきを」


「私はアリーゼ=ホーリーロックです」


「あっあたしはミルディです。魔法鍛冶屋です」


 四聖女。聖エルンスト教会の聖女の中でも4人の最強の聖女の事なのです。なので昨日のあの聖魔法の威力納得なのですね。


 自己紹介が終わると早速話が始まったのです。サリア様と出会った経緯から今に至るまでのことを全て話し終えたら、聖女リスティ様はとても優しい顔をしていたのです。それからしばらくしてから聖女リスティ様は口を開いたのです。


「あの場でのあなたの勇気と信念……やはり同じ聖女として誇りに思いますよ、アリーゼ」


 その言葉を聞いてとても嬉しかったのです。そして聖女リスティ様は続けてこう言ったのです。


「あなた方には是非とも我が国に来ていただきたいと思っています。もちろん強制ではありません。ただ、私個人としてはあなたの行動に感銘を受けたのです。ぜひ来て頂きたいと願っています。いかがでしょうか?」


 この提案を聞いたミルディは私の顔を見る。でも私の答えは決まっているのです。


「お誘いありがとうございますなのです!でもお断りするのです」


「えぇ!?なんで!?聖エルンストって「聖地」って呼ばれてて聖女なら誰でも憧れてる場所じゃないの!?」


「ちょっとミルディ静かにして下さいなのです!それに私はもう決めているのです。だからごめんなさいなのです!」


「……理由を聞いても?」


 私は聖女リスティ様の顔を真っ直ぐ見て答えるのです。それは私の目標。あの日カトリーナ教会を出た時から決めているのです。


「私は世界を救う大聖女になるのです。だから聖エルンストに在籍できないのです!まだまだこの世界には困った人がいるのです。だから私は旅をするのです!」


「アリーゼ……」


 私がそういうと聖女リスティ様は微笑みながら言ってくるのです。


「ふふっ。やはりそういうと思っていたわ。面白いですねあなたは。いいでしょう。ではせめてこれを受け取ってください。これは我が聖エルンストの紋章が入った通行証になります。これがあればどこの国であろうと入国できます」


 そう言って渡されたのは小さな袋に入った紋章入りのカードだったのです。


「いいのですか?こんなもの受けとってしまって?」


「あなたの行動が1人の命を救い、悪を正した。それだけで十分ですよ。これからの旅路に幸多からんことを祈っております」


 それを受け取り、私とミルディは宿屋をあとにしたのです。



◇◇◇



 アリーゼたちが帰って、しばらくして1人の騎士がリスティのもとにやってくる。


「聖女リスティ様。本当にいいのですか?我々の任務は「聖痕」を失った聖女を見つけて保護をする。……つまりアリーゼ=ホーリーロックを連れ帰れと言う話だったのでは?」


「構いません。彼女は『聖痕』を失った聖女……かつての大聖女ディアナ様と同じ存在。無理に連れ帰るより、外で泳がせておく方が、私たちの『理想』を成し遂げるための良い駒になるでしょう」


「しかし、聖女様……」


「それに……今対峙してはっきりと分かりました。彼女の奥底には、消えたはずの『聖痕』の残滓……強大な聖魔法の魔力が眠っている。今はまだその器ではないようですが、いずれ必ず『共鳴』する時が来るはず。それはきっと……ふふっ」


「きっと……?」


「いえ、こちらの話です。それより、例のものは準備出来ましたか?」


「はい。いつでも出発可能です」


「わかりました。それでは向かいましょう。また近いうちに会いましょう聖女アリーゼ」



◇◇◇



 聖女リスティ様と会って、私とミルディは宿屋に戻る途中なのです。やっぱり人助けは気分がいいのです!


「アリーゼ本当に良かったの?聖エルンストって聖女なら憧れるものなんでしょ?」


「ちっちっち。甘いのですミルディは。私は今のままでも立派な聖女なのです!世界は広いのです!聖エルンストなんてこんなものなのです!」


 私は手で凄く小さく丸を作る。それを見てミルディが笑いながら言う。


「ははっそうだね!うらやましいよアリーゼのそういうところ。」


 私とミルディはお互いの顔を見て笑い合う。そんな話をしていると宿屋についたのです。中に入るとロゼッタ様がちょうど起きたみたいです。私たちは準備をして宿屋の人に挨拶をして部屋を出る。


「サリア様とアリア様これから大丈夫かな。ボク心配だよ……」


「問題なかろう。これから2人ならばどんな困難も乗り越えられるじゃろう。何のしがらみもない自由になったのじゃからな」


「そうだよね。さてあたしたちはこれからどうする?」


「もちろん『キルシュ古城』に行くのですよ!アリーゼ鉱石を見つけるのです!」


 私の言葉にみんなも同意してくれる。私たちは駅へ向かい、切符を買って早速、北へ向かう砂漠鉄道に乗り込むのです!目指すはキルシュ古城跡! 私たちを乗せた列車は走り出す。本来の目的は忘れちゃいけないのです。


 私たちが目指したのは王都の北にあるキルシュ古城跡。ここはかつてこの国があった頃、魔族との戦争の際に建てられた城らしいのです。今は廃墟となって今は観光スポットとして有名な場所になっているのです!


「そういえば師匠が昔このソルファス王国にいた時からキルシュ古城ってあったの?」


「…あ、ああ。もちろん、ワシが若かった時からあそこにはあったのう。キルシュ古城……か。そうか、あれからもう、そんなに経つのか……」


 ロゼッタ様が、窓枠に小さな手を預け、どこか遠い昔を懐かしむような、ひどく寂しげな目で外を見つめていたのです。


「ねぇ、アリーゼ」


 隣に座っていたミルディが、私の肩をツンツンと突いて耳元で囁いてきます。


「ちょっと気になるんだけど……なんか、ロゼッタ様元気なくない? いつもみたいに怒ったりしないし、なんだか悲しそう……」


 私は改めてロゼッタ様の横顔を見つめます。言われてみれば、確かにいつもより口数が少ないのです。もしかして、あの古城にロゼッタ様の過去の……何か大切な思い出が眠っているのでしょうか?


 しばらく列車に揺られていると、私たちは目的のキルシュ古城跡にたどり着いたのでした。

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