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聖女アリーゼの不思議な旅  ~聖魔法?そんなの知らないのです!~  作者: 夕姫
第2章 聖女。灼熱の王国を駆け巡るのです!

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7. 聖女。脱ぐ

7. 聖女。脱ぐ



 サンドスライム討伐を終えたミルディとフィオナに合流した私とロゼッタ様。しかしその時運悪く「砂漠のハンター」と呼ばれているサンドリザードという魔物に襲われてしまうのです。


 こんな化け物を相手にこれから戦わないといけないのかと思うと考えるだけで憂鬱になってくるのです。そんなこと思っても戦わないといけないので、しょうがないのですけどね……とりあえずサンドリザードは爬虫類系の魔物なのです。それならば……


「爬虫類系は炎が弱点なのです。丸焦げにするのです!本に書いてあったのです!さぁさぁロゼッタ様お願いしますなのです!」


「バカ者!あの動きを止めるほうが先じゃ!広範囲魔法ならともかくワシの魔法じゃ当たる気がせん」


 確かにロゼッタ様の言う通りなのです。それなら……いつも通り私は意識を深いところまで持っていく「世界書庫」に入り、戦う方法を探す。そしてその本を見つけ中のページを開く。


【素早い動きの魔物を止める方法~初級冒険者編~】

 1.足を潰すか、行動不能にしましょう

 2.麻痺毒などを使い行動を封じましょう

 3.捕獲用の網などで拘束しましょう

 4.魔道具を使用し捕縛をしましょう

 5.動けなくなったところを焼き払い処分しましょう

(ただし上級の冒険者に頼めば簡単に解決してくれます)


 ……ふむ。どれも難しそうなのです。その間にもロゼッタ様が魔法でサンドリザードを攻撃してくれているのです。しかしその速さでかわされ、当たることはない。


 そしてサンドリザードは反撃をしてくる。それをフィオナが必死に剣で受け止めてくれていますが、長くは持ちそうにありません!あの図体のどこにそのようなスピードがあるのでしょうか。


 一体どうしたら……私はふと昨日の事を思い出し、その時サンドリザードを止める方法を思い付く。


「ミルディ!昨日の魔法の糸を貸してほしいのです!」


「え?わかった!」


 ミルディから渡される白色に輝く魔法の糸。私は思い出したのです。「ミルディが作っているものは普通の糸より魔(・)力(・)の(・)通(・)り(・)が良い」ということを……


 そして私は、あろうことかその場でバサリと聖女のローブを脱ぎ捨てたのです!下は動きやすい薄着で身体のラインがくっきりと浮き出てしまい少しスースーしますが、背に腹は代えられません。脱いだローブの袖と袖を結び、ミルディの魔法の糸をぐるぐると縛り付けて即席の『大きな袋』を作ります。足がダメなら、頭を狙うのです!


「あ、ア、アリーゼ様!?ななな、何で急に下着姿になってるの!?」


 私の際どい格好を見たフィオナが、なぜか顔を真っ赤にして両手で顔を覆い、指の隙間からチラチラと見ています。……私は女なのですよ?同性同士で何を照れることがあるのですか!


「はぁ!?ちょっとアリーゼ、こんな時に何してるのよ!?」


「大丈夫なのです。フィオナはサンドリザードの攻撃を受け止めてほしいのです!ロゼッタ様は大きい一発お願いなのです!さぁサンドリザードを倒すのです!」


「アリーゼ様。ボク頑張る!」


「指図されるのは癪にさわるが了解なのじゃ!」


 サンドリザードの動きに翻弄されながらも私は「世界書庫」から倒す方法を導いたのです。あとは頑張るだけなのです!


「次にサンドリザードが動いた時が作戦開始なのです!」


 私の掛け声で指示した通り動いてくれてますね、この調子なら問題ないのです。みんなやる時はやってくれる人達だから心配ないのです!


 地響きを立てて、サンドリザードが巨体を揺らしながら猛スピードで襲いかかってきます。


「フィオナ、今なのです!」


 私の合図に合わせて前に出たフィオナが、剣を盾にしてその凶悪な突進を正面から受け止めました。「くぅぅっ……!」と悲鳴を上げ、圧倒的な力にズサザザッと後方へ押し込まれていきます。しかし、あの重い一撃を凌ぎ切っただけでも十分すぎるのです!


 フィオナが稼いでくれたほんの一瞬の隙。私は地面を蹴ってサンドリザードの横を弾丸のように走り抜け、飛び上がりざまに、さっき作った即席の袋を魔物の頭へガバッと被せました。


 完全に視界を奪われた魔物が、パニックを起こして暴れ回ります。これは目潰しみたいなものなのです。だから油断大敵なのですっ!!すぐに攻撃しないとです!


「ロゼッタ様お願いなのです!」


「わかっておる。爆炎魔法バーストブリッド!!」


 視界を奪われ動きが止まった巨大な頭部へ、ロゼッタ様の極大の爆炎魔法が容赦なく炸裂しました!


 凄まじい轟音と共に、魔法の糸で縛り付けた私のローブが導火線のように勢いよく発火し、魔物の頭部を猛烈な炎で包み込みます。


 ……おや?『なんで魔法士を守るためのローブが燃えてるの?本末転倒では?』って思っているのですね。フフフ、お答えするのです!


 本来、魔法士のローブは着用者の魔力に反応して『防御魔法』が発動する仕組みなのです。しかし、私が巻きつけたミルディの糸は未加工の素材そのもの。純粋に『魔力を通しやすいだけの最強の着火剤』として機能し、ロゼッタ様の爆炎を極限まで増幅させたというわけなのです!


 え?そもそも私がローブを着ても魔力がないから防御力ゼロで意味がない?……聖女たるもの、形から入るのが大事なのです!だから着るのです!


「やっぱりすごいわぁロゼッタ様の魔法……あの威力……やり過ぎな気もするんだけど……」


「魔物相手にやりすぎなどないぞミルディ。まっワシの魔法にかかればこんなもんじゃ!ふふん!」


 ロゼッタ様は凄く誇らしげに言っているのです。しかしサンドリザードの身体は動き出す。あの爆炎魔法を受けてサンドリザードは大きなダメージを負いましたがまだ生きてるようなのです……

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