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告白作戦っ!  作者: 黒原乃柚
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第54話 いよいよ出発! 準備は万端?

 現在16時。後2時間で草壁君が迎えに来るよ。

 私は緊張のあまり部屋中をうろついている。もう準備万端だし着替えもしちゃったよ。少し早すぎたかも? でも遅いよりはいいよね?

 後はお化粧をして‥‥‥‥‥‥私お化粧なんてしたことなかった。

 本当に女子高生だろうか?

 どうしよう。

 私は更に部屋をうろつく。


 そうだ! お母さんのをちょろまかそう。

 でもの待てよ。まさかとは思うけど。

『今日の柚衣ちゃんておばさんの臭いがするね。ははは』

 何て言われたら最悪だよ。


 ああ、どうすればいいの? もしかして昔買ったのが押し入れに入ってるとか?

 私は部屋中をかきまわした。ない!

 それはそうだよね。買った覚えがないもん。

「柚衣、何騒いでるんだ?」

 琉生だ。私は窓を開けて言った。

「お願い。化粧品を貸して」

「持ってるわけねえだろ!」

 それもそうか。イケメンならともかく琉生だもんね。


 そうだ! 野乃葉ちゃんならいっぱい持ってるよきっと。

 私は慌てて野乃葉ちゃんに電話をかける。

 プルルプルルプルルプルルプルル‥‥。

 何で肝心な時に出ないのよ!


 となると沙耶ちゃん? う~ん沙耶ちゃんねー。

 普段から化粧をするイメージじゃないよね? でもお金持ちらしいし、高い化粧品を持ってる可能性も。

 私は気が進まないまま沙耶ちゃんに電話した。

「お化粧? やったげるやったげる。あたしに任せて!」

「やっぱいい」

「どうしてよ?」

沙耶ちゃんのこのテンションは面白いものを求める兆候だ。絶対に変なメイクをされるに決まっている。


もうお化粧しなくてもいいか? いつもしてないもんね。

 でも今日は特別の日だしなぁ。

 いつもより奇麗になってたら草壁君のハートを射止めるかもだし。

 

 ピンポーン。

 あれ? もう来ちゃったの?

 私は慌てて時計を見た。まだ1時間も前だよ。


 私は大急ぎで玄関のドアを開けに走った。

「草壁君、随分と早い‥‥」

「お化粧道具持ってきたよ!」

「沙耶ちゃん」

「さあメイクしよ!」

 超笑顔だよ。


 そして私は無理やりお母さんの化粧台に座らされる。お願いだから変なメイクしないでよね。

「よ~し、やるぞ~!」

 このテンションの高さが怖いんだけど。

「まずはリップ何色にする? 紫、黄色、群青色?」

「口紅からつけるの? 普通は最後の仕上げのような?」

「大丈夫。最新のメイクは最初にリップだよ」

 本当かな?

「よし! ここは金色だ」

「そんな色の口紅ってあるの? 普通に薄めの赤系統の色がいいよ」

「何だ。面白くない」

 やはり面白がってたんだ。


「次はファンデーションだね」

 沙耶ちゃんは陶器の入れ物を取り出すと白い粘土をこね始めた。

「まさかそれを塗らないよね?」

「塗るに決まってるじゃん。肌は白ければ白いほどいいんだよ」

 絶対に違うと思う。


「やっぱり私お化粧はせずに行くよ」

「ダメだよ。一流ホテルのレストランなんだよ。ノーメイクなんて失礼過ぎだって」

 それはそうなんだけど。

 沙耶ちゃんはいきなり鏡を閉じてしまった。

「何で? 何で鏡を閉じるの?」

 私は不安でいっぱいの声で聞く。

「仕上がってからのお楽しみってこと」

「やっぱり自分でも確認しなけりゃダメだよね?」

「そんな必要ないって。あたしを信じなさい」

 思いっきり信じられないんだけど。


 ピンポーン。

「ほら草壁君が来たよ。丁度メイクも終わったし行って来な」

「一応メイクの確認を」

「いいからいいから」

 私は沙耶ちゃんに押されて玄関まで来た。


 玄関のドアを開けると、草壁君がいつもの爽やかスマイルで立っている。

「柚衣ちゃん、迎えに来た‥‥ごめんなさい。家を間違えました」

 慌ててドアを閉めて去っていく草壁君を追いかける私。

「私だよ! 柚衣だよ」

 草壁君が車に乗る寸前で追いつき、草壁君を無理やり振り向かせる。

「え? 柚衣ちゃん? どうしたのその顔?」

「沙耶ちゃん!!!!!」

 私は家に向かって怒鳴りつけたが、沙耶ちゃんはもうどこにもいなかった。

 

 事情を話してお化粧を落とした私はようやく高級車リムジンに乗せてもらうことができた。

 今の状況を考えると『ようやく乗せてもらう』という表現が一番適格だと思う。

「女性はお化粧で変わるって意味がよくわかったよ」

 今回、悪い方へ変わったってことだよね?

 もう沙耶ちゃん、人が運命をかけた日に悪戯しないでよね?

 お化粧騒動のおかげで妙な緊張は解けた気もするけど。

 でも許さないんだからね!

 草壁君にわからないよう復讐を誓う私なのだった。


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