✒ 白い鳥居 2
「 此処が森茂勞旅館が建ってる森か~~。
米●町から結構遠いじゃん。
良くもこんな遠い場所まで肝試しに来たもんだな~~ 」
「 今時の学生は金持ちだからな。
知ってるか、今時の女子高生って奴は自分が身に付けてる下着を直売りして小遣い稼ぎしてるんだぞ 」
「 え゛っ!?
何言ってるんだよ、シュンシュン。
使用済みホカホカの下着を売るって──そんな頭のイカれたパープーがする様な馬鹿げた事を学校に通ってる現役高校生がするとか、冗談キツいよ 」
「 そのイカれたパープーがする馬鹿げた事を真面目にやって小遣い稼ぎしてるのが、現役女子高生なんだよ。
好きもんの変態野郎には、涎が出る程のお宝なのさ。
現役女子高生が売る直前まで身に付けてた下着が手に入るんだぞ。
10万払ったって欲しがる変態は吐いて捨てる程居るのさ 」
「 直前まで身に付けてた下着なんて、不衛生でばっちいじゃんか。
買うより “ 諭して叱る ” ってのが大人がすべき事じゃないのかよ? 」
「 変態にまともな奴なんて居ないのさ。
まともじゃないから、ヤバい性癖に目覚めて変態ルートを爆走するんだ 」
「 ………………女子高生って意味分かんない事するんだな~~ 」
「 金持ってそうなオヤジを狙った援助交際で小遣い稼ぎもしてるんだぞ 」
「 援助交際??
何だそれ? 」
「 未成年の女子高生が小遣い欲しさに、女に飢えてるモテないオッサン相手に尻振ったり股を開いて金を稼ぐのさ 」
「 へ、へぇ……。
見ず知らずのオッサンに股を開くとか娼婦みたいな事するんだな~~。
女子高生ってとんでも挑戦者だな……。
自分の娘が小遣い欲しさに売春行為をしてるなんて知ったら親は悲しいだろうな…… 」
「 さてな。
共働きを推進している社会だからな。
家庭より仕事が優先になって、子供に無関心な親も多いと思うぞ。
子供が親の知らない所でヤバい事してても気付きやしないさ。
共働きを優先する為に赤の他人に子供を預けて育児放棄,子育て放任してる子供に無関心な両親に、ヤバい事に首突っ込んで小遣い稼ぎしてる乱れ切った娘に対して何を言えるって言うんだ?
どんな言葉も言ったって子供の心には届かないものさ 」
「 ふ~~ん?
経験者は語るってヤツか?
シュンシュンも親を経験してるもんな 」
「 ………………ま、まぁな……。
お転婆とやんちゃの過ぎる子供に育った事に対しては反省してはいる…… 」
「 シュンシュン、子育てとか失敗しそうだもんな~~。
打算的に結婚して子供を作ると失敗するもんなのか? 」
「 う、煩い!(////)
僕の話しはしなくて良いんだよ!
さっさと森の中に入るぞ! 」
「 え゛っ!?
シュンシュン、森の中はヤバいんじゃないのかよ?
入る必要あるのか? 」
「 有るから入るんだぞ。
白い鳥居の出現条件が分からないから、先ずは同じ事をしてみるんだ。
それで駄目なら別の方法を試すさ 」
「 じゃあ森茂勞旅館の目前までは行くんだな 」
「 そういう事だ。
霊視眼鏡を掛けて見ろよ。
面白いもんが見放題だぞ 」
「 嫌だよ!
絶対にヤバいの見えるパターンだろ、それ! 」
「 霊道や鬼門も見えるんだぞ。
見たくないのか? 」
「 見たくない!
オレは見えないままで良いよ! 」
「 勿体無いな。
何の為の霊視眼鏡だよ。
使わないと宝の持ち腐れだぞ 」
「 良いよ、別に……。
さっさと森茂勞旅館へ行って戻って来ようよ 」
「 何だよ、マオ~~~~。
ビビってるのかぁ~~~~? 」
「 はぁぁぁぁぁあ?!
オレがビビる訳ないだろ!
ビビってるのはシュンシュンの方だろぉ~~ 」
「 馬鹿言えよ!
僕は陰陽師だぞ!
怖くないし、ビビってない!!
さくさく行くぞ!! 」
春麗は自分の右腕をマオの左腕に絡めると、マオを引っ張る様に森の中へ入った。
「 ──結構ボロかったな、森茂勞旅館って所は。
オレには周囲のヤバさも分からなかったよ 」
「 だから霊視眼鏡を掛けろ──って言ったろ 」
「 “ 嫌だ ” って言ったろ~~。
でもさ、これで白い鳥居が出現したら文句ないよな。
白昼堂々出現した──って言ってたけど、ちゃんと出て来てくれるかな? 」
「 さてな。
取り敢えず、僕等は “ 帰り道 ” を装おってファミレスへ向かって歩くぞ 」
「 この重い荷物を早く降ろしたい… 」
「 ほら、行くぞ! 」
森茂勞旅館の付近で態々一晩過ごしたマオと春麗は昼過ぎに森から出て来た。
依頼人の言う通り、森へ向かう途中に通過したファミレスへ向かう為に歩道を歩く。
「 ファミレスって徒歩で何分ぐらい届くんだ? 」
「 約20分だな 」
「 荷物を背負って20分も歩くのかよ…… 」
20分も立たない内に春麗は周囲の異変に気付いた。
「 お出ましだぞ、白い鳥居だ 」
「 良かったぁ~~。
森の中で1泊した甲斐があったな! 」
「 マオ、此処からは霊視眼鏡を掛けろよ。
荷物は置いて行くが、魔具刀は忘れるなよ 」
「 お、おぅ! 」
「 荷物は現世と異界を繋ぐ媒体に使う。
荷物の中には僕の式神を忍ばせて有る。
鳥居の中を歩いて異界へ行くぞ! 」
春麗とマオは背負っていた荷物を下に降ろすと白い鳥居の下を潜って歩き出す。
春麗は道標になる様に3m感覚で式神を鳥居に張り付けながら歩く。
「 長いな~~。
何時まで歩けば良いんだよ!
行けども行けども鳥居だな~~ 」
「 “ 千本鳥居みたいに長い ” って言ってたからな 」
「 これって本当に異界へ続いてるのか? 」
「 もう異界の中だ。
この鳥居がずっと続く事はない。
その内、抜けるさ 」
「 シュンシュン、時計は持ってるのか? 」
「 持ってる訳ないだろ。
スマホなら持ってるが県外だ 」
「 異界ではスマホは使えないんだな~~。
腕時計を持って来れば良かったよ… 」
「 あっ──、シュンシュン!
向こうに何か見える!!
漸く鳥居が終わるのかな 」
「 油断するなよ、マオ。
鳥居の先は未知数だ。
何時、怪異と出会すか分からないぞ 」
「 用心に越した事ないもんな! 」
暫く歩くいて、マオと春麗は白い千本鳥居を抜けた。
眩い光の先に見えたのは────。
「 ………………シュンシュン、薄暗くて肌寒いけど、此処って何処かな? 」
「 コイツはトンネルだな。
光が近い方に向かって歩いてみよう。
道標に式神を残しながら進むぞ 」
「 童話のヘンゼルとグレーテルが道に落とすパン切れみたいだな 」
「 式神は僕にしか見えないから、鳥や動物に食べられたりしないぞ。
見知らぬ誰かに退けられる心配もない。
それにしても何で童話を知ってるんだ?
読書は苦手なんだろ? 」
「 あぁ~~~~……。
セロに読まされたんだ……。
感想文まで書かされて大変だったよ…。
言語を理解するには絵本を読んで、感想文を書くのが1番だって言われてさ~~ 」
「 アッハッハッハッハッ!!
そりゃ~~良い方法じゃないか。
苦手な読書が出来たんだろ?
苦手を1つ克服出来て良かったじゃないかよ 」
「 良いもんか。
ウトウトする度に剣山が額に刺さって痛かったんだからな! 」
「 アッハッハッハッハッ!!
剣山が刺さるの分かっててウトウトしてたのかよ!
ウケるなぁ~~お前! 」
「 笑い事じゃない!
セロは時々スパルタな事を平気でして来るから困るんだよ…… 」
「 死ねないんだから剣山が刺さるぐらい良いじゃないかよ!
ふはははははっ(////)
セロフィートも殺る時は殺るんだな! 」
「 殺られてないから!
生きてるからなっ!! 」
「 ほらほら、トンネルを抜けるぞ 」
「 全くもう!
( ──依頼人の話を聞いてる時より元気が戻ったみたいだな )」
マオと春麗がトンネルを抜けると、視界に入って来たのは見知らぬ町だった。
「 うん?
町??
どゆことかな??
異界…………じゃないのかな? 」
「 ………………此処は異界じゃ無いな…… 」
「 えっ?
異界に出るんじゃなかったのか??
シュンシュン、スマホは使えるのか? 」
「 いや、使えないな。
圏外だ。
画面が真っ暗じゃないだけで使い物にならない。
厄介な事になったかもな 」
「 スマホが使えないだけで厄介なのか? 」
「 セロフィートやキノコンと連絡が取れないんだぞ!
死活問題だ 」
「 でもさ、陰陽術は使えるんだろ? 」
「 まぁな。
それだけは救いだ。
異界ではない別世界の町か……。
この町の何処かに依頼人の友達達が居れば良いんだかな… 」
「 写真を借りといて良かったよな。
スマホが使えなくても写真が有れば人探しは出来るだろ 」
「 そうだな。
先ずは──、セロフィートから貰ったMBKが問題なく使えるか試さないとだぞ!!
MBKが使えなかったら、僕等はこの世界に居る間、野宿をする羽目になるんだぞ!
野宿が続いたら文無しのホームレス生活だぞ!! 」
「 ホームレス生活……それは嫌かもだ。
でもさ、シュンシュンなら陰陽術を悪用して稼げるじゃん 」
「 活用って言えよ。
兎に角、先ずはコンビニに寄るぞ!
コンビニは多くの人間が利用する店だ。
探し人の写真を拡大コピーして貼らしてもらおう 」
「 そうだな! 」
マオと春麗は別世界でコンビニを目指して歩き出した。




