✒ 噂のカマイタチ事件 2
「 ──シュンシュン、此処が最後の事件現場だな。
17ヵ所目か…… 」
「 被害者は11人か。
被害者が10人以上なのは此処で6ヵ所目か 」
「 えぇと──、1件目の被害者は8名,2件目の被害者は6名,3件目の被害者は18名,4件目の被害者は8名,5件目の被害者は13名,6件目の被害者は7名,7件目の被害者は14名,8件目の被害者は9名,9件目の被害者は13名,10件目の被害者は7名,11件目の被害者は12名,12件目の被害者は8名,13件目の被害者は9名,14件目の被害者は6名,15件目の被害者は7名,16件目の被害者は6名,17件目の被害者は11名──だな。
被害者の合計人数は170名か。
意外と少ないんだな。
やっぱりセロは無関係だと思うな。
セロは今回の事件には関与してない! 」
「 セロフィートには前科があるだろが!
候補からは外さないぞ。
それに170体の首が行方知れずって事を忘れるな。
さて──、犯人は何故首だけを持ち去ったのか──。
犯行日は確かに曇りの日だ。
太陽が雲に隠れてどんよりしている曇りの夕暮れ時に起きている。
何処も人通りの多い道で起きている 」
「 今は何処も人が通らなくなってたよな。
犯人も捕まってないし、ショッキング過ぎたんだろうしな~~ 」
「 さてと、次の犯行現場に先回りするとしよう。
周囲を人払いして結界を張り、犯人を生け捕りにするぞ! 」
「 えっ?!
先回り??
そんな事が出来るのかよ? 」
「 当たり前だ!
次の犯行現場は、このペンデュラムで見付ける 」
「 はぁ?
ペンデ──何だよ? 」
「 振り子だよ。
法力を込めた水晶を地図の上に浮かせてダウジングするんだよ 」
「 なぁ、シュンシュン。
陰陽師がダウジングに頼るって有りなのか? 」
「 陰陽師ってのは、何でも取り入れて、使えるもんは利用するんだよ。
僕はこれで億万長者になり、豪遊していた時もあったんだぞ!
向こうでは “ ペンデュラム ” とか “ ダウジング ” とは言わなかったけどな 」
「 へぇ~~。
シュンシュンって向こうではかなり進んでた陰陽師だったんだな 」
「 フフン!
見直したか!
僕は最先端を行く陰陽師だったんだぞ! 」
「 じゃあ、早く次の犯行現場を見付けよう! 」
「 少しは褒めろよ 」
「 褒めたじゃんか 」
春麗はペンデュラムを用いてダウジングを始める。
法力が込められた水晶のペンデュラムが円を描きながらクルクルと勢い良く回り出す。
「 おぉ~~!
何か凄い回ってるな~~。
あっ──段々と弱くなって来た。
──回らなくなって左右,前後に揺れ始めたな… 」
「 僕のペンデュラムよ、次の犯行現場を僕に示せ! 」
「 ──動きが止まった?!
此処が次の犯行現場なのか? 」
「 いや、違う。
見てみろ、ペンデュラムの中が赤色に染まって来ている 」
「 本当だな。
──ん?
シュンシュン、水晶の中に水でも入れてるのか? 」
「 そんな訳あるか。
中身もガッツリ水晶だよ。
これは血だ 」
「 血ぃ!?
何で水気の無いペンデュラムから血が滴り落ちてるんだよ? 」
「 これが陰陽術を掛け合わせた最先端のダウジングだ!
見てみろ、滴る血が次の犯行現場を教えてくれるぞ 」
「 ペンデュラムから血が滴り落ちるダウジングなんて、凄く嫌なんだけど…… 」
「 こんな不可思議な現象を目の当たりに出来てるのに、何て事を言うんだよ 」
「 オレは血が滴り落ちない普通のダウジングが良いよ…… 」
「 この凄さが分からないなんて可哀想な奴だな! 」
「 あれっ、シュンシュン!
赤い血が黒色に変わったけど何でだ? 」
「 ──此処だ!
此処が次の犯行現場になる場所だ! 」
「 えぇ~~~~……。
この血が黒色に変色した場所が犯行現場?
マジかよ~~ 」
「 よし、行くぞ! 」
春麗は陰陽術を使い転移陣を発動させる。
事件現場からマオと春麗の姿が消えた。
「 シュンシュン、本当に此処で間違いないのか?
何か信じられないんだけど…… 」
「 僕の陰陽術を疑うのか?
僕は最強の陰陽術だぞ!
人払いもした。
結界も張った。
式神を人間に見せる術も完璧だ。
天候が曇りになり、夕暮れ時になるのを待つだけだ 」
「 待って言ってもさ、こんなに天気が良いのに曇ったりするのが? 」
「 陰陽術を舐めるな。
雨乞いで雨を降らせる事も出来るんだぞ。
雨を降らせるには時間は掛かるが、雲を集めて曇天にするぐらい造作もないんだよ! 」
「 えっ?!
天候を変えれるのか?
セロは天候を変えたりしないのに…… 」
「 ハッ!
しないんじゃなくて、“ 縛り ” が有って出来ないんだろ。
陰陽術の僕には縛りなんて無いからな!
天候なんて弄り放題さ!
凄いだろう! 」
「 古代魔法で自然災害を簡単に起こせるセロの方が凄いと思うけどな~~ 」
「 確かにな……。
幾ら僕でも自然災害は起こせないな… 」
「 やっぱり、今回の首持ち去り事件にセロは無関係だと思うな。
人間嫌いなセロが、態々人間の首を集めてだよ、飾って楽しむような悪趣味な事をするとは思えないし 」
「 セロフィートの肩ばっか持つなよ。
裏切られた時のショックが大きいぞ 」
「 セロに関しては今迄も数え切れない程、裏切られてるから平気だ!
もう慣れっ子だ! 」
「 慣れるな!
胸張って言う事じゃないからな! 」
「 シュンシュン、犯人が現れたとして、オレ達はどうするんだ? 」
「 マオは魔具刀を構えて何時でも斬り掛かれる様に準備してろ。
僕は犯人を縛る為の呪詛を練り上げる 」
「 呪詛を練り上げる??
シュンシュン、呪詛と呪術って何が違うんだ? 」
「 またかよ…。
違いは後で教えてやる。
今は集中させろ 」
「 分かったよ… 」
マオが怪異の類いを斬れる特殊な魔具刀を鞘から抜いて構えている間、春麗は集中して呪詛を練り上げている。
春麗の周囲に良くない気── 負気,害気と呼ばれている気 ──が集まっている。
尋常ではない状況だが、春麗は涼しい顔で平然として黙々と呪詛を練り上げている。
「{ シュンシュンは大昔に人間を止めて異形の存在になってるから、良くない気が充満してる中でも平気なんだな。
オレもセロのお蔭で平気なんだろうけど──。
ねっとりして嫌な気だし、身体中にまとわり憑いてるし気持ち悪い……。
近付くのも遠慮したいな… }」
「 ──聞こえてるぞ。
独り言は聞こえない様に心の中で言えよ 」
「 あれぇ~~?
おっかしいなぁ~~。
心の中で言ってたつもりだったんだけど…… 」
「 駄々漏れだ!
呪術もだが、呪詛も僕の専売特許なんだよ。
向こうで妖魔を喰らいまくった恩恵みたいなもんだ 」
「 そりゃ良かったな~~……。
呪詛の練り上げは終わったのか? 」
「 あぁ、僕だから数分で出来るんだぞ!
さて──、そろそろ天候を変えるか!
何時現れるか分からないんだから油断するなよ! 」
「 分かったよ 」
「 ──マオ!
何してるんだ!
チンタラしてないで早く斬れ! 」
「 硬くて斬れないんだよ!!
オレの魔具刀が折れちゃうよ! 」
「 折れたらセロフィートに直してもらえば良いだろうが! 」
「 シュンシュンが練り上げた呪詛は、どうしたんだよ! 」
「 とっくの昔に破られたよ!
コイツは怨霊の集合体だ。
多くの怪異を取り込んで、とんでもない化け物になりながったんだ! 」
「 シュンシュン──、コイツは倒せないのか?
式隷に出来ないのか? 」
「 マオ、お前がコイツを “ 瀕死状態に出来る ” って言うのか? 」
「 出来る訳ないだろ!
硬いのにどうやって傷付けれるって言うんだ!! 」
「 マオ、来るぞ!
避けろ!! 」
「 ──ロックバレット!!
うわっ!
嘘だろぉ~~~~!!
魔法が効かない!
向こうの妖魔は実体が無かったから魔法が効かなかったけど、此方の怪異にも魔法は効かないのかよ!
実体は有るのに魔法の攻撃がすり抜けるなんて有りかよぉ!! 」
「 異形を取り込んでいれば魔法も効いたかもしれないが──、どうやら異形は取り込んでないみたいだな…。
式神召喚──、彼奴の動きを止めろ! 」
「 シュンシュン、もっと式神を出して足止めしろよ! 」
「 馬鹿言え!
こんな奴相手に貴重な式神を失って堪るかよ! 」
「 出し惜しみしてる場合じゃないだろぉ!!
式隷を出して相手させろよぉ!! 」
「 役立たずは黙ってろ!!
──クソ、彼奴には呪詛が効かない!
呪術も無効化される。
何なんだよ、あの化け物は!! 」
「 シュンシュンは最強の陰陽師なんだろ!
陰陽術を駆使して倒せよぉ!! 」
「 馬鹿が!
さっきからやってるんだよ! 」
「 彼奴の腹には生首がくっついてるから下手に攻撃が出来ないし……。
どうしたら良いんだよ 」
「 結界は破れないみたいだな。
それだけが唯一の救いだ。
あんな奴が結界から出たらとんでもない大惨事になるぞ 」
「 ──セロ……。
セロが居てくれたら〈 テフ
「 マオ──、避けろ!
また来
「 シュンシュン──!! 」
「 クソ──、セロフィートに力を封じられてさえなければ、こんな奴なんか──秒で消し炭
「 そっか──、今のシュンシュンは本来の力の10分の1も出せてないんだ……。
だから、こんなに手こずってるんだ……。
これってピンチなんじゃないかよ~~!! 」
マオは両手で頭を抱




