⭕ 噂のカマイタチ事件 1
「 帝呀が描いたって言う地図の場所は此処か?
本当に此処で間違ってないんだろうなぁ!
下っ手くそな地図を描きやがって──!!
お仕置きしてやらないとな! 」
「 オレより絵心は有ると思うけどな~~。
オレなんて、マントの絵を描いたら “ 雑巾 ” って言われたぐらいだしさ 」
「 マオはセロフィートに絵の描き方を学んで練習しとけ 」
「 此処が最初の被害現場だと思うよ。
白いテープで死体の有った場所に貼られてるしな 」
「 そうみたいだな。
飛び散った血の量は多そうだな 」
「 雨で流れなかったんだな~~。
デッキブラシなんかでゴシゴシ擦ったりしたら落ちるんじゃないか? 」
「 どうだかな。
事件が解決してない状態で血の痕を消せば、証拠隠滅罪で逮捕されるんじゃないか? 」
「 此処は立ち入り禁止区域にはなってないが、人通りが少ない。
余程の恐怖心とトラウマを通行人達へ植え付けた事件だったんだろうな 」
「 白いテープが貼られてるの1ヵ所だけじゃないもんな。
1度に8人の犠牲者か。
鯔のつまり、この現場では8人分の首が持ち去れたまま行方知れずって事だよな 」
「 そうなるな 」
「 シュンシュン、これって大事件だよな!
全部を妖かしの仕業にするのは違うと思うけどさ、これは人間の仕業とは言えないんじゃないかな? 」
「 怪異の仕業にしとかないと僕がガッポリ儲けれないだろうが!
人間は原因不明な事は気味悪がって呪いだの祟りだの何等かの言い訳を付けたがるもんだ。
その呪いだの祟りだのを起こしてる存在が怪異の仕業だと分かれば、人間は安堵するんだよ。
後は専門家に怪異を退治してもらえば万事解決するからな。
同じ人間が犯人であるより、怪異が犯人であった方が人間は安心する生き物なのさ。
その隙間を利用して稼がせてもらうのが、オカルト業界の専門家──僕みたいに怪異を相手にする業界人だ 」
「 胸を張って、ドヤ顔で言う事じゃないよな~~ 」
「 良いんだよ!
此方は身体を張って命懸けで怪異の相手をするんだ!
ドヤ顔するぐらい大目に見ろよ 」
「 魔法を使える人間が居るなら、人間が犯人の可能性はあるけど、この日本って国には魔法を使える人間なんて居ないもんな~~。
やっぱり妖かし──怪異が犯人だと考えた方が良いのかな? 」
「 澱みに取り込まれた悪霊,怨霊,死霊──、またはその集団の仕業か──って所だな。
“ 魔法を使える ” って事ならセロフィートが該当するだろう。
セロフィートも犯人候補に入れないとな! 」
「 シュンシュン!
勝手にセロを犯人候補に入れるなよ!
幾ら魔法を使えるからって、セロがこんな小規模な事件をちょびちょび起こす訳ないだろ!
セロならもっと盛大に事件を起こすんだからな!
犠牲者8人なんて少な過ぎる!
オレのセロなら1度に1000人は狙うんだからな! 」
「 競うなよ…。
セロフィートは保留にしといてやるから、落ち着け 」
「 お、おぅ… 」
「 異形の存在も候補に入れないとな 」
「 シュンシュン、異形と怪異の違いって何だ? 」
「 はぁ?
今更かよ…。
怪異ってのは、妖怪の類いの事だ。
妖かし,物の怪とも呼ばれている。
場合に依っては、霊的類いも含めて “ 怪異 ” と呼ぶ事もある。
異形ってのは、主にファンタジーっぽい外見をしている輩を指して呼ぶ時に使われる。
黒い翼を生やした天狗は怪異に分類されるが、白い翼を生やした天使みたいな外見をした輩は異形に分類される。
魔女,ペガサス,ユニコーン,グリフォン,ドラゴン,妖精,精霊,亜人種なんかの類いも異形に分類される 」
「 へぇ、じゃあさ、人間じゃないセロや人間を止めたオレやシュンシュンも異形に分類されるんだ? 」
「 そうなるな。
式妖魔の玄武も呪覘導孳の孫の弓弦も異形に分類される事になるな 」
「 そうなんだな~~。
あっ、じゃあさ、死神は怪異と異形のどっちになるんだ? 」
「 死神は異形だな。
怪異の類いが存在する世界だ。
異形の類いが存在してもおかしくないだろ 」
「 確かにそうかも…… 」
「 エクソシストと呼ばれる悪魔祓い師という職業も有るぐらいだからな 」
「 シュンシュン、祓魔師だって、エクソシストなんだろ?
悪魔祓い師と祓魔師の違いって何だ? 」
「 おぃおぃ、それもかよ。
本当に今更だな!
悪魔祓い師ってのは主に、人間に取り憑いて悪さをする悪魔を祓う専門家だ。
悪霊を祓う為の能力が高いと、悪霊,怨霊,死霊の類いも祓う事が出来る様になる。
悪魔祓い師になる為には、教会に所属して神父になる為の試験を受ける必要がある。
神父になる資格を得た後、洗礼を受けるんだ。
現役悪魔祓い師の弟子となり、悪魔祓い師になる為の修行を最低でも5年する。
悪魔祓い師の資格を得る為の試験に合格したら、免許を発行してもらえる。
悪魔祓い師の免許を得て、師匠から独立したら、1人前の神父として活動が出来る様になる。
悪魔祓い師が悪魔を祓う力は、“ キセキ ” と呼ばれているんだ 」
「 へぇ~~。
教会の神父が悪魔祓いをするんだな~~。
じゃあさ、祓魔師? 」
「 祓魔師は神道系と佛道系に分かれる。
祓うのは主に怪異の類いだ。
異形の類いは祓えないからな 」
「 そうなんだ。
神道系と佛道系の祓魔師って何が違うんだ? 」
「 服装が違うな。
神道系の祓魔師は神主や巫女の衣装を着てるが、佛道系の祓魔師は如法衣の上に袈裟を付けてるから直ぐ見分けられるさ 」
「 ふぅん?
陰陽師は神道系なんだよな?
祓魔師との違いって何だ? 」
「 それもかよ…。
祓魔師は陰陽術を使えないし、怪異の類いを使役する事が出来ないんだ。
式神を呼び出す事も出来ないな。
祓魔師は戦闘向きじゃないし、最前線で戦う事は先ずしない。
後方支援をする事が一般的だな。
中には例外な奴も居る様だがな 」
「 そうなんだ。
序でにさ、祓魔師と祓い屋って何が違うんだ? 」
「 それもかよ… 」
「 頼むよ、シュンシュン 」
「 祓い屋ってのは神道系にも佛道系にも属してない輩を言うんだ。
祓魔師は謂わば、公式に公認されてるエリートだ。
そうだな──、国家公務員ではないが、準国家公務員だと考えれば良い。
祓い屋は独学の成り上がりだ。
独立した自営業者と思えば良い。
依頼料は祓い屋の方が良心的で安い事もあって、一般市民は祓い屋に依頼をするのが一般的だな。
祓魔師の依頼料は高いから企業側が依頼する事が多い。
菩提寺のある檀家なら “ 檀家割引き ” が適用されて多少は安くなるもんだ 」
「 へぇ~~ 」
「 前にも話したが、祓い屋の中には、怪異を祓った様に見せ掛けて別の器に移して如何にも “ 祓った ” と言って依頼人を騙す輩も居る。
祓い屋に関しては100%信用しない方が良い 」
「 でもさ、一般人には分からないんだろ?
信じちゃうよな~~ 」
「 カモられたいなら好きなだけ信じれば良いさ。
僕の知ったこっちゃない 」
「 そう言う薄情な所はセロと似てるよな 」
「 はぁ?
止めろよ!
──とっとと次の現場に行くぞ! 」
「 次の現場は──、此処から距離が離れてるな。
結構、遠いな 」
「 転移陣を使うんだ。
大した距離じゃない。
行くぞ! 」
「 おぅ! 」
春麗は陰陽術を使い転移陣を発動させる。
事件現場からマオと春麗の姿が消えた。




