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☀ 夏のホラー 2023 参加作品  作者: 雪*苺
【 帰り道のカマイタチ 】
20/36

✒ 噂のカマイタチ事件 3


 しゅんれいの張った結界の中を容赦なく縦横無尽に暴れまわる怪異を取り込んだ怨霊のもの──。


 そのものの姿は巨大な百足ムカデに似た形相ををしているが、えているすべての足は蟷螂カマキリの鎌のごとく切れ味がさそうに鋭くなっている。

 宙を飛んで移動が出来るのは蜻蛉トンボの羽に似ている巨大な羽が背中になんぼんえている。


 巨大百足ムカデに似たものの下には、襲われた被害者達の170個もの生首が逆さまの状態で付いていおり、両目からは血の涙を流している。

 ものに腹からポタポタとしたたり落ちていたのは、生首が流してい血だったのだ。


 しゅんれいの助手をしているマオが使っている刀は、実体の無い不可思議な妖魔すらも斬れる特殊なとうだ。

 此方こちらしまぐにに存在している実体の有る怪異のたぐも問題なく使える特殊なとうだったが、この百足ムカデに似たものを斬る事が出来ない。


 体を覆っている殻が硬過ぎて、特殊なとうやいばとおさないのだ。

 をすれば特殊なとうぷたつに折れてしまうほどに殻の硬度が高いものなのだ。


 マオは手首は相棒のセロフィートから貰ったアミュレットを付けている。

 〈 ノマ 〉で魔法マジックを使えないマオの為に相棒のセロフィートが用意した〈 ノマ 〉でも元素エレメント魔法マジックを使う事が出来る特殊なアミュレットだ。

 アミュレットに付いているさま(ざま)な色の宝石は魔鉱石と呼ばれる特殊な鉱石で、中にはさま(ざま)元素エレメント魔法マジックを使う事が出来る。


 実体の無かった妖魔に元素エレメント魔法マジックを使っても効きはしなかったが、実体のある百足ムカデいちばちかで元素エレメント魔法マジックを使ってみたマオだったが、百足ムカデものにも元素エレメント魔法マジックは効かなかった。

 放った元素エレメント魔法マジック百足ムカデものの体からけてしまい、攻撃が当たらずダメージをわせられないのだ。


 元素エレメント魔法マジックが効いてダメージを与える事さえ出来れば、百足ムカデものを弱らせる事が出来るのだが、それも出来ない状況だった。

 とうでダメージを与えられないマオは、結界の中では完全に役立たずであしまといでしかなかった。


 一方の陰陽師であるしゅんれいもといしゅんしょうしょうれいは、羽目をはずし過ぎても “ 悪さが出来ないように ” とセロフィートの古代エンシェント魔法マジックに依って、本来の力を封じられていた。

 その為、本来の10分の1も出せていない状態だった。


 本来の力が封じられていても、しゅんしょうしょうれいは陰陽師としては強い方である。

 しかし、運の悪い事に今回の百足ムカデものに対しては、力をしている事があだとなり完全に力不足だった。

 とどのつまり役立たずである。

 万事休す,四面楚歌,絶体絶命に近いピンチにマオとも(ども)陥り、役立たずの2人は結界の中で百足ムカデものに翻弄され、追い詰められていた。


「 ──此方こっちの攻撃は効かないのに、彼方あっちの攻撃はらうって理不尽だよな!

  なんとかならないのかよ? 」


「 マオは不老不死だから、どんな攻撃を受けても死なないんだろ。

  僕の盾になって、全力で僕をまもれよ! 」


「 酷っ!

  不老不死ではあるけど、怪我すると人並みに痛いんだよ!

  シュンシュンだって不老不死みたいなもんだろ 」


「 僕は不老だが不死じゃないんだよ!

  本来の力を封じられたまま死ねるかよ!!

  僕が怪我しないようおとりになれよ! 」


なんもオレばっかり損な役回りなんだよ!! 」


「 不老不死なんだから当然だろ!

  またたぞ!!

  マオ、なんとかしろ! 」


「 シュンシュンこそ陰陽術を使ってなんとかしろよぉ!! 」


 マオとしゅんれいくちげんをしながら、百足ムカデものが繰り出してる攻撃からいのちけで逃げる逃げる。

 振り下ろされる鎌の風圧で、マオとしゅんれいは怪我をう。


「 ──シュンシュン!

  大丈夫か? 」


「 マオ…………。

  これが大丈夫に見えるのかよ……っ!! 」


「 傷を癒す回復ヒーリング魔法マジックを使うよ。

  オレは回復ヒーリング魔法マジックは苦手なんだけどな 」


「 使えるなら初めから使えよ… 」


「 苦手だって言ったろ!

  ──ヒール! 」


 マオが回復ヒーリング魔法マジックを使うとしゅんれいの傷を一瞬で癒す。

 きずぐちあとが残らず綺麗に消える。


「 …………凄いな、回復魔法ってのは!

  きずぐちも消えたぞ! 」


回復ヒーリング魔法マジックってさ、攻撃魔法と違うから加減がむずかしいんだよな…。

  痛みをやわらげたり、傷を癒したり出来る陰陽術って無いのか? 」


「 そんな便利な陰陽術が有るかよ!

  そんな陰陽術が有ったら、陰陽師なんてしてないぞ。

  治癒師としてボロ儲けして回ってるよ! 」


「 ははは~~……シュンシュンならだな~~ 」


なんだよ、マオ。

  お前、戦闘以外でも役に立つじゃないかよ!

  こんな凄い魔法が使えるなら早く言えよ!

  こいつぁ、怪奇グッズを販売するよりガッポリ出来るぞ! 」


「 だから黙ってたんだけどなぁ~~ 」


「 宝の持ちぐされをするな!

  ガンガン使ってバンバン儲けるんだよ!!

  儲ける為に使わなくてなんの為の魔法だ! 」


魔法マジックカネ儲けする為の力じゃないってのは間違いないよ 」


「 マオは頭がかた過ぎるんだよ。

  もっと柔軟になれ!

  いか、大した事ない怪我で病院へ行って見てもらう馬鹿が多いだろ。

  その馬鹿達を此方こっちに流すんだよ。

  僕達は多額の治療費を得られてハッピーだし、患者も怪我や傷がなおってハッピーだろ。

  WinウィンWinウィンってヤツだ!

  病院で働く医師もほんとうに病院での治療を必要としている重症患者の治療に専念する事が出来るようになるんだぞ。

  医師の負担が減れば、治療のしつも向上するし、助かる患者数も増える。

  これは “ 人助け ” になるんだ。

  病院内にポスターを貼らせてもらい、医師が見る必要のない軽症患者を回してもらうんだ。

  病院と協力関係を結べば “ 病院側も認めた ” って事で信頼を得られるから、患者からガッポリ出来る!

  セロフィートが後ろだてになってくれるだろしうし、〈 セロッタ商会 〉がバックにれば、病院側も無理な要求をしてやしないさ!

  どうだよ、回復魔法とやらを使って僕とガッポリ稼がないか? 」


「 ………………なにをするにも先ずはセロに相談しないとだからな。

  セロが回復ヒーリング魔法マジックを使ってガッポリしない理由が有るかも知れないし 」


「 それもそうだな。

  あのカネセロフィートが回復魔法を使ってガッポリしないのはたしかに妙だな…… 」


「 言っとくけど、セロはカネにはないからな!

  暇潰しでガッポリしてるだけだからな!

  わざ(わざ)仕事をして稼がなくたって、お金なんかいくらでも〈 (げんしつ)(みなもと) 〉で構成する事が出来るんだからさ 」


「 暇潰しでカネ儲けしてんなよ…。

  〈 (げんしつ)(みなもと) 〉でカネまで作れるのかよ。

  まったく末恐ろしいな〈 (げんしつ)(みなもと) 〉を構成する力ってのは…… 」


「 セロは1人で世界中を無双する事が出来る “ なんちゃって吟遊大詩人 ” だからな~~ 」


「 ふぅん……。

  いねぇ~~。

  よし、それも頂くとしよう! 」


「 うん?

  頂くってなんだよ? 」


「 小説を書くんだよ! 」


「 は?

  小説ぅ??

  小説なんか書いてガッポリ出来るのかよ? 」


「 馬鹿が。

  “ ペンは剣より強し ” って言葉を知らないのか?

  〈 セロッタ商会 〉がネットで始めた素人でも気軽に執筆した物語を作品として投稿が出来る【 小説家になろっ! 】ってサイトがあるんだよ。

  にファンタジー作品として投稿するんだよ! 」


「 えぇ~~……。

  誰が書くんだよ…。

  オレは小説なんか書けないからな! 」


「 誰がマオに “ 書け ” なんて言うかよ。

  執筆するのはキノコンにさせればいだろ 」


「 キノコンに丸投げして他力本願かよ… 」


「 主人公は “ なんちゃって吟遊大詩人 ” を名のって世界中を放浪旅しているセロフィートだ。

  〈 (げんしつ)(みなもと) 〉を構成したり、変換する能力ちからを使い、世界を無双する愉快で痛快なファンタジー作品にする!!

  弱気を助けてはガッポリし、強気をくじいてガッポリし、混沌カオスな世界を愉快に旅するんだ!

  セロフィートは手品もするんだったよな? 」


「 そだな。

  古代エンシェント魔法マジックを使ったインチキ手品だけどな~~ 」


「 タイトルは──【 なんちゃって吟遊大詩人とき(どき)手品師の愉快痛快な無双ファンタジー。 ~ (げんしつ)(みなもと) を構成する能力ちからと変換する能力ちからを使い、混沌カオスな世界をチート無双する!! ~ 】なんてのはどうだ? 」


「 タイトルが長過ぎやしないか?

  もっと短くてもいんじゃないのか? 」


「 今はタイトルが無駄に長いのが流行りなんだよ。

  敢えて流行りに便乗するのも大事だぞ 」


なんかな~~? 」


「 世界観やキャラクターの設定なんかは、実際の世界観とセロフィートの立場を使えばいだろ。

  変にアレンジすると訳が分からなくなるからな。

  セロフィートの悪行のかず(かず)なんて有り過ぎてネタには困らないだろ 」


「 シュンシュン、言い方ぁ~~ 」


「 マオがセロフィートの悪行をネタとしてキノコンに話せば、く起承転結に纏めて書いてくれるさ 」


「 ………………先ずはセロに相談してからだからな? 」


「 分かってるよ。

  まったく……マオはなんでもセロフィートに相談しないと気が済まないんだな 」


「 報連相は大事だろ?

  セロを主人公にした物語を投稿するなら、セロに許可を貰わないと安心して書けないじゃん 」


「 まぁ、好きにしろよ。

  作品が文庫化したりコミカライズ化したら、印税ははん(はん)だからな!

  アニメ化して、劇場版化して、実写映画化したら印税でガッポリ出来る!

  グッズもバンバン売れたりしてさ~~ 」


「 シュンシュン……夢を見過ぎだって。

  キノコンの文章力だって分からないのにさ。

  そんな事より、今は百足ムカデものだろ。

  未来に夢をせるのはあと回しだ! 」


「 そうだったな。

  回復魔法を見て少し興奮し過ぎたよ 」


「 少しどころじゃ無かっただろ~~。

  どうしたらいんだろうな…。

  結界を消したらオレ達は逃げれるから助かるけど、周囲に甚大な被害が出るし、大勢の被害者も出るだろうな 」


「 そうだな。

  だが、今の役立たずな僕だけでは、あのものは倒せない。

  どうする、マオ。

  結界の中でマオと心中するなんて僕は後免だぞ 」


「 オレだってだよ!

  あっ──、シュンシュン、スマホ(スマートフォン)が有るじゃんか!

  スマホ(スマートフォン)で助けを呼べばいんだよ!

  マオキノかセノコンにてもらえば、ワンパンで倒してくれるんじゃないかな?

  彼奴アイツ、実体が有るからさ、キノコンの攻撃は当たると思うんだよな! 」


「 残念だが、スマホ(スマートフォン)は使えないぞ 」


「 ん?

  使えないってなんでだ? 」


「 逃げ回ってる途中で壊れたからだよ 」


「 えっ??

  じゃあ、助けは? 」


「 呼べるわけ無いだろ 」


「 …………………………………………えぇぇぇぇぇぇぇッッッ!?

  助けを呼べない!?

  えっ……じゃあ、どうするんだよぉ!! 」


「 マオはんだ? 」


「 どうって……。

  ………………オレだっていのか分からないよ! 」


 マオとしゅんれいは相変わらずピンチから脱出を出来ずにいた。

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