⭕ チャイムの正体
「 シュンシュン、結局の所さ、和稀にだけ聞こえた “ チャイム ” の正体ってなんだったんだ? 」
「 僕も知りたいです、春麗様 」
「 あれは一部の妖かしが発する特殊な妖波だ。
超音波みたいなもんかな 」
「 超音波ぁ? 」
「 みないなもんだ。
超音波とは異なる。
生物の中には稀に反応する奴が居るもんだ。
反応した奴は餌になる。
“ 神隠し ” に遭う人間の中にも含まれてるよ。
喰われちまうから何年経っても見付からないんだ。
骨も皮も臓器の類いも妖怪の胃液で溶けちまうからな 」
「 僕の身体みたいにですか? 」
「 そうだ。
和稀の場合は “ 運が良かった ” としか言いようがない 」
「 茄步さんが和稀に御守りを渡してくれていたから、見付け出せたんだもんな! 」
「 御守りを身に付けて無ければ、和稀の霊魂は輪廻の流れへ還っていただろう。
残留思念体だったら、妖力を帯びて悪霊化していた。
そうなっていたら祓うしかなかった。
和稀は茄步の機転に感謝しろ 」
「 うん!
僕、毎日、お祖母ちゃんに会いに行ってるよ! 」
「 それで良い。
茄步も先が長くない。
残り少ない時間、少しでも多く一緒に過ごしてやれ 」
「 うん!
お祖母ちゃん、本が好きだから僕が毎日読んでるんだ~~ 」
「 シュンシュン、チャイムの音を出してる妖かしは他にも居るんだよな? 」
「 そりゃ居るさ。
僕には聞こえないから関係無い 」
「 これからも和稀みたいな被害者は出るって事だよな? 」
「 そうだな。
それが何だよ 」
「 何とか被害者を減らせないのかな? 」
「 マオ、そんな事をしたら僕の稼ぎが減るじゃないか!
妖かしにはこれからも騒ぎを起こして人間達を困らせてくれないと、依頼が入って来なくなるから困るだろうが。
陰陽師を失業しないといけなくなるだろ!! 」
「 シュンシュンなら妖かしが居なくなっても式隷に悪さをさせる事も出来るだろ~~ 」
「 僕に自作自演しろってのか?
酷い奴だな。
流石、セロに好かれてるだけある 」
「 どういう意味だよ 」
「 春麗様──、僕が受けてる今のお役目は “ お祖母ちゃんが生きてる間、出来る限り話し相手になる事 ” ですよね?
お祖母ちゃんが亡くなった後は、どうしたら良いんですか? 」
「 座敷わらしだな 」
「 座敷わらし?
“ 座敷わらし ” って何するんですか? 」
「 座敷わらしの衣装を用意するから、衣装を着て事務室の中を動き回ってれば良い 」
「 それだけで良いんですか? 」
「 座敷わらしが憑いてる事務所なんて、粋だろ? 」
「 何かエゲつい…。
金に汚ないの亡者が座敷わらしの恩恵を目当てに来るんじゃないのか? 」
「 そうそう簡単に姿を見せる訳ないだろ。
先ずは贔屓にしてくれてる常連に和稀の姿を見せるんだ。
益々贔屓にしてくれる事、間違いなしさ!
座敷わらしの恩恵欲しさに寄附金も跳ね上がるだろうよ 」
「 酷いな~~ 」
「 何とでも言え!
座敷わらしの恩恵に肖りたい奴は、常連になって寄附金を奉納する必要があるんだよ!
座敷わらしなんてのは、僕が儲かる為の手段の1つに過ぎないのさ! 」
「 春麗様みたいな人を “ 金の亡者 ” って言うんだね 」
「 “ 守銭奴 ” とも言うな~~。
和稀はシュンシュンみたいになったら駄目だぞ 」
「 うん!
反面教師にするよ 」
「 お前等は僕に喧嘩を売ってるのか? 」
「 何でだよ?
事実を言ってるだけだろ。
それよりさ、帝呀からの依頼だけど、どうするんだ?
受けるのか? 」
「 帝呀の依頼?
どんな依頼だ?
僕は多忙だから一々覚えてないぞ 」
「 マオ様、どんな依頼なんですか?
僕も知りたいです 」
「 良いよ。
此処に帝呀が書いてくれた箇条書きのメモがあるから読むよ 」
◎ 訂正しました。
流へ ─→ 流れへ




