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☀ 夏のホラー 2023 参加作品  作者: 雪*苺
【 帰り道のチャイム 】
15/36

⭕ 捜索依頼


「 ──それで?

  僕に息子を探してほしいって? 」


「 そうよ!

  貴女、陰陽師なんでしょ!

  行方不明になってもう10年よ!

  警察は全然役立たずだし!!

  もう、貴女しか頼れる相手がないのよ! 」


「 行方不明になって10年か……。

  みちさんはさ、お母さんだよね?

  10年間もなにしてたのさ? 」


「 はぁ?

  なにって──、仕事だけど!

  仕事しないと生活出来ないもの。

  シングルマザーは大変なのよ! 」


「 ふぅん?

  行方不明の子供を放ったらかして仕事に専念してたんだ? 」


「 子供より仕事を優先させる母親に幻滅して家出したんじゃないか?

  ちかごろは多いらしいからねぇ 」


「 はぁ?

  なんて失礼な子達なの!

  アタシのかずが家出なんて不良みたいな馬鹿な真似をする訳がないでしょ!! 」


「 家庭をないがしろにして、仕事が1番の親はみんな似たような事を言うんだぞ。

  アンタはに見限られたんだよ。

  母親失格の烙印をに押されたのさ 」


「 なんて失礼な事を言うガキなの!!

  わざ(わざ)頼っててやった依頼人に対して言う言葉ぁ!? 」


「 大体、主婦も子育ても母親も放棄して、に押し付けてたくちだろ。

  普段は仕事に没頭して知らん顔してるくせに、なにか起これば被害者ぶって母親づらか?

  まったて調子のい御身分だねぇ 」


みちさんはさ、血を分けた大事な子供よりも、自分が大好きな仕事を選んだんだよね。

  10年も警察任せで仕事に没頭してたぐらいだし、みちさんにとって息子さんはらない子なんじゃないの? 」


らない子??

  なに言うのよ!

  誰がお腹を痛めて産んだと思ってるのよぉ!

  このアタシよ!!

  かずはアタシの子供よ!

  かずにはアタシしかないのよ!! 」


「 ふぅん?

  みちにはかずだけじゃないだろ?

  旦那と別居してるのをい事に、取引先で出会った男社員と今でも “ お楽しみ ” を繰り返してるんだろう? 」


「 な゛っ── 」


「 10年のあいだに子供が6人もるんだろ。

  腹の中にるから7人か。

  随分と楽しんでるみたいじゃないか。

  行方不明のかずが知ったら、さぞ驚くだろうねぇ。

  家に帰ったら母親が父親と離婚していて、浮気相手と子供を7人も作っているんだ。

  を老人ホームに放り込んで、大好きだった仕事をめて、“ お母さん ” をしてる。

  かずは複雑な思いをするだろうねぇ。

  ほんに酷い母親だよ 」


「 オレだったら軽蔑するし、幻滅するかな。

  一緒に暮らすなんていやだし、父親を選ぶかな~~ 」


「 な゛っ……な゛っ……なんで── 」


「 知ってるかって?

  僕は陰陽師だぞ。

  もりみなは僕の顧客クライアントだ。

  とは付き合いが長いからな、友情料金で依頼を受けてやってるんだ 」


「 はぁ?

  母さんの知り合い??

  あのダサい御守りをくれた凄い陰陽師って──アンタだったの? 」


「 “ ダサい ” って言うな!

  その御守りのお蔭で、みちあやかしに連れ去られずに済んだんだぞ。

  感謝してほしいねぇ 」


「 あの御守りなら当の昔に捨てたわよ。

  あんな御守りなんて肌身離さず持ってられる訳ないでしょ!

  持ってなくてもあやかしってのに襲われてないんだから、初めから必要なかったのよ! 」


「 これだから無知でほうな馬鹿女はきらいなんだ。

  お前が捨てた御守りはが回収して、かずに渡してたんだよ。

  お前が今まで無事だったのは、が僕に依頼をしたからだ。

  1年間たったの10万で式神にらせてたんだ。

  1日5万でも少ない料金だってのに、1年で10万ぽっちだぞ!! 」


みちさんはさんに感謝しないとね。

  かず君がシュンシュンの御守りを身に付けてくれていたお蔭で、予定より早く救出する事が出来たんだよな 」


なんですって!?

  救出してる──って、どういう事なのよ!

  説明しなさいよ!! 」


みちよ、お前は可愛いが行方知れずになってから10年もの時間が経ってから僕の元へたな 」


「 それがなんなのよ! 」


は孫のかずが “ 行方不明になった ” と知ってからぐに警察へ捜索願いを出したあと、僕に連絡をしてたんだ。

  (みち)()とは想いの強さと行動力が違い過ぎる。

  かずの父親と、父方の両親も一緒にたぞ。

  わざ(わざ)菓子折りを持参してな、『 どうか僕達のかずを見付けてください!! 』って頭を下げて頼みにたんだ。

  手ぶらで偉そうな(みち)()とは誠意の度合いが違うねぇ 」


「 アタシにも菓子折りを用意して頭を下げろって言うの!? 」


るかよ。

  報酬は既に貰っている。

  それにかずも元気に暮らしてるしな 」


「 元気に暮らしてる??

  アタシのかずるのよ!! 」


「 やれやれだねぇ。

  とっくの昔に、かず(みち)()の息子じゃなくなってるんだよ。

  親権は父親のかずあきに渡ったし、かずも父親と父方の両親と一緒に暮らす事を強く望んでいた。

  (みち)()が今までかずに会えなかったのは、海外留学をしてたからだ。

  別にかずなくても困らないだろ。

  (みち)()には浮気相手とのあいだに作った子供が7人もるんだ。

  かずの事は諦めてやれよ。

  かずに関わらないでやる事が、(みち)()に出来る償いになる 」


なんでアタシが、お腹を痛めて産んだ子供を諦めないといけないのよ!!

  かずの親権はアタシが持つべき権利よ!!

  誰にも渡しやしないわ!!

  かずあきから親権を取り返してやるんだから!! 」


みち、お前は自分の立場を理解出来てないのか?

  (みち)()なにしたって現状は変わらないぞ。

  かずの親権は、(みち)()の権利にはならない。

  結果がくつがえる事は絶対にない。

  か分かるか?

  かずが望んでいるからだ。

  かず(みち)()を拒否る限り、親権は(みち)()に渡らないぞ 」


みちさんはさ、かず君に無関心過ぎたんだよ。

  もっと母親として、ちゃんと向き合って接してあげるべきだったんだ 」


「 アンタ達みたいなガキになにが分かるのよ!!

  親になったって仕事は続けたいのよ!

  その為に保育園や幼稚園があるんじゃない!! 」


「 赤の他人に子供を預けて仕事を優先か。

  子育てってのは、感情のある1人の人間を育てるって事だ。

  世の為,社会の為,誰かの為に役に立ち、貢献の出来る健全で誠実な人間を育てる事だ。

  子育ては片手間で出来るような簡単な役目じゃない。

  子育ては母親が子供とぐ向き合ってするものだ。

  余所見をしたり、赤の他人任せにしてするような事じゃない。

  (みち)()かずの子育てに失敗したんだよ 」


「 アンタ達……、ガキのくせに知ったような事を言うんじゃないわよ!

  男社会で出世を目指すキャリアウーマンの苦労を知りも知らないで!! 」


なにがキャリアウーマンだよ。

  取引先の男に尻尾を振りながら股を開いて喜んでたくせにくも偉そうに言えるもんだな。

  (みち)()こそ、ド真剣に仕事と向き合って励んでるキャリアウーマン達に謝れよ。

  (みち)()に “ キャリアウーマン ” を名乗る資格はない!

  仕事もめて主婦業に専念してるんだろ?

  かずの二の舞にならないようしっかり “ お母さん ” してろよ。

  じゃないと、第2第3のかずが生まれるぞ 」


「 こ、このクソガキがぁぁぁぁ!!

  言いたい放題言いやがってぇ!!

  アンタ達を名誉毀損で訴えてやるから、覚えてなさいよっ!! 」


「 それはそれは楽しみだねぇ。

  出来やしない事に心血を注ぐんじゃない。

  子育てに全力投球してろよ。

  産んだ母親としての責務を果たせ。

  責任と義務を放棄して逃げるな 」


「 アンタ達、絶対に後悔させてやるから!!

  優秀で有能な弁護士を雇って、アンタ達のツミを断罪してあげるわ!! 」


 そう言うとみちは周囲にいかりを振り撒きながらカフェから出て行った。


「 シュンシュン、言い過ぎだったんじゃないか?

  弁護士を雇ってオレ達を訴えるみたいだぞ 」


「 はぁ?

  出来る訳ないだろ。

  僕が邪魔するんだからな! 」


「 シュンシュン、やる事が悪どいって…… 」


「 はぁ?

  こんなの悪どい内にはいるかよ。

  しかし──、かずぃ~~~~。

  お前、ほんかったのか?

  元気な顔を見せてやってもかったんじゃないのか? 」


いやだよ。

  ほんならるのもいやだったんだよ…。

  “ 好きなの食べてもい ” って言うからただけだし…。

  第一、こんな姿で会えないでしょ? 」


「 あはは……。

  たしかにな~~。

  当時と姿が変わってない状態で会ったら大変だろうな~~ 」


「 安心しろよ。

  母親が望んでもかずと暮らす事は叶わないさ。

  かずは僕のしきれいになったんだからな 」


いくら助ける為とは言え、人間のれいこんしきれいにするなんてなぁ…… 」


「 仕方無いだろ。

  肉体はわれて無かったんだから。

  だが、れいこんは無事だった。

  僕の作った50万円の御札のお蔭でな!

  僕の作る御札の凄さがわかっただろ! 」


「 そだな~~ 」


「 もっと感心しろよ! 」


しょうれい様──、スペシャルプリンパフェも頼んでいですか? 」


「 今はしゅんれいな!

  名前を間違えるな 」


「 は~~~~い♪ 」

◎ 訂正しました。

  居るかよ ─→ 要るかよ

  和稀さんに無関心 ─→ 和稀君に無関心

  お前じゃなくなってるんだよ。 ─→ お前の息子じゃなくなってるんだよ。

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