第6話 デレフォン現わる
乙女崎大豪邸。玄関。
「ワタシは、デレラちゃんに元気をチャージしてほしい」
長男ダンくん。
近くのコンビニで買った栄養ゼリーを手渡す。
「栄養ゼリー大好きですの」
カチッ。ごくっ。
10秒チャージだ。
デレラは、ものすごく元気になった。
「キミの元気な顔が見れてうれしいよ」
「ダン兄さん。わざわざありがとうございます」
兄にお礼を言うメグミくん。
しかし、兄ダンくんは、浮かない顔をする。
「悪いニュースがあるんだ」
「え…」
メグミくんは、思い当たるフシがあり、絶句する。
「デレフォン…ですか?」
「そうみたいなんだ。ワタシたちの引っ越し先を調べて来るかもしれない」
「そうですか…」
「“彼女”は、しつこいからね」
「何の話ですの?」
「大丈夫ですよ。デレラちゃん」
メグミくんは、デレラの手を優しく握りしめた。
第6話 デレフォン現わる
乙女市立デキアイ高等学校。
2年D組。
「また、転校生が来ました」
「須乃坂デレフォンですう。よろしくですう〜」
銀髪の美少女である。
須乃坂デレフォン。16歳。
銀髪シャギーヘアの女の娘。
瞳は優しげで、癒し系である。
「デ、デレフォン…!」
サクくんが、あわてて頭を隠す。
「サクくん見つけましたよう〜」
甘いしゃべり方は、耳に残る。
「メグミくんは、何処ですう〜?」
「言えない。言わないよ」
「メグミくんがどうかしたんですの?」
デレラは、何もわからない。
しかし、サクくんは、あわてている。
「アタシ〜。メグミくんの彼女なんですう〜」
デレフォンは、言った。
「カ、ノ、ジョ…」
彼女?メグミくんのカノジョ?
デレラは、頭が真っ白になった。
メグミくん。メグミくん。メグミくん。
「違うんだよ。デレラちゃん。コイツは、メグミ兄貴のストーカーなんだよ」
「ストーカー…?」
「ストーカーなんて、ひどいですう。幼なじみですう〜」
デレフォンは、泣き真似をする。
「オサナナジミ…」
幼なじみ。今までを知る女の娘。
「お前、メグミ兄貴のスマートフォン盗んだり、盗撮して、しつこくしてきたじゃないか」
「メグミくんが、ちゃんとお付き合いしてくれないからですう。誤解ですう〜」
「デレラちゃん。コイツを信じないで」
突然現われたデレフォン。
幼なじみ。彼女。
揺れる乙女心のデレラ。
「メグミくんに会いたいですのー!」
耐えきれなくなったデレラは、授業そっちのけで、教室を抜け出してしまう。
「待って。デレラちゃん!」
サクくんも、教室を出て、追いかける。
校庭。
メグミくんのクラスがわからず、デレラは、校庭でうずくまっていた。
「デレラちゃん…!大丈夫ですよ!」
メグミくんが、すぐに駆け寄った。
弟のサクくんが、連れてきてくれたのだ。
だきっ。
「メグミくん…!」
「デレラちゃん!」
二人は、強く抱きしめ合った。
「…良かった。…あんのデレフォンの野郎!」
安心するサクくん。デレフォンへの怒りを隠せない。
「デレフォンって、誰ですの?」
「ストーカーです。つきまとわれているんです」
「“彼女”じゃないんですの?」
「違います。僕の“彼女”は、デレラちゃんです」
真剣な眼差しで、デレラを見つめるメグミくん。
メグミくんの彼女。
それは、デレラ。
うれしい。
想いが、通じ合っている。うれしかった。




