385話 報告書を読んだ王様と宰相
ちょっと短めですm(*_ _)m
「ピィー!」
「おや、タイガーではないですか?」
「きっとアシュリーからの連絡だ!」
「そのようですね、何か持っています」
「ピッ!」
「これは・・・『離島研修報告書』と書いてありますが、アシュリー様の字ではありませんね・・・」
「ピッ!」
「1、2、3・・・8枚もありますよ。陛下もご覧ください」
「このような細かい報告書をアシュリーが書いて来るとは思えぬ。他に誰が・・・」
「エドゥアルドなら書きそうですが、今回は同伴しておりません」
「ならば誰が・・・ヘクターかローレンティアか?」
「陛下!これはオスカル殿下ですよ!」
「なんだと!?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「確かにこれはオスカルだ」
「たった数時間で家を建てたって…」
「アシュリーがいるのだ、オンブローでもそれくらいで建てているのではないか?」
「そうでしたか。あまりに早くて驚きました」
「ワイルドボアの討伐をしたようだが、その詳細はあまり書かれていないな」
「オスカル殿下は参加していなかったのではないですか?」
「その後の解体作業は参加しているようだぞ。あのオスカルがなぁ・・・」
「獣人というのは本当に陽気な人種のようですね。大物が狩れたら毎回村中で宴会するのでしょうか」
「楽しそうではないか。儂も参加してみたいものだ」
「これは・・・」
「なんということだ・・・」
「アシュリー様と土人形のダンスとはどのようなものでしょう」
「ギルフォードが撃沈とはどういうことだ!!」
「さあ・・・」
「クッ・・・この報告書だけでは分からぬ!」
「陛下、それよりも次の報告の方が重要ですよ!」
「なに!?」
「この『はぶムカデ』とはかなり恐ろしい魔物です!」
「こんな能力を持った魔物は大陸には存在しないはずだが…」
「これまでには聞いていませんね。このような魔物がいたら大変な騒ぎになります」
「大陸にいなくて良かった・・・」
「ギルフォード様も途中から討伐に加わったようですよ。最初はアシュリー様とヘクターさんだけが討伐に向かったとあるので、アシュリー様が大事をとったと考えられます」
「そうだろうな・・・」
「そこでミッチェル様ではなくアシュリー様が向かうというのも本当は間違いなのですが、分かっていらっしゃらないようで」
「分かっていないのはミッチェルもだろう?いや、アシュリーの事をよく知っている故かもしれぬな」
「グレンヴィルのレイトンさんも居るはずです。ギルフォード様やオスカル様の安全を考えれば最善ではあるのでしょうが・・・」
「アシュリーの身は誰にも守る事は出来ぬのという事か」
「強いて言えばヘクターさんでしょう」
「そうか、ヘクターがいたな」
「私は、いつかアシュリー様が自分の身を犠牲にする事になるのではないかと心配でなりません」
「そうそうアシュリーが負ける事はないと思うが?」
「それはそうですが、どんな事が起きるのか分からないのです!私はアシュリー様をモントローズから失くすような事は、絶対あってはならないと・・・」
「まぁ、まぁ、リチャードの気持ちは儂もよく分かる。だが、アシュリーの騎士の心は簡単には動かせぬ」
「それは分かっています・・・」
「もう少し長い目で見守ってやろうではないか」
「はぁ・・・」
「次を読もう」
「「・・・・・・」」
「これを読む限り、オスカル殿下も宴会の片付けを手伝っていますね」
「事細かに仕事内容を連ねているから、そうだろうな」
「しかも、モントローズのように井戸ポンプどころか井戸もないようで、川へ行っています」
「ははっ!ギルフォードとオスカルは器を何枚も川へ流してしまったと…はははは!」
「ギルフォード様も苦戦していらっしゃる」
「楽しそうだ・・・」
「何です、羨ましいのですか?」
「そうだなぁ・・・儂の子どもの頃にアシュリーのような・・・いや、何でもない」
「アシュリー様のような人が昔からいたら、この大陸に戦というものは存在していなかったでしょうね」
「ははっ!リチャードの言う通りだ。パナケイア様のいた時代には戦など起こらなかったはずだ。やっている事も中身も性格も全く違うというのに・・・不思議な娘だ」
「本当に。グレンヴィル家は良い娘を生んでくれました」
「あぁ、全くだ!」
「陛下、これはっ!」
「うむ。アシュリーはまたシュマンへ乗り込んだのか!」
「「・・・・・・」」
「こういう事でしたか」
「確かに、オスカルは少々偏った思考をしているとは思っておったが・・・」
「子どもの教育などした事もない平民が、王族を教育するという事にも無理があったと思われます」
「それほどギュルヴィ陛下はスルホを信頼していたのであろう。母は違えど兄弟なのだからな」
「またアシュリーも無茶な事を・・・」
「ふふふふふ・・・アシュリー様らしいです。無理やりねじ伏せて来たようですね。この『アシュリーの脅し』とは何でしょう」
「これか、『外務大臣へのアシュリーの脅し』というやつか?」
「はい、どうやって脅したのか知りたいです」
「「・・・・・・」」
「あー・・・何であろうな。聞きたくない気もするが、ギルフォードが戻れば話して来るであろう」
「そうですね、聞きたくはありませんが・・・」
「シュマンとの関係がより望ましい段階へ進むのであれば良い」
「そうですね。タンガレスとは逆になりそうですので、ここはシュマンとはより強い絆が必要かと」
「うむ・・・」
「まぁ、その点では心配なさそうではありますが・・・。オスカル殿下は、ずいぶんとアシュリー様に傾倒して来たようです。やはり、スルホ殿の命を救ったからでしょう」
「オスカルにとって、このスルホという侍従長の存在は大きかったのであろう」
「アシュリー様も無意識とは思われますが、本当に勘が良く働きます。間に合って良かったです」
「ギルフォードがいつも言っておるではないか、アシュリーには『野生の勘』が働くと」
「今回のは少々違う気がいたしますが・・・」
「そうか?変わらぬであろう」
「明日の報告書も楽しみですね」
「あぁ、明日もオスカルが書いてくるのであればな」
「どうでしょう。明日はギルフォード様かもしれませんよ」
「ははっ!それも楽しみだ」
翌日。
「ピィー!」
「リチャード!タイガーが来たぞ」
「はい!」
「ピッ!」
「今日は少ないようで・・・す?」
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離島研修報告書 第二日目
〇本日の内容
鍛錬
川魚釣り
農作業
野鳥狩り
鍛錬
農作業
勉強
オスカルは疲れたようで夕食前に眠りに落ちた
全員無事です。
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「これはアシュリー様でしょうね」
「あぁ・・・」
「明日に期待しましょう」
「あぁ・・・」




