12.303号室で…
この小説にはパロディ、オマージュがあるので、参照元を検索エンジンに入力したURLを脚注としてつけておくことにしました。
例)タイトル https://www.ecosia.org/search?q=The+Catcher+in+the+Rye
たぶんURLを踏むと草が生えます。
検索エンジンについて https://www.ecosia.org/search?q=Ecosia+wiki
全13話構成です。
拙い文章ですがよろしくお願いします。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。加えて、このなかで語られた言葉はいかなる真実をもふくみません。
ディグナムは一朗が一人で立てるようになると、経緯を説明し始めた。
「ズヴィズダーでは元老院という議会で、民主主義者の方針や施策を決定するのだが……そこで樫田君のスパイ疑惑と彼がこのバグズアイランドにもたらした格差の問題について議題が上がった。」
「奴は、樫田はやはりリヴァイアサンのスパイだったのですか?」
一朗はディグナムに尋ねた。
「いや、スパイ容疑については決定的な証拠を提示することが出来なかったから、それは疑惑のままで終わったのだが……。しかし、彼のもたらす資金と現状の格差を天秤にかけて、議会は後者のデメリットの方が大きいと判断した。」
「そんなことで死刑になっちまったのか?」
「いや、そこで決まったのは樫田君を追放するということだけだった。」
「じゃあなぜ…。」
「元々樫田君は色々な派閥を挑発したり、資金調達のために非人道的な手段を選ばなかったりで、元老院から厭われていた。そこで彼らはクイーナンやその一派など、樫田君に恨みを持つ人たちを煽って集団で殴殺したらしい。」
「殴殺……。」
一朗はそれは仕方がないという考えと、あの樫田が熱狂的に話す様を思い出して、何かいたたまれない感情の両方が同時に沸き起こった。
「私は彼の態度を鑑みればそれは然るべき結末だったと思うがね。」
一朗の目がそう断言したディグナムの顔を一瞬見た。
「君らはどうする?樫田君についてズヴィズダーまで来たのだろう?ここは治安があまり良くない。もう帰った方がいいかもしれない。テイザーガンで撃たれて強盗されるなんて日常茶飯事だ。治安維持管理者の手先も混じっている。」
一朗は雑踏に立ちながらニルの方を見た。
「お前の判断に任せよう。一朗。」
ニルがそう言うと、一朗は少し考えて口を開いた。
「……僕らはズヴィズダーにまだ用件があります。聞かなければならないことがあるので。」
「聞かないといけないこと?何だいそれは一体?」
「それは原理主義者、如月の居場所です。Pres.Cielがその居場所を知っているでしょう?。」
「如月の居場所…それは歴代Pres.Cielしか知らない機密情報だ。樫田君について来た君にはそれを語らないと思うが…。」
一朗は深く息を吸い込んで言った。
「僕に考えがあります。」
「考え?」
「Pres.Cielに対して交渉を行います。」
「交渉…勝算はあるのかい?」
「ええ、まずはそのためにあなたを始めに説得しなければなりませんが……。」
「私を…?」
ディグナムは呆気にとられた表情で聞き返すと、一朗は決意を固めたような表情をしていた。
「はい、僕らをPres.Cielのいる場所まで連れて行ってくれませんか?そこへ行くまでにあなたを説き伏せて見せます。」
それから一朗達は人混みの闇市を抜けて、広場を歩き、細長い棒状のオブジェの下にあった入り口から基地に入り込んだ。ディグナムに先導されるがまま、Pres.Cielのいる部屋の前まで案内された。そして、部屋の前に来るとディグナムは一朗の方へ向いた。
「何とかする。」
そう言いながら、ディグナムは部屋の扉を開けた。そこには本物の木で出来ていると思われる壮麗で巨大なアンティークの長机があり、星のエンブレムの付いた帽子をかぶった男たちがそれを取り囲んで何かを話し合っていた。部屋の右奥にはクイーナンとマドリン、その他数人の民主主義者が立ち控えていた。
部屋の真正面の奥には三つの白い縁の縦長のモニターが窓の映像を写し、その間には青色のバックにいくつもの星がつきその周りを赤と白のボーダーが囲う旗と鷲のマークがついた旗が立てかけられていた。そして、長机の一番奥に、ブロンドの髪の壮年の男が座っていた。男は一朗達が入ってきたことに気づき、何か口を開こうとしたが、それより早くディグナムが言った。
「断れない提案をしてやるさ。」
すると、何かを討論していた男達は一斉に黙りこみ、部屋にいた全員が一朗達の方を見たかと思うと、皆銃を取り出し銃口を一朗達へ向けた。そして、一朗が手に持っていたドリームキャッチャーを起動すると真っ赤な光が辺りを包んだ。
「このヤロー!」
「バカヤロー!」
民主主義者達は口々にそう叫んで手に持っていた銃で各々を撃ち合った。銃声が止んだ後、部屋が真っ赤に染まり、年季のある長机の上には血が流れた。ディグナムもクイーナンもマドリンも、Pres.Cielと思しき男も誰一人として生き残っていなかった。一朗はしばらくそこに立ち尽くしていた。しばらくして、ニルが部屋に入った。
「みんな死んじまったな。」
ニルは辺りに散乱する血だまりの匂いを嗅ぎながら言った。
「ああ。」
「これじゃ、如月の居場所は分からない。」
「ああ。」
「樫田も死んじまった。」
「ああ。」
ニルは一朗の表情が暗く落ち込んでいるのを見て、心配したようだった。
「一朗、お前、大丈夫か?」
「大丈夫さ。僕は。民主主義者達が死んでも、樫田が死んでも。父さんが死んでも。……ただ、僕にはもう何もわからない……。真実は失われた。それだけさ。」
「おい…」
一朗は無理矢理笑顔を作りながらどこか遠くを見て呟く。
「でも僕は大丈夫。きっと、来世では、すべての物事を2×2=4のように、絶対的に誤りのない正確さで理解できるは」
その時、どこからか電子音が流れてきた。
「何の音だ?」
ニルが耳を立てて言った。よくよく耳をすますと、それは一朗のリュックの中から発されているようだった。一朗が中を探って見ると、“超薄平板手写筆記本電脳”の画面が明るく光っていた。
「樫田からメッセージが来ている。」
「何?生きていたのか?」
一朗がメッセージを開封すると、それには音声ファイルが添付されていた。その音声を再生すると、樫田の声が流れた。
「このメッセージを開いている今、お前は喋るbio-Aを無理矢理取り上げられて凹んでいるところだろう。フフフ。」
「これは……?」
「手荒な手段を使ってしまって悪かったな。俺は動けなかったから、契約を履行するにはああするしかなかった。」
「そうか、樫田が死ぬ前に録音したのか…。」
「奴は何かしらの手段で俺を拐うつもりだったようだな。」
「もうすぐこの基地に治安維持管理者が踏み込んでくるという情報が入った。どうやら、俺たちが海辺で基地に入り込んだところを対岸から下平が見つけていたらしい。二足歩行戦車アイアンギアまで動員されている。」
「そんな……。マズいな。」
「俺は交わした契約は可能な限り履行する。お前は俺にbio-Aを譲渡したのだから、そこでお前に渡していたこの端末で如月の潜伏場所を伝える。」
「やったじゃないか!一朗!」
ニルは笑顔で叫んだが、一朗は音声に耳を傾けて集中していた。
「如月がどこにいるのか、実はその正確な場所は誰にも分からない。」
「何だと?やっぱりこいつは詐欺師だったんじゃ」
「ニル、もう少し聞いてみよう。」
「しかし、如月のいる場所に繋がる入り口は分かる。それはこの島の上に建てられた“白屋敷”の中だ。」
「白屋敷…。」
「その中のある部屋が如月の潜伏場所への入り口になっている。白屋敷に入る時、この言葉を伝えるんだ。“2008-33”と。何か聞かれたらアンダーバーを取れ、それが鍵だと言え。それで中に入ることができる。」
その時、樫田の声と共にドン!ドン!と何かを拳で叩くような音がし始めた。
「フフフ、来たか、お客様が……。さて、如月の居場所が分からないのは、その部屋の仕組みに秘密がある、それはその部屋に入ると……」
騒音は金属で何かを殴打する音やエンジンが唸り何かが削れる音に変わっていく。
「ああ、もう時間のようだ。説明している暇がない。位置座標をその端末へ送る。そこに飛び込んでみろ、そうすればそこがどんな部屋かわかるさ。そこで奴からガラクーチカのありかを聞き出せ!」
「樫田ァー!出てこい!」
幾人もの男たちの怒声が聞こえ、樫田の背後で鳴っていると思しき音はさらに大きく激しくなる。
「ハッハー!さようならだ!昏!これでもうお前の辛気臭い顔も甘えた考えも聞かなくて済む!俺はbio-Aを使って一儲けさせてもらうぜ。この島を抜け出して!」
何かが崩れる音がして、大人数の足音が聞こえてきた。
「じゃあな。」
その言葉を最後に音声データは途切れた。一朗は再生の終わった黒い画面に呟いた。
「さようなら。樫田。」
そして、部屋が赤い光に包まれ、非常ベルの音が鳴った。
「リヴァイアサンに基地を特定されました!3分以内に治安維持管理者による捜査が入ると思われます。機密情報の抹消ののち、総員退避してください!」
「行こう。一朗。」
一朗とニルは真っ赤に染まる基地の中を歩いた。途中数人の民主主義者たちとすれ違ったが、パニックになっていて一朗達には目もくれなかった。基地から外に出た一朗達は足早に指定された場所へと急いだ。空はもう白みがかっていて、人工太陽の光が灯り始めていた。
樫田の示した場所は町を見渡すことのできる丘の上だった。そこにはただその白い屋敷が一つ建っているだけで、ほかには何もないようだった。一朗達がそこに向かう途中、屋敷の方から歩いてくる人々の4、5人とすれ違った。一朗達は方向があっているかどうか知るためすれ違う人たちに話しかけ、屋敷について尋ねた。すれ違った人々は口を揃えてこう言った。
「ええ、方向はあってます。あの屋敷はとても良いところです。是非あなたも一度行ってみるといいですよ。」
一朗は白屋敷はどんなところかと聞いた。すると誰もがその詳細を話すことなく、ただただ同じことを繰り返した。
「あの屋敷は本当に素晴らしいところです。是非とも行ってみなさい。」
彼らに尋ねてもいつからそこに建物があるのか、何のためにその建物があるのか、誰も知ることがなかった。
「あそこに行けばあなたは天国を知ることが出来ますよ。」
「天国?」
「ええ、あそこはこの世の楽園です。」
一朗はなぜ何も知らないのにそんなことがわかるのかと聞いたが、その問いに答えることなく白屋敷を勧めてきた。
「絶対に、絶対に行ってくださいね!」
人々は最後にそう念を押していった。一朗とニルはその様子に不気味さを感じたが、樫田の残した手がかりを無駄にするわけにいかず、ただ屋敷に向かって歩き続けた。
町から歩いて1時間ほど経って一朗とニルは白屋敷に到着した。白屋敷は古く、至る所にヒビが入っていて、今にも崩れ落ちそうな状態であった。一朗とニルが屋敷の中に入ると、そこには沢山の人が列をなして並んでいて、受付のようなところで何かを受け取っているようだった。
一朗達も列に並ぶと、それはすぐさま短くなっていき、気がつくと受付の前に立っていた。受付には赤毛の女が座っていて、一朗はその女に声をかけた。
「この白屋敷に如月がいると聞いてきた。」
「そうね…。ええ、如月はこの建物の中にいるわ。…たぶん、そうね。303号室に。あなた…鍵は持っているの?」
女はゆっくりと、穏やかな口調で尋ねた。
「“2008-33”だ。」
「そう…でもそれだけじゃあなたははここに入ることはできない。」
一朗は樫田に教わった通りの言葉を繰り返した。
「アンダーバーを取れ。それが鍵だ。」
「……分かったわ。あなたのモノスコードは?」
一朗がモノスコードを唱えると、女はジロリと一朗の目を見た。一朗は女と顔を合わせているうちに何かを見透かされているような気分に襲われたが、女は立ち上がると、後ろにあった棚から鍵を取り出した。
「これが303号室の鍵よ。じゃあ…ごゆっくり。」
一朗達は鍵を受け取ると、廊下を進み303号室へ向かった。廊下の窓からバグズアイランドの街並みを見下ろすと、古びたバラックが暗いモザイク模様を作り出していた。しばらく歩くと一朗は303号室の前にたどり着いた。
「303号室……この向こうに如月がいる…。入るぞ。ニル。」
一朗がそう声をかけたが、返事はなかった。
「ニル?」
辺りを見回すとどこにもニルの姿がない。
これまで歩いた方を振り返っても、そこにはただただ真っ白な廊下があるだけだった。先を行く道も見渡す限り、ーーーその果てを見ることはできなかったーーーただ、誰もいない、何もない、古い壁と床、バラックの見える窓が続くばかり。一朗はいきなりただ一人白屋敷に取り残されて、言い知れない恐怖と不安に襲われた。
一朗は少しの間その場から動くことが出来ず、立ちすくんでいた。しかし、よく303号室の扉を見るとその足下に真っ黒な毛が挟まっているのが目についた。一朗は屈んで扉からそれを手に取った。
「ニルの毛?なぜ?」
なぜ入ってもいやしない扉にニルの毛が挟まっているのかわからなかった。しかし、一朗に残された道はただ一つだった。一朗はその扉を開いた。部屋の中は真っ暗で、足を踏み入れた途端に大きな音を立て戸が閉まった。驚いた一朗が元来た方に手を伸ばすと、扉はなくなっていた。
それから、どれくらいの時間暗闇の中にいたのか分からない。ただ一朗はある時は途方もないその空間を歩き続け、ある時はその道なき道を戻ろうとした。しかし、何も見えないまま前も後ろも分からないその場所から抜け出すことは出来なかった。
一朗はそのうち一歩一歩、歩く先に本当に床があるのか恐ろしくなった。この足を踏み出したら前にはとても大きな穴が開いていて、そこに落ちてしまうのではないか、あるいは今立っているこの場所も消えれなくなってしまうのではないか、そんな恐怖にとらわれた。このままどこに行くのか分からぬまま彷徨い歩いて、とてもとても長い時間が経った時、一朗の手に何か硬いものが当たる感覚があった。
一朗は恐る恐るそれに向かって右手を伸ばすと冷たい感触がして、ざらざらとした細い棒のようなものがあった。それは手につかむと体を預けることができるほど固くく固定してあり、左手を伸ばすとその上にもう一つに似た物体があるのを感じた。一朗がさらにもう一度手を伸ばすと、また一つ棒があった。
「梯子だ!」
一朗はそう叫ぶと急いで駆け上り、一番上にあった扉を開けて、暗闇から抜け出した。
そこには見渡す限りの青い空が広がっていた。足元には今まで見たことがない本物の植物が一面に生えていて、それがどこまでも続いていた。すぐ近くには緑の葉が生い茂り、所々に赤い実が成った木が一本生えていた。
「やあ、どうだった?一朗くん。303号室の仕組みがわかった?」
その木の下には薄桃色のボディースーツの上に26という番号が胸についたパーカーを着た女がいて、一朗に微笑みかけた。女はライトグリーンの髪色で琥珀色の瞳をしていた。
「私たちはどこまで話を進めたんだっけ?今までの君の話を聞いて、私はリヴァイアサンが何のために作られたのか話した。そう、これからが君の必要な情報、ガラクーチカのありかについて話すんだったね。」
一朗は少しの間、呆然と女の顔を見ていた。木の下には赤いキャスケット帽をかぶった白人の少年が椅子に座り、机の上にある紅茶のような液体を飲んでいた。そして、女の陰からニルが出てきて言った。
「一朗!本当にこの部屋の外に情報は持ち出せなかったのか?」
少しの間ニルと目を合わせていた一朗は何かに気づいたように大声で叫んだ。
「思い出した!思い出したぞ!」
一朗の中で失われていた記憶が蘇る。
「一朗、この建物は恐ろしいほど殺風景な場所だな。どこまで行っても白い廊下しかない。」
一朗は鍵を受け取った後、隣を歩くニルと話しながら白屋敷の廊下を進んでいた。
「確かにそうだ。それにあれだけ人がいたのに受付を過ぎると誰もいなくなったな……。」
それから少し歩くと303号室の前に着いた。一朗は少し緊張した様子で扉に鍵を差し込んだ。戸を開けるとそこは暗闇で中に何があるのかわからなかった。ニルと目を合わせて一朗はその中に足を踏み入れた。後からニルが付いてきて、そこに入ろうとした瞬間、扉が大きな音をたてて閉まった。
「イタタタ!助けてくれ!一朗!」
ニルが大きな声で叫んだ。
「挟まったのか!」
一朗が慌ててニルの身体を中に引き込んだ。
「痛ってー。何だってんだここの扉は……。」
暗闇の中で恨めしそうに後ろを向いたニルだったがすぐに周囲の匂いを嗅ぎ始めた。
「一朗、かすかだが、人がここを通ったような匂い、錆びた鉄のような匂いとかすかな果物フレーバーのような甘い匂いが残っているぞ。方角は向こうだ。」
「そうか、この暗闇の中だ。お前の鼻だけが頼りだ。」
「任せとけよ。」
ニルが先導する形で一朗達は歩き始めた。それから、少し歩くとニルが叫んだ。
「痛っ!」
「どうした?ニル?」
「行き止まりだ。何かにぶつかったみたいだ。」
一朗は手を伸ばして前に出た。
「これは…梯子か。登ってみよう。」
一朗はニルを抱えて梯子を登り、最上部にあった扉を開けた。するとそこには見渡す限りの青い空が広がっていた。足元には今まで見たことがない本物の植物が一面に生えていて、それがどこまでも続いていた。
「珍しい。お客さんだね。」
声のした方へ振り向くとそこには緑の葉が生茂り、赤い木の実が成った木があり、その木陰からライトグリーンの髪の琥珀色の瞳の女がこちらを見ていた。白いパーカーを着たその女は赤いキャスケット棒を着た白人の少年とティーカップで何かを飲んでいるようだった。
「ここは……外なのか…?」
「違うよ。天井も壁もある。だだっ広い空間にモニターを取り付けているだけ。」
女はそう一朗の疑問に答えたが、一朗はその空間の地平線に目を凝らしても、とても地下施設の中にあるようには思わなかった。一朗はその女に尋ねた。
「あんたが如月なのか?」
「ええ。それは私の名前ね。あなたは新しいPres.Ciel?」
一朗は何と名乗ったものか少し考えたが、穏やかな如月の笑顔を見て昏一朗と名乗った。
「それ、本名?私を捕まえないということは治安維持管理者ではないよね?Pres.Ciel以外の人がここに来るということは、ズヴィズダーに何かあったの?」
「ズヴィズダーはもう崩壊した。アジトの居場所がリヴァイアサンに知られてしまって…。」
如月は目を丸くして驚いた表情を見せたが、すぐにその顔は憂いを帯びた微笑みを浮かべた。
「そう。みんな捕まったろうね。」
そう言うと如月は遠い目をした。その様子を見てニルが言った。
「あんたは余裕があるんだな。部下が捕まったっていうのに。」
「わんちゃん、君は喋れるんだね。驚いた。」
そう言って如月はニルを触ろうとした。ニルは警戒しながら一歩下がった。
「余裕があるというよりは、ただ悲しいだけ。私は自分自身の危険はどうだって良いから。それにあの子達は私の部下なんかじゃない。」
一朗は怪訝な顔で如月を見た。
「部下じゃない?原理主義者と呼ばれているからてっきりあんたがリーダーかと思っていた。」
「遠い昔は私がズヴィズダーを率いていたわ。その頃にはその組織は違う名前だったけど。」
「遠い昔…。」
「ええ。もう何百年、何千年も前の話。」
今度は一朗が驚く番だった。
「千年…?あんたは一体何歳なんだ……?」
如月の頬が赤く膨らんだ。
「女性に年齢を聞くなんて。失礼ね。」
「…すまない。」
如月はすぐに微笑みを取り戻して言った。
「いいわ。あなたは素直なようだし。」
「……わかった。ところで、そこにいる少年は?彼はずっと黙り込んでいるが。」
一朗は頷くと木の下で黙って紅茶を飲むその少年に目を向けた。少年は一朗のことなど意にも介さず、気怠げな表情で高すぎる椅子に座ったまま動かなかった。
「文月。挨拶は?」
少年はちらりと一朗達の方を見たが、すぐにもと見ていた方へ向き直った。
「ごめんね。今は機嫌が良くないみたい。彼はドールなのよ。意思のある。」
「モンドのような?」
「そうね。そこまで感情豊かではないけれど。それで、ズヴィズダーが滅んで、君たちは何をしにきたの?」
如月は一朗の目を見て尋ねた。
「僕たちは……ガラクーチカのありかを聞きにきた。」
それを聞いた如月は物憂げな様子だった。
「あなたもあんなものを探しているの?あれはくだらないものよ。」
「リヴァイアサンを破壊するためにそれが必要だと聞いたからだ。な、一朗。」
「そう。あなたたちもリヴァイアサンを破壊したいの?なぜ?」
そう尋ねられた一朗は理由を話すと長くなると言った。
「いいわ。あなたの話を聴かせて。」
それから、一朗は今までにあったことを全て話した。夢を売って生計を立てていたこと、コモンセンスが壊れて、貢献度が測定不能になったこと、病院での不可解な殺人事件、治安維持管理者に追われ始めたこと、父が癌で死んだこと、科学的幸福に忍び込み真実を知ったこと、王家の墓に潜入したが失敗したこと。如月は穏やかな笑顔で時々相槌を打ちながら聞いていた。
「そうか。あなたの父さんが死んで……。」
「僕は、父を殺したリヴァイアサンを許すことはできない……!」
「歴史は繰り返す。1度目は悲劇、2度目は喜劇。じゃあ、そのあと幾度となく繰り返されていく歴史は…命は模倣そのもののための模倣、模倣と差異化の戯れ……。」
「何だ?コイツ何を言ってるんだ?」
「あなたたちはあの部屋までたどり着いたんだね……。」
如月は少し黙ったあと、一朗に諭すように言った。
「あなたは知るべきだと思う。リヴァイアサンが何のために作られたのか。」
「何のために?それはコモンウェルスのために……」
何か言いかけた一朗を制止して、如月は話し続けた。
「あなたは人類が地上を追いやられた理由は何だと思う?」
「それは、自由戦争の過激化による環境の破壊と資源の枯渇、富の集中を原因として、民主主義国家が互いに戦争を始めて……」
「そう、それは吼師学園での義務教育でインストールされる世界観ね。でも、私の記憶ではそれは違う。」
「何?」
「私の記憶では、人類は環境問題も資源の問題も克服していたわ。富の集中もあるにはあったけれど、最も貧しい階級でも餓死することも、医療が受けられないこともなく、文化的な生活を送れるようになっていた。自由戦争という言葉はある極端な人々がその当時の国際分業体制をそう呼んだに過ぎなかった。私たちの利用するテクノロジーの殆どはその当時自由戦争の中で確立されたもので、そもそも戦争なんて言われてるけど、ゼロサムゲームでもなかった。嫌悪すべき点はあるけれど、悪いところばかりじゃなかったのよ。自由戦争も民主主義もとても優れた制度だった。」
「じゃあ、なぜ人類は地下に……?」
「それは、大地が氷で閉ざされたから。皮肉な話ね。昔は地上では大気中の温室効果ガスが増え過ぎて、温暖化が叫ばれていたのに。」
「なぜ氷で閉ざされたんだ…?」
「この平らな大地の上にハルマゲドンと呼ばれる隕石が降り注いだの。それから、この空は灰で覆われて日の光が届かなくなってしまった。その後人類は地下に逃げ込み、僅かな資源を効率的に分配するためにリヴァイアサンを生み出した。」
「そんな経緯が…。」
「あなたは知らないでしょう?リヴァイアサンの言う“コモンウェルス”が何のためにあるのか?」
「そりゃ、国民、この都市の市民のために」
「違うわ。あなたのその考えでは”コモンウェルス“がそれ自体として、その外部に目的を持たないものとして考えられている、”コモンウェルス“が”コモンウェルス“そのもののためとして存在していると。私が問うているのは“コモンウェルス”が“何のために”存在しているのか。」
「……一体この都市にどんな外部が存在するって言うんだ?」
「それは……未来の他者。」
「未来?」
「そう、いくらリヴァイアサンと言えどもこの現在を超えて全ての未来を予知することはできない。この都市の住人や、あなたたちや、私、バグズが存在して、私たちが歴史を紡ぐ限り。リヴァイアサンの”コモンウェルス“は予測することすらできない未来の他者のために存在する。」
「でも、リヴァイアサンはこの先の社会がどうなるか、誰がどんな発明をして、商品を生み出すかからスポーツの結果まで、この先数千年を予測しきっているんじゃいないか?そう一朗は話していたぞ。」
「そうね。けれど、それはたかだかこの先数千年の話でしょ?」
「…………!」
ずっと変わらない笑顔で反論に問いを返した如月に一朗とニルは言葉を失った。
「リヴァイアサンの目指す未来の他者は数千年程度じゃない……。“コモンウェルス”はこの世界の最後の人類を含めた永遠平和のために存在している。その不可能を目指してこの都市を統治しているの。」
「最後の人類……。」
「この地上に立つ最後の一人を“もはやこの世界を愛せない”という地獄から救うため、この世界を愛せるようにするため、そのために存在する。」
如月は一朗の目を覗き込んでゆっくりと話し続けた。
「この地上の最後の1人は私たちの蓄積したすべての富と知恵を享受する。……そして、私たちの犯したすべての罪と罰を一身に引き受ける。人類で最も孤独な私たちの子ども、私たちから最も離れた隣人。その愛と幸福のために“コモンウェルス”は存在するの。知ってるよね。リヴァイアサンはこの都市で発生するほぼすべての情報を収集し、次の手を打つために計算を行う。収集した情報から、次に取り得る瞬間瞬間の全ての可能世界を表現して、その中から最善の選択を行うって。今や誰にもリヴァイアサンの演算過程を理解することはできないけれど…。でも、その“最善”は実は果てなき未来のため、最後の一人が世界を愛するために行われている。おかしいよね。愛のための社会契約だなんて……。リヴァイアサンのウロボロスのマークは、人と人が食らいあうことの象徴だった。それは今を生きる人々やその当時の国々だけじゃない。過去の人類、今の私たち、未来の子どもたちも示していた。私たちは過去の人類の知を食らい、未来の子どもたちを生むと同時にその資源、つまり生存の時間を食らう。そして、未来の子ども達は私たちを礎に、そのまた未来の子孫を生む。その二義性、二重拘束性のシンボルなの。でも人間からは寿命がなくなってしまった。だからリヴァイアサンは私たちに予定的に死をもたらす。」
「そのために、未来の他者のために父さんは死んだと…?」
「そう。でも私のように、予定的な死を克服している人には寿命が存在しない。私も昔、あなたと同じようにリヴァイアサンを破壊するためにズヴィズダーを率いた。そして、それを2度破壊することができた。でも、破壊した後残ったのは大勢の人の死と混乱だけだった。その争いと混乱の中で私は意思を変えたの。私はリヴァイアサン3.0を破壊する気はない。きっと、リヴァイアサン3.0を破壊したところで、この先世界がどうなっても、自由を巡る闘争は終わらない。……今の話を聞いて、あなたはリヴァイアサンを破壊する?」
「僕は……僕は、それでもこの世界は間違っていると思う。自分のことを自分で決めれない世界なんて……。」
「自分のことを自分で決める……でもね。リヴァイアサン3.0、集知主義への移行は一時の混乱の後、民主的な手続きを通じて、国民投票によってその統治が決定したのよ。」
「そんなバカな。過去の人々が自由を放棄したというのか!?」
「いいえ、彼らは自由のために、自由を行使してリヴァイアサンを選んだ、いえ、選ばざるを得なかった。限られた資源をこの地下において最後の未来につなぐには、人間によりもAIに任せた方が正確だから。」
一朗が驚愕の表情を浮かべているのを見て、如月は笑った。
「なんてね。この国の歴史も、この大地の歴史についても本当のことは誰にもわからない。人間が地下に追い込まれたのはある時期に起こったハイパーインフレーションが巻き起こした混乱が原因だとも言われているしね。」
「何?」
「…メメックスを頭に埋め込んだ瞬間から私たちは真実を失ってしまった。私の記憶もあれから正確に何年経ったかなんてわからない。」
「それは……」
「この国の歴史はリビジョンを幾度も繰り返したものであるし、リビジョンをする人たちにもメメックスは埋め込まれているから。」
「そんなもの、記憶を、言葉を、情報を有した瞬間から真実を失ったと言っているのと変わらないんじゃないか?」
「そうかもね。でも、自らの持つ全ての信念が絶対に正しいなんて、誰が騙ることができるだろう。」
それっきり、しばらく誰も何も口にすることのない時間が流れた。空には雲が現れて、一朗達のいた場所が陰になっては、また日が差した。
そして、その地下室の草原に力強い風が吹いた。すると、如月のそばに赤い木の実が落ちてきた。如月はその木の実を手に取った。一朗はそれを見て言った。
「その木は……本物なのか?」
「うん。本物を見るのは初めて?」
如月はその木の実を齧るとまた微笑んで言った。
「私はりんごが好きなの。あなたはりんごは好き?どう?」
りんごを手渡された一朗は少し戸惑ったが、それを齧った。
「あんまり甘くはないな。」
「ええ。この果実はそこまで甘くないわ。」
「なぜここで育つんだ?」
「ここの土は養分が豊富だから。“ひかりごけ”から作られているの。万能食や天蓋の星と同じで。あのこけは不思議よ。この地下都市の天蓋は、“ひかりごけ”以外の何ものを受け付けない。なぜかはわからないけど、あそこに設置した機械は故障してしまうのよ。その中でひかりごけだけは何度天蓋から取り尽くしても生えてくる。」
「そうなのか……。」
「それで、君はどうするの?」
「僕は……それでも……」
如月は目を閉じて頷いた。
「そう。わかったわ。あなたにガラクーチカのありかを教えてもいいんだけど、そのかわりあなたも私に何か対価をくれないとね。」
「…お前は、何を求めるんだ?」
「そうね、じゃあこうしよう。私ははあなたにガラクーチカのありかを教える。あなたは私を外へ連れ出すの。」
「外?この部屋の外か?」
「いえ、この都市の外側…星の見えるところへ。」
「それはつまり、王家の墓の塔から外に出るということか。」
「ええ。契約を結びましょう。」
そう笑顔で言った如月の意図を一朗は理解できなかった。この果ての見えない部屋も、その中で育つ木も本物の外側にあるように思えて、悪趣味な冗談でからかわれているように気味が悪くなってきた。
「嫌だと言ったら?」
「一朗、お前散々苦労してここまで来たのに……。」
ニルが口を挟んだ。
「別に良いよ。でもね。あなたが仮に私から無理矢理情報を抜き取って逃げたとしても、無駄だよ。」
「なぜ?」
「この部屋からは情報を持ち出すことは出来ないから。この部屋の主である私以外は。」
一朗はこの女のいうことが真実なのかどうか、その判別をつけかねた。
「何なら、この部屋を出て試してみたら。」
そして、一朗は今目の前で微笑んでいる女を見た。
「なるほど。本当にこの部屋から情報を持ち出すことは出来ないようだな…。」
「本当か?一朗。」
ニルは303号室に帰ってきた一朗の周囲を回りながら尋ねた。
「どうしようもない。僕らはこの女の契約をのむしかないようだ。」
「わかってくれたようだね。じゃあ」
一朗は如月の言葉を遮った。
「でもその前に聞きたいことがある。」
「何?」
「ガラクーチカとは一体何なのかということだ。」
その言葉を聞いて如月は腹を抱えて笑い始めた。
「アハハ、そうね。まだ話していなかったね。」
少しして笑い発作が収まると如月は説明を始めた。
「そう……ガラクーチカ、それは銀河、あるいは、ガラクタ。それは貨幣、あるいは言葉。それはダイヤモンドよりも永遠に価値あるもので、塵のようにくだらないもの。それは究極のストイシズムの倫理、あるいは果てなき欲望の精神。それは重荷を背負う駱駝であり、咆哮する獅子であり、そして、無邪気に笑う幼子であり、その全て。それは世界、あるいはあなた自身。それは……一にして全なるもの、あるいは全にして一なるもの。それは、あらゆる矛盾、あらゆる対立の和解、あるいは万人による永遠の闘争。それはいたるところにある……でも、それはどこにもない。」
「一体何なんだ?」
「さあね、でもきっとあなたにならわかるはず。」
一朗は如月の言葉を理解することが出来ず、苛立ちまじりに聞いた。
「一体どこにあるんだ?」
「それは色んなところにあるんだけど、見える人には見えるし、見えない人には見えない……。」
「もう禅問答はしたくない。」
「アハハ、そう、ガラクーチカ。それは禅問答の答えでもあると思う。」
「わかった。もういい。」
そう言って一朗はポケットに手を入れようとした。
「ガラクーチカの一つはオリオンのベルトにあるわ。」
「オリオンのベルト…?」
「そう……それはロケットマンが今持っている。」
「ロケットマン?あのイカれたバイオテロリストの?」
「うん。彼の居場所を知っているから、私が連れて行ってあげる。だから……」
そう言うと如月は何かを期待するような目で一朗を見つめた。一朗は仕方なく言った。
「わかってるよ。あんたを外に連れ出そう。」
その言葉を聞いて如月はしばらくの間とても喜んで、笑顔で言った。
「ねえ、たぶん、私たちが出会ったことにはきっと何か意味がある。」
「意味?」
「ええ。……リヴァイアサンがなぜ私たちから地上を取り上げて、ゲートで閉ざしたのか、なぜあなたの手を測定不能と言ったのか知らない。それは誰にもわからない。」
如月はその部屋の中心にある木を見ながら話し続ける。
「ひょっとしたら、リヴァイアサンは嘘をついているのかもしれない。でもこれだけは言える。人間の、いえ、あらゆる生物の織りなす歴史の終わりはまだずっと先だということ……例えそれが自由を巡る果てなき争いの道であっても。…だから、きっと私たちが取り交わした契約は何かの始まりに過ぎない。今を生きる私たちには誰にもわからない、百年後、一万年後。もっと先の、十万年後に起こる、何かの始まり……。」
「それは…」
一朗が何か言いかけるのを遮って如月はまた笑った。
「なんてね。私は例え歴史が終わる瞬間にも、これが始まりだって嘯いていたい。ただそれだけ。」
そう言って如月はりんごを齧った。
「さて、この部屋ともお別れか。」
如月は相変わらず無表情で座っている少年のそばに駆け寄った。
「お別れよ。文月。」
少年は如月の方を眠そうな目で見ると、殆ど口を動かすことなく呟いた。
「さようなら。如月。」
「次はあなたがこの部屋を守っていってね。」
如月は少年の頬に口づけをして、一朗達の方へ振り返った。
「さあ、いきましょう。」
「ああ、一応確認しておくが、あんたなら竜の門の場所と内側の通路を案内できるんだな?」
「ええ。竜の門への入り口から、私が案内するわ。」
「わかった。行こう、ニル。」
「ああ、一朗。」
一朗達は元来た扉から降りて、再び暗闇の中へ足を踏み入れた。そこからわずか数歩で、扉に突き当たった。そして、一朗はその戸を開いて外に出た。
「ここは……?」
一朗は外に出た途端、困惑した様子であたりを見た。
「白屋敷の廊下…ニル……。」
「ああ、一朗、ここは白屋敷だ。」
「あんたは…?」
訝しむ一朗を見て如月は微笑んだ。
「じゃあ始めよっか。」
琥珀色の目をした女がそう口にすると視界に赤い閃光が満ちた。それとともに、一朗は微睡みに飲まれていった。
脚注:
※1 https://www.ecosia.org/search?q=The+White+House
※2 https://www.ecosia.org/search?q=The+Godfather
※3 https://www.ecosia.org/search?q=%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B8
※4 https://www.ecosia.org/search?q=出版書誌データベース
※5 https://www.ecosia.org/search?q=%E6%81%8B%E3%81%AF%E3%83%87%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BB%E3%83%96
※6 https://www.ecosia.org/search?q=Der+18te+Brumaire+des+Louis+Bonaparte
※7 https://www.ecosia.org/search?q=%E6%81%8B%E3%81%AF%E3%83%87%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BB%E3%83%96
※8 https://www.ecosia.org/search?q=Armageddon
※9 https://www.ecosia.org/search?q=%E8%87%AA%E5%B7%B1%E8%A8%80%E5%8F%8A%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
※10 https://www.ecosia.org/search?q=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%82%8A%E3%82%93%E3%81%94
※11 https://www.ecosia.org/search?q=ひかりごけ事件
※12 https://www.ecosia.org/search?q=Die+protestantische+Ethik+und+der+%27Geist%27+des+Kapitalismus
※13 https://www.ecosia.org/search?q=Also+sprach+Zarathustra
※14 https://www.ecosia.org/search?q=Men+in+Black
※15 https://www.ecosia.org/search?q=Darker+Than+Black
※16 https://www.ecosia.org/search?q=July+Darker+Than+Black
※17 https://www.ecosia.org/search?q=Room303
※18 https://www.ecosia.org/search?q=Amber+Darker+Than+Black
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。加えて、このなかで語られた言葉はいかなる真実をもふくみません。




