黒猫のお話・そのに
その日は梅雨寒の雨降る日だった。
かーちゃんとはぐれた僕はミイミイ鳴いて、かーちゃんを探してたんだ。
でもかーちゃんは見つかんなくて、代わりに人間のかーちゃんに見つかった。ヒョイと救い上げられてお家に連れて行かれた。
暖かいタオルでグジョグジョだったお顔を拭いて貰って、くたびれたバスタオルに包んでもらうと、少しだけ落ち着いた。
もうかーちゃんと兄弟たちには逢えないんだろうなぁ。
そう思うと寂しくなって、バスタオルの中で丸く固まる様にして寝た。
人間のかーちゃんに拾われて、ご飯も寝床も貰った僕は、段々と元気になって段ボールの中ではしゃいでいた。
一人はちょっと寂しかったけど、かーちゃんも遊んでくれるし、かーちゃんのセガレもちょくちょく構ってくれたから、気にならなかった。
いつしかかーちゃんと兄弟たちの事を考えなくなった。
そんなある日。ご飯をくれる人間のかーちゃんの手に、僕とは違う猫の匂いを見つけた。
思わず喜んだよ。お友達が居るんだ!ってね。
段ボールの外に出たいと猛アピールしたら、人間のかーちゃん、僕を段ボールの外に連れ出してくれた。お手手で運ばれると、目の前に大っきなクマみたいなのが居た。
わー、食べられちゃうよぉ〜。
思ったけど、人間のかーちゃんからした匂いがする。
え、猫なの?
僕がお友達になれると思った猫は、随分といい歳したオバサン猫だった。
もう少し歳が近い猫だったら、遊んでくれたかも知れないけど、オバサンじゃ無理っぽいね。
でも、同じ黒猫同士、仲良くしてこうっと。
よろしくね、オバサン。
(先住猫 誰がオバサンじゃー!)




