黒猫のお話・そのいち
黒猫のエピソードを、黒猫目線で描いてみました。
モデルはウチに居た黒猫達。
下僕の立場から見ての妄想エピソード。お楽しみ頂ければ幸いです。
私は黒猫。
秋頃に生まれたんだけど、すぐにお母さんと離れ離れになっちゃったの。
「おかーさーん!」って鳴いてたら、人間のお母さんと出会ったの。
人間のお母さん、私を自分の家に連れて帰って、色々面倒見てくれたの。美味しいご飯に温かい寝床。最初は寂しかったけど、あっという間に慣れちゃった。
暫くは段ボールの中が世界の全て。仕方ないよね。だって私ちっちゃ過ぎたもの。人間の握り拳くらいだもん。人間のお母さんもちっちゃ過ぎて私を潰しちゃうって怖がってたわ。
そうそう、段ボールの中で遊んでるとね、お母さん以外のお手々がたまに入ってくるの。お父さんと子供だって言ってた。
大きいお手々だから、良いおもちゃだったわ。
秋から冬に変わる頃、そろそろお外でも良いでしょ?ってお母さんが言って、私は段ボールの中から出る事が出来たの。でもまだまだちっちゃいでしょ?お母さんが起きてる間はエプロンの胸ポケットに入って過ごしてたの。
そこに居るとね、色んなものが見えて楽しかった。
あんまり楽しくて、何回か胸ポケットから落ちそうになったりしたわ。
夜は段ボールの中で一人ぼっちで寝てたけど、ふと思ったの。私の本当のお母さんと、ちょっとだけ記憶にある兄弟はどうしたのかなぁ?って。
今頃、寒い外で丸まって寝てるのかなって。
考えちゃうと寂しくなって鳴いちゃうけど、人間のお母さんに抱っこされると落ち着いちゃう。
本当のお母さんも兄弟も、頑張って暮らしてると良いなぁ。




