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黒猫のお話・そのさん
私がこの家に拾われて、もう何年になるかしら?
毎日毎日、食っちゃ寝食っちゃ寝のお気楽な生活してたら、いつの間にか体重が大台に乗っちゃったわ。
それでもここの家の人たちは「可愛い可愛い」言ってくれるから嬉しいわね。ええ、猫ですもの。可愛いのが猫なのよ。決して「ぶちゃいく」とか「デブ」とか「タヌキ」なんて台詞吐いちゃダメよ。
最近になって、なんか小さくて黒い毛玉がウチにやって来たんだけど、もう大変。
会っていきなり「クマ」だの「オバサン」とか言ってくれちゃってねぇ。こんなに綺麗な(毛並みの)黒猫捕まえて言う台詞じゃ無いでしょ?
その後は、暇さえあれば「遊ぼ遊ぼ」って五月蝿いし、アタシの平穏な生活は一体何処に行っちゃったんでしょう?
でもね、遊び疲れて寝てるトコを見てると可愛いもんなのよね。アタシ、子供産んだ事ないけど、親ってこう言う気持ちなのかな。
あらあら、アタシがこんなに弱音を見せるなんて、どうかしてるわね。そろそろお星様になる時期なのかしら?
この家も新しいこの子が居るものね。アタシの役目は終わったのかも。もしも今度また猫になったら、この家でご厄介になりたいわね。
その日が来るまでは、この子と一緒に「可愛い可愛い」ってたくさん言ってもらいましょ。




