倒れて過度な信望回避
なんか倒れちゃったらしい。
長いのは前回のダイジェストが前半にあるからです。
最初の攻撃で魔物一匹を倒され、残りの六匹は動揺しているようだった。このまま一匹ずつ倒すとなれば時間がかかってしまい、その間に逃げられてしまうかも知れない。
そこで頭を凍らせる事にした。足止めなので最初は足を凍らせようと思ったが畑の作物がある程度育っていて足元が見えなかったので、視界を奪う事にした。そして凍らせる魔法は攻撃を当てたところから拡散するので一匹ずつ攻撃するよりずっと効率がいい。
そんなわけで群れの真ん中辺りにいた魔物の頭に魔法を当て、周囲の魔物の体も一部凍結したところでひらめいた。凍っている今なら最初よりも小さな岩でも当たれば砕けて致命傷になるのでは、と。
そしてそれが上手くいったことで最初に思っていたよりずっと早く魔物を全滅させ、ついでに使う魔力も少なめに出来たのだった。
とはいえ神様がいなければ血反吐を吐いて倒れていたに違いない。というかなんか眩暈がするし鼻の奥から何か垂れてきた。無色透明な中にナメクジの模様みたいに黒い線が入っている。なんだこれ。
「おーい、もう大丈夫だよー」
と神様が声を掛けた後、村のほうから歓声が聞こえた。魔物七匹を一人で倒すのはさすがにすごい事なのかも知れない。
やがて誰かがこちらへ向かってきたので体をそちらを向けようとしたところで、そのまま俺は意識を失ってしまった。
「あ、お目覚めになりましたよ」
気が付くと布団の上に寝かされていた。
「おや、ほんとだ。おーい、アルジーヌだよ、わかるかい」
という声が聞こえる。アルジーヌって誰だよ、と思い声のした方向を見るとそこには神様の姿があった。そしてその後ろで誰か二人が何か話していたが、じきにそのうちの一人が部屋の外へと出て行った。
「か……」
神様、と呼びかけようとしたその時、突然二の腕をむんずと掴まれ、
「極楽浄土の蓮華でも見えたのかな、ジュークくん。アルジーヌは心配だなー」
と神様は圧をかけてきた。
「あ、えーっと……」
そういえば、人前で神様と呼ぶのはまずいからと呼び名を決めた気がする。すっかり忘れていた。
そして、
「ちょっと二人にしてくれるかな」
と神様が声をかけたので、部屋に残っていた一人も部屋の外へ出て行った。……心の内でも神様呼びはやめておかないと後で絶対間違える気がする。
「さて、なぜ君は気絶したのでしょうか」
二人きりになるなりそう聞かれた。魔力切れでないことは確かだろうが、それ以外は分からない。
「まあ分からないだろうから教えてあげるよ。威力の高い魔法を使いすぎたからだね、負荷に体が耐え切れなかったんだ」
「つまりはやりすぎた、ということですか」
「まあ、体が負荷で軽く傷ついただけだから、自分に治癒魔法を使えば簡単に治るから次からはそうするといい。まあ今回は、過度に頼られるのを防げたからよしとしようかな」
簡単に治せるなら治してくれればよかったのに。というかわざと放置したまでないか、これ。
ちなみに、敬語なのに呼び捨てなのも変なので呼ぶ時には様付けにする事になった。
アルジーヌが部屋の外で待たせていた人に声を掛けると、一緒にお粥らしきものが運ばれてきた。ここ数日あまり味のしない謎の食べ物しか食べていなかったので、久しぶりのまともな食事だ。塩で味付けもされている。味がするって素晴らしい。
そして食べ終わった食器が片づけられるのとほぼ同時に、なんか偉そうな人が来た。
「荷、荷」by 梁高祖武帝蕭衍




