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とりあえずの目標

「あれ、居たんだ。ただいま」

 アルジーヌが帰ってきたのは夜になって大分経った頃だった。まあ時計がないので本当にそれほどの時間が経ったのかは分からないが。

「適当に出かけてくればよかったのに」

「暗い中灯りなんて付けたら目立ちそうですし、それに……」

 ここで俺が屋根の上に居た、人間よりもアルジーヌや魔物寄りの気配について話すと、

「ふふっ、横方向しか意識してなかったの、まったく。ちゃんと天地四方の事を考えなきゃ」

と笑いながら言われてしまった。

「それはその通りですけど、それより何なんでしょうか、あれは」

「高位の魔族だね、きっと。多分この辺りの魔物を統制してるんだと思うけど」

「何ですかその魔族って」

「えっとね、魔王の力で生まれる魔物みたいな奴ら、って言えばいいかな。魔物も大体は魔族だね。まあ下等な魔物は魔王の眷属ってだけで、魔王に近い高位の魔族の力で湧いたりもするけど、そんなことはみんな知らないし、まとめて魔族でいいんじゃないかな。少なくともあのアンヌって人は知らないっぽかったし、それこそ魔族自身だって知らないかもね」

 そんな事まで知っているのは流石自称神様、なんて事を考えていたが、その時ふと思いついた。

「あの、その魔族を倒すとどうなるんでしょうか。魔物の統制が取れなくなって襲ってこなくなったり……」

「鋭いね、まさにその話をしようと思ってたんだけど」

 思いついた事を口に出すと、その質問を遮るように食い気味でアルジーヌは話し始めた。

「まず森の中で会ったような下等な魔物は消滅するだろうね。あれは近くにいる高位の魔族の発する力があってこそ存在できているんだ。それに、そもそも魔王から離れた場所にいる魔物は、高位の魔族が連れてきたものだから、新しく現れもしなくなって、この辺りは魔物の脅威から解放される」

「じゃあ、あの気配の持ち主を倒せば良いんですね」

「まあ、君の召喚者を探すのが目的だし、別に倒す必要もないけど、君がそうしたいなら手を貸してあげるよ。君はどうしたいのかな」

 アルジーヌは決定を俺に委ねてきた。アルジーヌは倒さなくても良いと言うが、この村の人達を危険なまま放置にせずに済むのなら。

「倒しましょう、進むのはそれからで」

 俺がそう答えると、

「そうと決まれば、まずはそいつが逃げていった方向にとりあえず向かってみようか」

アルジーヌは満足そうな顔をして言った。俺がこう答えるのが判っていたのだろう。

メインクエスト:元の世界へ帰るため、召喚した人物に会う

サブクエスト:高位の魔族を倒して魔物を駆逐する

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