#001「ALPHAと現代社会」
2013年、〇〇県☓☓市。山奥の廃工場で発見された身元不明の遺体。
それが、すべての絶望の始まりだとは思わなかったろう。
突如として蒼白い爆炎に染まった、遺体の搬出を映し出していたニュースのLIVE映像。
現場にいた警察・鑑識26名の生存が絶望的な中、県警本部に一本の無線が届く。…それは、現場の生存者からの悲痛な無線だった。
『――死体がザッ―納体袋から、遺体―ピーザザッ化物がーッ!』
爆風の向こう、ノイズ混じりの画面に映ったのは、蒼炎を纏う人影であった。
2021年
「――つまりだ。」先生が指にチョークを挟んだまま黒板に背を向ける。
「8年前のあの事件の日。死んだはずの男が自分の死因である高電圧のエネルギー…まぁ高電圧のエネルギーでプラズマを生み出していたから、この死呪の場合はプラズマを操る化物『死呪』へと変貌を遂げた。ちなみにこの死呪は事件当日から2ヶ月後に政府が臨時設立した組織が多大な犠牲と引き換えに討伐、世界最初の死呪ってことで『ALPHA』って名付けられた。」続けて先生は言う。
「事件が起きたあの日から、この世界には自分の死因を能力とした化物がよく出るようになった。お前らもよく知っているだろう?今じゃ死呪なんて災害みたいなもんだからなぁ」
先生がため息を付く。
「センセー、」
一人の生徒が挙手をして言った。
「なんで人間は死んだらシジュになるんですかー?」
先生は淡々と答える。
「感情だよ、死呪ってのは死ぬときに恨みとか、怒りとか、強い負の感情がトリガーになって生まれる。だから死んだら絶対に化け物になるってわけじゃない。」
へー、と生徒は口にし、その視線を教科書に戻す。
先生は黒板に向き直り口を開く。
「じゃあ板書するからノートに取れよー」
『死呪』・・・死後、強い負の感情がトリガーとなり死者が自身の死因を操る化物に変貌した姿。特殊な武器で心臓を破壊することでしか倒せない。個体差が大きいが再生能力がある
現在、死呪には4種類いることが確認されている。
理性・異形型・・・言葉による意思疎通ができる、異形型の死呪。SAD保護対象。
本能・異形型・・・言葉による意思疎通ができない、異形型の死呪。SAD排除対象。
理性・人型・・・言葉による意思疎通ができる、人型の死呪 。SAD保護対象。
本能・人型・・・言葉による意思疎通ができない、人型の死呪。SAD排除対象。
『ALPHA』・・・世界で最初に生まれた死呪。プラズマを操っていた。ALPHA自身に関する詳細な記録はあまり残っていない。本能・人型。
『ALPHA事件』・・・世界初の死呪が現れたこの事件のこと、ALPHA討伐までの3ヶ月間のことも指す。
『特異災害対策局(特災局)』・・・世界初の死呪『ALPHA』発生から2ヶ月後に臨時設立された組織。
『対特定怪異災害特別防衛局(英:Shiju Defense Bureau《SAD》)』・・・ALPHA事件から半年後に政府公認で設立された死呪の討伐に特化した組織。
「書き終わったかー?書き終わったら次のページの『ALPHAによる被害、討伐に至るまで』のとこ読むぞー。」
ALPHA発生から1ヶ月目
警察では〇〇県☓☓市の市町村と協力し、市内に住む市民に緊急避難命令を発令、機動隊による周辺住民の避難誘導が行われた。政府では国家規模の緊急事態宣言を発令、化物の出現が公表、☓☓市を完全に封鎖し立ち入り禁止区域に指定、その後、特殊部隊(SAT)がALPHAの捕獲、捕獲が出来ないと断定した場合独自の判断でALPHAを討つため動く。が、普通の銃弾が効かず、現地に送り出された3万人のSAT隊員の半分以上がALPHAによる犠牲になってしまった。
ALPHA発生から2ヶ月目
ALPHAに対抗するための特別な組織。特災局が臨時設立され、ALPHAに関する研究が進む。ALPHAが発生した現場で発見されたALPHAの肉片の研究中、採取された血液から、ALPHAにダメージを与えることのできる唯一の弾丸が開発される。
ALPHAは☓☓市と近隣の街を蹂躙し7万人以上を殺害。被害が拡大し、〇〇県ごと立ち入り禁止区域に指定された。
ALPHA発生から3ヶ月目
特災局による大幅な作戦が展開され投入された隊員の総人数は8万、全隊員に特殊弾丸を使用しALPHAの身体に見事大きなダメージを与えることに成功し胸部を破壊、剥き出しになった心臓を特殊弾で貫き、8万人中6万人の犠牲の上、ついにALPHAの生命活動を停止させた。
「そして、住民、特災局、特殊部隊(SAT)推定15万人の犠牲と☓☓市と近隣の街2個所の破壊と引き換えにALPHAを見事討伐し、このALPHA事件は幕を閉じました……もうこんな時間か、今日の授業はここまで、いいか、今日の部分は絶対に試験に出るから勉強しておけよ!日直、号令」
キーンコーンカーンコーン、と授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。
「起立、礼」
「ありがとうございましたー」
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。コメント欄に感想などを書き込んでいただけると、とてつもなく私のモチベーションが上がります。あと、めちゃくちゃテンション上がります笑。
初めての小説作品なので、読んでいて「ん?」と不可解に思う所があるかもしれませんが、初心者なりに頑張っていくので、どうぞよろしくお願いいたします。




