#000「プロローグ」
2013年、〇〇県☓☓市
「――現地からの速報です。山奥の廃工場で見つかった身元不明の遺体ですが、警察への取材で新たな事実が分かりました。20代とみられる男性の遺体には、激しい火傷の痕があるということです」
「さらに、高電流によるものとみられる、皮膚の変化も確認された模様です。スタジオには元広域捜査官の松原さんにお越しいただいています。松原さん、これはどういった状況が考えられますか」
ニュースの画面が上空のヘリの映像からスタジオに切り替わる。
「はい。おそらく法医学で言う電流斑が確認されたのでしょう。もしこれが――― ……」
現場は山奥の廃工場。
現場のライブ映像が画面全体にクローズアップされ、納体袋に入れられた遺体が現場から運ばれようとしているところが映し出されている。
「ジジジ……」「バチィッ!」
――次の瞬間、納体袋が蒼白い火花を放ち、爆発した。
「――ぐわあぁ!」
映像が白く染まり、カメラが激しく揺れ、衝撃を受けたレンズにヒビが入る。
激しく揺れる画面の向こうからアナウンサーの悲鳴が聞こえる。
画面は暗転。
「何が起きている!」スタッフの声がスタジオに響く。
――爆風の中、ひび割れたカメラは爆発した廃工場で、バチバチと音を立てながら、身体を蒼白く燃え上がらせた黒い人型を映し出す。
映像は乱れ、完全に途切れてしまった。
爆発から3時間後。
テロの可能性を考えた県警本部は現場にいた警察官から連絡がないことを確認し、すぐにニュースで記録されていた映像を元に解析を進めた。同時に現場周辺の道路をすぐに封鎖し不審な車や人物を職務質問、検問していた。
「爆発の1時間前から現在に至るまで、警察関係車両を除く一般車両は、登り下りともに1台も確認されていません」一人の警察官が言った。
「…そうか……そもそも、爆発前に現場の鑑識からは不審なものなどの報告は上がっていない…遺体に爆弾でも仕込まれていたと――」
「本部長、記録されていた映像が確認されました。見づらいですが爆発でカメラが激しく揺れているときの画面の隅、瓦礫の影に人影のようなものが…」
「なに?映像をモニターに映せ、生存者かもしれん」
モニターにカメラで記録されたときの映像が映される。
「……なんだこれは……これは…人なのか…」
そこには蒼炎を纏う人影があった。
「…爆発に巻き込まれた……警官か?…現場にいた警察と鑑識の人数と、映像に映っていた人数は?」
「はい…現場にいた警察、鑑識の総人数は26名、爆発直後に映像に映っていた警察、鑑識の人数も26名、間違いありません…」
「……?どういうことだ、じゃあこの人影は、身元不明の遺体が生き返ったとでも――」その時、静まり返っていた県警本部の無線スピーカーからノイズ混じりに声が響いた。
「ビーザッーザザッ……本部、聞こえる―か…こち―現場の岩谷だ…!――聞こえ…か―」
爆発した現場にいた生存者からの通信だった。
「岩谷!無事か!現場はどうなっている、一体何が起きた!」
「…――体が…遺体が…爆―ザッ発した―だ―ピーザザッガッ―納…袋……遺体の化物が――!」直後、ビーーという鼓膜を突き刺すような高音が響き、無線は完全に途絶えてしまった。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。コメント欄に感想などを書き込んでいただけると、とてつもなく私のモチベーションが上がります。あと、めちゃくちゃテンション上がります笑。
初めての小説作品なので、読んでいて「ん?」と不可解に思う所があるかもしれませんが、初心者なりに頑張っていくので、どうぞよろしくお願いいたします。




