その4:センスと異変
その時、僕は年齢としては6歳11月が経とうとしていた。
発声も出来る、身の回りの事も出来る様になっていた。
(まぁ、記憶が残っている以上、回りに比べると出来る事も、多くあるだろう)
「はい!父さん!何をするの?試練ですか、、?」
「お前ももうすぐ7歳だ、お前には何も不便をしてほしくない、自己治癒、出来ないだろ」
僕はあれから、自分の怪我を自然に治癒出来る能力、自己治癒は発現してこなかった。
この世界では、かなり稀なようでその為両親は、この事を心配してくれていた。
「お前は、ある程度の事は出来るようになった。家事のお手伝いから、元気に走り回れるようになった」
「そうだね!お洗濯も出来る様になりました!」
「偉いぞ。ただな、7歳になると職種を選択する事になるんだ」
聞いた所によると、この世界では、7歳くらいになると、本格的に魔術や武術等を習うようだ。
それより前から魔術を使うと、身体の内部の構造が魔力により、持たなくなったり、時には死に直結する事がある、その為魔術を教えるには、厳格なルールが設けられていた。
「大まかに3つ、その1、魔術を教える際は、二人以上で教える事」
「ふんふん、はいはい、、、」
僕は、拙い字でペンを握り、メモをする。
「その2、魔術を使うには、専用の場所で練習及び、使用する事」
どうやら、武術選択する場合でも、練を使う為に魔術が必要らしい。
僕は圧倒的に、身体を動かすのが前世から苦手だった。必然的に魔術選択へと、進むことになる。
「そしてだな、これが大事だ。その3、修了過程試験を持って職種を確定す、だ」
職種は、途中での変更も可能だった、多岐にわたって幅広く種に触れてもらう為だった。
魔術、武闘、投擲手、機動職種なんてものもあった。
どうやら、専門的に馬術や移動魔術を扱い、安全に目的地や、戦場のある地点まで運ぶ役目、との事。
「色々聞いてきましたが父さん、僕は魔術が使いたいです!」
「そうか、魔術が使いたいか。良いじゃねぇか。て事は、うちは魔術一家になったな。ははは!!」
我が子が、自分と同じ職種を選んだ事を、喜んでくれたのだろう。陽気に笑う。
「もちろんです!いつも二人が、使っていた所を見てたもん!!」
「私も嬉しいよ。クライネ」
セリアスも、横から微笑んで喜んでくれた。二人に背中を押され、僕は魔術選択をする事にした。
早速、僕はバッグを抱え、真昼間から練習場へと来た、教える二人は両親、これでもかなりの実力だと。
「まず、お前にはこれを与えようじゃないか」
ジーアスは、僕に一つの指輪を与えてくれた。
「いやな?杖とかもあるんだけどな、この指輪は俺がいつも使ってるやつでな」
杖や、ペンダント、首に巻くタイプ、魔術を扱うにも色々な種類があるらしい。
「ありがとうございます!父さん!」
父親から貰った指輪を笑顔で受け取り、僕は指にはめる。
「私からは、これを」
セリアスからは、お守りのような形をした一つの道具をくれた。
「これは、自己治癒能力を上げてくれる道具、いつか使える日が来たら嬉しいわ。クライネ」
僕は、アイテムを入れるバッグのポケットにしまい込んだ。
「母さん、、大事にします、、」
二人の思いも受け取り、初めての魔術を唱える。
「初めに、教える魔術は早速だが、治癒魔法だ」
父さんは、治癒魔法の呪文を教えてくれた。
「ほら、唱えてみろ」
「分かりました!大地の地脈よ我が手に癒しを、ヒーリング!」
手の平の前に、緑色の光がキラキラと舞った。成功だ。
「凄いわよーー!!クライネーー!!」
後ろで、セリアスが跳ねて喜んでいる。今にもこちらに駆け寄ってきそうだ。
「よくやった!!一応な、呪文は唱えなくても良いんだ、でも唱えると拡散が微弱だが抑えられる」
「拡散、ですか?」
魔力拡散、この世界の魔法の唯一の欠点だった。魔法を使うと、魔力調整が基本出来ないので
余分な魔力が拡散する。その為攻撃魔法で使うと、点での攻撃が出来ない。拡散攻撃が定石だ。
「中には、魔力を魔力で、調整する奴も居るんだけどな、調整魔法ってのがあるもんだ」
「良いじゃん、調整出来るじゃん。なら教えてよ、父さん!」
「でも、そうなると魔力消費が激しいだろ?いざと言う時に、魔力切れを起こす」
戦闘時間が人より非常に短くなる、調整魔法も考え物だ。
「次は、攻撃魔法だ。拡散するのは自然な事だ、思いっきりやっちまえ!」
「はい!硝煙の施す業火を放て!フロストボール!」
初心者用の魔法は、放たれた。確かに放たれた。でも何かおかしかった。
ボワァァァァァァァァァァァァァァァァァァア!!!!!!
火力は、練習してる周りの子と変わらない、でも、何だかやけに飛距離がある。
「おい、あの子めっちゃ火球飛ぶじゃん」
「私もあそこまで飛ばせないって、、消えちゃうよ普通、負けた、、子供に負けた、、」
練習場に居た大人が、こちらを見ていた。
「お前、何か今の火球変じゃなかったか?」
「変、、でしたか?」
父が言うには、飛んでいく時周りに拡散される、魔力の軌跡がほとんど見えなかったらしい。
「変なんてそんな事無いんだ。ただな、、、」
「えぇ、、ちょっとジーアス、耳貸して」
セリアスから、とある事を聞き、上を仰ぎ、考え込む父さんと母さん。
「ちょっと服脱げ、クライネ」
「えええええぇぇぇぇええ!!!!!練習する人少ないとはいえ、僕以外も人居るんですよ!?」
力及ばず、服を脱がされる僕。
「良いか、俺のタイミングでもう一度火球を撃つんだ」
「は、はい、、!」
恥ずかしながらも指輪を構え、手の平を奥に向ける。
「今だ!撃て!!!」
「硝煙の施す業火を放て!フロストボール!」
勢いよく、飛んでいく火球そして、僕は自分のお腹に違和感を感じ、視線を落とした。
そこには、ほのかに光る傷痕があった。
その4センスでした。難しいです。人に伝える最低限の情景だったり、情報だったり。
大変です、ただまだ楽しさが勝ってるので続きそうです。
また、見かけた時は是非。




