その2:灯火の命
告白した、僕は舞宮那加に、でもそれは罰ゲームでしかなかった。
いじめによって坂間郷太は亡くなってしまった。
目が覚めるとそこは、洞窟で、、
、、、、視界が開く。
気付けば、僕は岩の空洞に居た。
(ここはどこだ、、?)
声を出そうとする、しかし、どうにも声が出ない。
「うわぁぁ、あぁぁぁぁ!」
出した声に自分で驚いた、甲高く、耳に劈く声。
思った声は出ないが、幸い視界からの情報は読み取れる。
まず、自分の身に何が起こったかだけでも良い、情報が欲しい。
(これは、、、っ!)
そこに見えたのは、小さい小さいふっくらとした腕だった。
段々と理解はしてきた、ただとても断片的な情報だけだ。
どうやら、僕は身体が縮んでしまったらしい。いや、赤子そのものになってしまったのか?
綿の上に、布を敷いた籠の中に取り残され、僕はこんな洞窟の中に居るのか?
かろうじて、籠が斜めになっていた為、正面と周囲も見える。
周囲は暗い、洞窟の入り口が微かに月明りで照らされており、よく見えない。
(ようやく目が覚めたと思ったら、絶体絶命かよ!)
急なハードモードの始まりだった、このままでは無力で非力な自分にはどうする事も出来ず
この、洞窟の中でまた苦しい思いをしてしまう。
(それだけはごめんだ!)
泣いた、とにかく泣いた。
(気付け!!!誰でもいい!!!!気付いてくれ!!!!)
そんな、命を懸けた鳴き声に寄ってきたのは、群れを成した、灰色の毛の四足生物だった。
「「「ガルルルルル、、、」」」
涎を出し、唸る生物群れは確実に僕を見ていた。
ゆっくりではあるが、着実に距離を詰めている。
(まずい事になった、、、今の僕には何も出来ない、、っ)
「グルルラァァァァア!!!!!!」
一匹が遂に、僕に向かって走り出してきたのだ!
その時だった
「光の導を!ド・クェイサー!」
一本の光の筋が、目の前を通ったかと思うと、飛び掛かってきてた生物がはじかれる様に宙を舞っていた。
洞窟の入り口には、一人の女性が立っていた。
仲間を攻撃された生物は、矛先を女性へと向ける。
「グオオァァァァァアアアア!!!!!」
一斉に飛び掛かる、女性は群れの中に沈んでしまった。
(おいおいおい、大丈夫か!?)
心配とは裏腹に、群れの中から声が聞こえた。
「深緑の加護よ私に!! フォレステッドバリア!!」
取り囲んだ群れが急に、バリアの形に沿って、膨れ上がる。
「エレクトリック!!!」
バリアに電気が走った、電撃に触れた灰色の生物は、ひっくり返って皆伸び切っていた。
「ジーアス!こっち!!こっちから聞こえたの!」
「待ってくれって、、急に走り出すから、、」
どうやら、男性も居るらしい、ともあれラッキーだここまで来たらお得意のあれだ。
「うわあぁああぁぁ!!!ぁぁぁあああぁあ!!!」
泣き喚いた、いくら暗がりとは言え、声は届く。
その声は、すぐに女性に届いた。
「こんな所に、赤子、、?」
「ひぃぃ、、はぁ、、やっと追いついたよ、、」
「遅すぎ、私だけで事足りたわよ」
籠を覗く二人、緑髪の女性は、僕を担ぎ上げ腕を揺らす。
それを見守る黒髪の男性。ジーアスと呼ばれていただろうか、名前なのだろう。
「なんでこの子、洞窟なんかに置かれてたんでしょうね、、」
「よく、、よく生きてたな、、」
「最近、そう言う事が多々あるみたいだね。話も耳にするし、、」
「何それ、、許せない、、こんな小さな子を一人にしてるのよ!?親の顔見てみたいわ!」
(どうやら、人柄は良さそうな人に見つけてもらえたみたいだな、、)
安心していると、女性は怪我が無いか確かめる為だろう、服をめくった。
「あら、、この子お腹に傷痕、、中々大きいわね、、」
「傷痕だなんて珍しい、いや見た事無いな、、」
「治癒してみるわ、ヒール、、!」
緑色の光が、周囲をまとい僕のお腹の痕を治そうとする。
(お腹がじんわりと温かい、、)
まるで湯たんぽをお腹に当てているようだった。
「ダメみたいね、、深い傷痕なのかしら、、消えない、、しかも、この子治りが遅くない?」
「貸してみてよ、俺の方でもやってみる」
その後も、僕の痕を治そうとしてくれたが、痕が消える事は無かった。
「一度、家に連れて帰りましょう。痕は家に戻ってからまた、治してみましょう」
「そうだな、ここに一人にしておくのも、危険も危険だからな」
「あうあぁぁあ!!ああぁ!!!ぁぁ!!!!」
(サンキュー!!ラッキー!!ありがとなぁぁ!!!!)
こうして僕は、仲睦まじい二人に、家へと連れて行ってもらうのだった。
意外と領内は近かった、そこ歩いて十数分程だっただろうか。
漫画で見たような、黒く、とても頑丈そうな格子状の門をくぐり、領内へと入る。
「あら!!!トダンさん!!セリアスさん!!なぁに!!その子!!いつ子供出来たのよぉ!!」
急に、歩く二人の横から、ふくよかな体系の女性に話しかけられた。
女性は、セリアスと言うみたいだ、姓はトダン。
「ちっ 違います違いますって!!!た・す・け・たんです!!」
弁解する女性、あわあわとしていて、慌てふためいている。
(この反応、、子供は居ないようだな、、)
「助けたですってぇぇ???何よ、どうしたのよその子」
「一人、洞窟の中で居たんです。そこをグラが襲ってて、助けたんです」
(知らない名前、、本当に違う世界に来たみたいだ、、)
「一人で?その子が?親はどこに行ったのよ親は!」
「居ないみたいです。周囲も見ましたが、どこにも人の気配すらありませんでした」
「あらぁ!!!ジーアスさんじゃない!!気付かなかったわぁ!!」
まるで、田舎の様な温かさだった。こんな人の為に心配してくれるなんて、前は無かったぞ。
会話をしてる中で、セリアスがお腹の傷痕について、話を切り出す。
「この子、お腹に傷痕があるの。それも、大きめの」
服をめくり、ふくよかな女性に見せる。
「傷痕なんて、珍しいわねぇ、、!怪我なんてしたら治癒魔法です―――ぐ治しちゃうから」
「そうなんですよね、子供の頃から治癒魔法と自己魔法で、怪我しても痕なんて消えてましたもんね」
神妙な顔で、セリアスは僕のお腹の傷痕を、眺めていた。
(治癒魔法、、?自己魔法、、?さっきの洞窟の時と言い、魔法が使えるのか、、?)
どうやら、間違いではなかったみたいだ。
会話を聞く限り、この世界は魔法が使えて、自己治癒魔法と言うアビリティの様な物があるようだ。
(そんなアビリティを僕は持ち合わせていない、、、と。)
あれ?大体こう言うのって、何でもかんでも使えて~とか、そういう物じゃないのか?
異世界を舐めていた、人生変わってもハードモードじゃないか。
女性と別れ、僕は二人の家へと着いた。
内装はしっかりとしていて、赤いレンガ造りの家だった。
(ザ、別世界!って感じだな。イメージした通りそのままを形にしたみたいだ)
(おっ、暖炉だ、、漫画でしか見ないぞあんなの、、)
「子供用のベッドなんて、持ってないわよね、、どうしましょう、、」
二人は、僕の生活用具について、とても悩んでいるようだった。
「今行っても、店は大概閉まってるしなぁ、、」
頭をぽりぽりと搔きながら、悩むジーアス。
その時、声を上げる人が居た。セリアスだった。
「朝一!朝一で準備しましょう!!」
優しすぎやしないか、どこの誰か分からない子供の為に、朝一から動こうとしている。
そんな幸せを嚙み締めながら、僕は、今日の所は二人のベッドで眠りにつくのであった。
慣れないです。難しいです。多分ずっと言ってるかもしれません。
他の方の作品を読んでみたりとか色々と、試行錯誤してます。




