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ベータのくすり屋  作者: 碧海


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2/7

中央門がある町

主人公のいつもの朝風景。

辺境だけどみなさん朝から元気に活動しています。


 うちの店は中央門の大通りからちょっと入ったところにある。

中央門は隣国へ出入りする主要な街道へ続いているので様々な人や物が出入りし、それに伴って騎士団や傭兵、商人などが利用する店が多く、栄えた町になっている。


 家族はそんな辺境で娘一人物騒だと心配しているが、騎士団が常にいるので案外治安も良く、商店も多いので商売するのには良い場所だったと思っている。


 城壁は魔物の侵入を防ぐもので、国内、隣国の犯罪者の出入りに関しては中央門で厳しく規制されてるが、それ以外の人の出入りはそこまで厳重ではない。

そもそも一般人は用もないのに気軽に城壁外へは出ないからね。


 中央門の警備は王都騎士団が交代で勤務している。近くに騎士団支部と宿舎があり町中で見かけることも多い。

 うちの店にも来るけど、重傷者は来ないので勤務帰りに個人的な栄養剤を買うか、うちの薬草茶を飲みに来るだけ。

騎士団出入りのお店として周知されてるせいか物騒な客が来たことはないが、気軽にカフェ扱いされてる気がするよ。


 朝、日の出とともに身支度をしたら表のドアから出てパンを買いに行く。

基本自炊だけど、パンはやっぱり焼きたてが一番。

表通りへ出てパン屋へ向かう。途中から焼きたての良い香りがしてくる。

外の小窓を開けて声をかける。


「おはようございます~、カンパーニュください。」

「おう、ブラウいつも早いね。」

 パン屋のニールさんが窯の前で大汗かいて振り向いた。


「あと今日のサンドイッチは何?」

「今日はチキンと卵のサンドだよ。」

 奥さんのマリエッタさんが大きなおなかを抱えて出てきた。


「体調はどうですか?そろそろ臨月でしょう?」

「ブラウのお茶のおかげでむくみがなくなったから楽になったよ。ありがとうね」

「良かった、もう少しだから気を付けてね。 じゃ卵サンドもください」


 私はパンの包みを抱えていそいそと店に戻った。


 うちの家は商家だったので、王立魔法学園へは行かずに教会で読み書きを習い、家では家庭教師をつけてもらって色々な勉強をした。

特に、小さいころから薬に関する本を読むのが大好きだったので、家や図書館にある薬草や薬学の本で好きな勉強していた。

なので、自分で薬草茶をブレンドしたり、栄養剤や簡易ポーションを作っている。


 店に戻ると裏のキッチンで薬草を選んでお茶を入れる。今日はさわやかなミント系。

保冷ボックスからベーコンと野菜を出して、スライスしたカンパーニュとベーコンを魔法で軽く炙る。

サラダを作ってハーブ塩をかけて朝食の出来上がり。

たまに調薬のお客さまが続いて昼休憩に一時的に閉めることができないことがあるので、チキンサンドは昼食用に保冷ボックスへとっておく。

カンパーニュの残りは夕飯のスープと一緒に。


 食べ終わったら裏の畑で野菜や薬草のお世話。日当たりが良いので最低限必要な薬草はここで栽培できる。

自分で食べる分の野菜も一緒に作っている。


 うちで栽培できないような薬草が欲しいときは、実家へ頼むか、ギルドへ採取の依頼をして取ってきてもらう。

マリエッタさんのむくみをとるお茶を作るときには、妊娠中だったし普通に手に入る乾燥薬草よりフレッシュな薬草を使いたかったのでギルドに頼んで壁外で採取を依頼した。

その時もユーリスが行ってくれたっけ。


 朝の一通りのルーティーンを終えたら、棚の薬草と薬のチェック。

常備薬はあまり作りすぎると品質が落ちるので最低限。あとはお客さまに合わせてその場で調剤することが多いので、材料だけは切らさないように在庫はチェックしている。

その場調剤なので、簡単なものは待って帰ってもらえるけど、マリエッタさんのむくみ取り茶のように慎重にじっくり作りたいものは出来あがった時点で取りに来てもらったりお届けしたり。

今は注文薬はないので開店準備は比較的のんびり。


 一通りチェックし終わったので、店の結界魔法を解いて開店!

早速ご近所さんが一番乗り(笑)


「おはようございます、ジーンさん。調子はどうですか?」

 近所の大工の棟梁ジーンさんが入ってくる。

「おはようブラウ、腰もだいぶいいし、今日は現場へ行こうかと思ってな。息子たちに任せっきりにはできないし、目を光らせておかないと。」

 年の割には良い体躯と日焼けした顔に白髪の光るイケおじだ。


「湿布はもういらないね。 健康茶だけ飲んでいく?」

「おう、頼むわ」

 床に大工道具をドカッとおいて待合のイスに座る。

 私はお茶を渡しながら、

「でも高いところは気を付けてよ。うちは骨折は治せないからね。」

「大工が高いとこ上らなくなったらおしまいだぜ。」

 白い歯を出してがははと笑う。若いときはさぞかしモテただろうな~。


 ジーンさんと入れ替わりに散歩途中の常連さん姉妹が入ってきて、待合のイスに座っていつもの血圧を安定するお茶を飲んで二人でお喋りしている。

何人かの常連さんが健康茶や栄養ドリンクを持ち帰ったり飲んだりして朝は人の出入りが多い。

みなさんうちが狭いのを知ってるので、誰かが入ってくると席を譲って出ていく。


 そうこうするうち騎士団の制服を着たガタイのいいイケメンが入ってくる。

一気に店が狭くなり店内温度が上昇する。


「おはようございます、アレンさん。今日は中央門警備ですか?」

 濃茶の目、赤茶の髪を短く刈り上げたた中央門の警備隊長だ。

30代後半くらいで中央騎士団でも重要なポジションにいるらしいけど、この辺境ではよくわからない。

ぱっと見軽めのイケメン隊長って感じだけど、実際は王都にいる愛妻と2人のかわいい子供にメロメロなお父さんだ。


「おはようブラウ。 栄養剤と眠気覚まし1本ずつと、健康茶持ち帰りで。」

「珍しいですね、眠気覚ましですか?」

 健康茶を入れながら手早く薬を袋に入れていく。

 ご近所の皆さんはイケメンの登場に浮足立ってくる

「もしかすると夜勤までになりそうなんだ。魔物じゃなさそうだけど、隣国の境界あたりで大きな爆発音があったらしい。一応警戒態勢でね。」

「ブラウちゃん、お兄さん今隣国へ買い付けに行ってるんじゃないの?」

 ご近所のケリーおばさんが心配そうに聞いてきた。

「そろそろ戻ってくる頃だと思うけど、魔法通信も来てないし、護衛がユーリスだから大丈夫じゃないかな。」

 私は内心ドキッとしたが明るく答えた。


「ユーリスが護衛なら心配ないよ。大きな音っていう情報だけだから魔物じゃなさそうだし、皆さんも心配せずに。」

 アレンさんが優雅な微笑みを振りまいて店にいたみんなを安心させて出ていった。

後には頬を染める女子と男子。イケメンの力恐るべし。

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